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第18話
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「メグ、デービス様がお見えよ」
終始笑顔の母がデービス様の来訪をウキウキと伝えに来た。
「やぁ、メグ!凄く綺麗だ……すっかり見違えたよ」
……見違えたって……。私ったら本当にいつもは地味なのね。女性として……少し反省だわ。
デービス様はの胸元には、私のドレスと同じ色のポケットチーフがある。
「あ……これ」
「うん。友人として参加するのに、まるっきりお揃いってのは不味いかもしれないけど、これぐらいならね」
一応私の婚約者であるフェリックス様への気遣いの様だが、私が身に纏うドレスはデービス様の瞳と同じ色。これは大丈夫なのかしら?
デービス様は母への手土産を渡し、完璧な挨拶をしてみせた。……フェリックス様とは大違いだ。
「気を付けて行ってらっしゃい。楽しんで!」
母は紳士的な振る舞いを見せたデービス様にすっかり心を許してしまった様だ。……いや、デービス様は普通なのだ。フェリックス様が普通じゃないだけで。
「マーガレット様!」
会場の入口で入場を待つ私達に声を掛けて来たのは、アイーダ様だ。
深紅のドレスがアイーダ様の黒髪をより一層美しく引き立てている。
「アイーダ様!それにゴードン公爵令息様」
私は身分が上である二人にカーテシーで挨拶した。デービス様も頭を下げ挨拶をする。
「あぁ、堅苦しい挨拶はいいよ。アイーダが君の話をしていて、会ってみたいと思っていたんだ。僕の事はジェフリーと呼んでくれたらいいから」
ジェフリー様は人懐っこい笑顔でそう言った。そして、デービス様に、
「ルーベンス子爵のデービスだね。はじめまして。色々と聞いているが、あの国は……まぁ、伝統を重んじる国だから、仕方ない。この国を好きになってもらえると嬉しいよ」
とウィンクしてみせた。
デービス様がルーベンス子爵の養子になった経緯を知っている様だ。きっと……多くは語らないがデービス様は苦労したのだろう。ジェフリー様のその言葉で私はそう理解した。
「僕にはこの国の方が合ってるみたいです」
デービス様もジェフリー様の意を汲んで頷いた。
アイーダ様は私の耳元で、
「ねぇ、デービス様って素敵な方じゃない」
と囁いた。
そして、ジェフリー様の腕を取り言った。
「私、実はマーガレット様に前に意地悪を行ってしまったの。『夏の夜会に参加するの?』なんて。私だって初めて参加するくせに……本当に嫌な奴だったと思うわ」
そんなアイーダ様にジェフリー様は、
「自分の悪いところを認められるのは素晴らしい事だよ。僕がやっと夜会に出席出来る歳になったからね、何なら君を待たせていた僕が悪い」
と微笑んだ。
二人の雰囲気がとても素敵で私が見とれていると、
「ジェフリー様は歳下だと思えないぐらいしっかりされてるね」
と隣のデービス様が私に囁いた。
「ええ、本当に」
夜会の前に何となく胸が温かくなる。すると、
「僕らの入場はもう少し後になるから、また」
とジェフリー様が私達にそう言うと、
「あ!そう言えば。ステファニー様は遅れるそうよ」
とアイーダ様が思い出した様にそう言った。
……忘れてた。そう言えばフェリックス様もこの夜会に参加するんだった。
私はワクワクした気持ちが少しだけ萎んだ気がした。
終始笑顔の母がデービス様の来訪をウキウキと伝えに来た。
「やぁ、メグ!凄く綺麗だ……すっかり見違えたよ」
……見違えたって……。私ったら本当にいつもは地味なのね。女性として……少し反省だわ。
デービス様はの胸元には、私のドレスと同じ色のポケットチーフがある。
「あ……これ」
「うん。友人として参加するのに、まるっきりお揃いってのは不味いかもしれないけど、これぐらいならね」
一応私の婚約者であるフェリックス様への気遣いの様だが、私が身に纏うドレスはデービス様の瞳と同じ色。これは大丈夫なのかしら?
デービス様は母への手土産を渡し、完璧な挨拶をしてみせた。……フェリックス様とは大違いだ。
「気を付けて行ってらっしゃい。楽しんで!」
母は紳士的な振る舞いを見せたデービス様にすっかり心を許してしまった様だ。……いや、デービス様は普通なのだ。フェリックス様が普通じゃないだけで。
「マーガレット様!」
会場の入口で入場を待つ私達に声を掛けて来たのは、アイーダ様だ。
深紅のドレスがアイーダ様の黒髪をより一層美しく引き立てている。
「アイーダ様!それにゴードン公爵令息様」
私は身分が上である二人にカーテシーで挨拶した。デービス様も頭を下げ挨拶をする。
「あぁ、堅苦しい挨拶はいいよ。アイーダが君の話をしていて、会ってみたいと思っていたんだ。僕の事はジェフリーと呼んでくれたらいいから」
ジェフリー様は人懐っこい笑顔でそう言った。そして、デービス様に、
「ルーベンス子爵のデービスだね。はじめまして。色々と聞いているが、あの国は……まぁ、伝統を重んじる国だから、仕方ない。この国を好きになってもらえると嬉しいよ」
とウィンクしてみせた。
デービス様がルーベンス子爵の養子になった経緯を知っている様だ。きっと……多くは語らないがデービス様は苦労したのだろう。ジェフリー様のその言葉で私はそう理解した。
「僕にはこの国の方が合ってるみたいです」
デービス様もジェフリー様の意を汲んで頷いた。
アイーダ様は私の耳元で、
「ねぇ、デービス様って素敵な方じゃない」
と囁いた。
そして、ジェフリー様の腕を取り言った。
「私、実はマーガレット様に前に意地悪を行ってしまったの。『夏の夜会に参加するの?』なんて。私だって初めて参加するくせに……本当に嫌な奴だったと思うわ」
そんなアイーダ様にジェフリー様は、
「自分の悪いところを認められるのは素晴らしい事だよ。僕がやっと夜会に出席出来る歳になったからね、何なら君を待たせていた僕が悪い」
と微笑んだ。
二人の雰囲気がとても素敵で私が見とれていると、
「ジェフリー様は歳下だと思えないぐらいしっかりされてるね」
と隣のデービス様が私に囁いた。
「ええ、本当に」
夜会の前に何となく胸が温かくなる。すると、
「僕らの入場はもう少し後になるから、また」
とジェフリー様が私達にそう言うと、
「あ!そう言えば。ステファニー様は遅れるそうよ」
とアイーダ様が思い出した様にそう言った。
……忘れてた。そう言えばフェリックス様もこの夜会に参加するんだった。
私はワクワクした気持ちが少しだけ萎んだ気がした。
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