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第15話
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応接室に入る前、私は大きく息を吐いた。
……フェリックス様がいったい私に何の用なのだろう。
「失礼します」
部屋へ入ると、長椅子に足と腕を組んだフェリックス様が私を見るなり、
「今日は何処へ行っていたんだ?!図書館に行かなかっただろう?!」
と詰問された。
私は入り口に立ったまま、
「はい?あ?え?」
と目を白黒させる。
フェリックス様はバッ!!と立ち上がると、入り口の私の方へと近付いて来た。……何だか怖い。私は指で眼鏡をそっと直すと目の前まで来たフェリックス様を見上げた。
「何処へ行っていたんだと訊いている」
「あ……あの……カフェへ」
「またか??お前……そんなにカフェが好きなのか?」
「いえ……いや、まぁ好きですけど、あの……」
としどろもどろの私にイラついたのか、
「何故お前はそんなに、オドオドしてるんだ?」
とその原因であるフェリックス様から尋ねられる。……貴方が威圧的だからです……とは言えない。私が答えに困っていると、私の背後から、
「あの……ハウエル侯爵令息様。同僚の騎士の方がお見えです。アンダーソン公爵令嬢様の王太子妃教育がそろそろ終わるから……と」
メイドがそう声を掛けて来た。
フェリックス様は私の背後のメイドにチラリと目をやると、
「チッ!時間か……」
と舌打ちをして、
「俺は行く。いいか?お前は大人しく本を読んでれば良いんだ。分かったな?」
と私の肩をガシッと掴む。私は咄嗟の事に、コクコクと頷くしかなかった。
フェリックス様は嵐の様に来て嵐の様に去っていった。
掴まれた肩が少し痛い。そう言えば……あんなにフェリックス様と至近距離で相対したのは初めてかもしれない。
最近のフェリックス様は何だか変だ。今の今まで私の事など放置していたというのに……私は首を傾げざるを得なかった。
アイーダ様とカフェに行ったあの日……フェリックス様が去っていく私達の背中に声を掛けて来た……様な気がしたが、それを無視してしまったからだろうか?いや……気の所為かもしれないし、そんな事で?と思わなくもない。
だがプライドの高そうなフェリックス様だから……と色々考えてもフェリックス様の事は理解できそうも無かった。
……フェリックス様がいったい私に何の用なのだろう。
「失礼します」
部屋へ入ると、長椅子に足と腕を組んだフェリックス様が私を見るなり、
「今日は何処へ行っていたんだ?!図書館に行かなかっただろう?!」
と詰問された。
私は入り口に立ったまま、
「はい?あ?え?」
と目を白黒させる。
フェリックス様はバッ!!と立ち上がると、入り口の私の方へと近付いて来た。……何だか怖い。私は指で眼鏡をそっと直すと目の前まで来たフェリックス様を見上げた。
「何処へ行っていたんだと訊いている」
「あ……あの……カフェへ」
「またか??お前……そんなにカフェが好きなのか?」
「いえ……いや、まぁ好きですけど、あの……」
としどろもどろの私にイラついたのか、
「何故お前はそんなに、オドオドしてるんだ?」
とその原因であるフェリックス様から尋ねられる。……貴方が威圧的だからです……とは言えない。私が答えに困っていると、私の背後から、
「あの……ハウエル侯爵令息様。同僚の騎士の方がお見えです。アンダーソン公爵令嬢様の王太子妃教育がそろそろ終わるから……と」
メイドがそう声を掛けて来た。
フェリックス様は私の背後のメイドにチラリと目をやると、
「チッ!時間か……」
と舌打ちをして、
「俺は行く。いいか?お前は大人しく本を読んでれば良いんだ。分かったな?」
と私の肩をガシッと掴む。私は咄嗟の事に、コクコクと頷くしかなかった。
フェリックス様は嵐の様に来て嵐の様に去っていった。
掴まれた肩が少し痛い。そう言えば……あんなにフェリックス様と至近距離で相対したのは初めてかもしれない。
最近のフェリックス様は何だか変だ。今の今まで私の事など放置していたというのに……私は首を傾げざるを得なかった。
アイーダ様とカフェに行ったあの日……フェリックス様が去っていく私達の背中に声を掛けて来た……様な気がしたが、それを無視してしまったからだろうか?いや……気の所為かもしれないし、そんな事で?と思わなくもない。
だがプライドの高そうなフェリックス様だから……と色々考えてもフェリックス様の事は理解できそうも無かった。
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