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第39話
しおりを挟む「突然で申し訳ないのですが…アナベル様はどのようにお考えなのですか?!」
私は3人に連れ出され、予約制の上位貴族用サロンに場所を移して、椅子に座らされましたの。…皆様、殺気だっておりますわ。
今、私に詰め寄っているのは、ナタリー様ですわ。…綺麗なお顔が台無しですこと。
「どう…とはどのような事でしょう。具体的に教えていただきませんと…」
「あの忌々しいメリッサとか言う女狐の事に決まっているじゃありませんか!!」
私の言葉の最後を遮って食いぎみに話しに割り込んだのはバイオレット様です。
唾が飛んで来そうな勢いに思わず私は扇を広げて顔を覆いましたの。
「メリッサ…あぁ、バジル男爵令嬢の事ですわね。それで…皆様は何がおっしゃりたいのでしょうか?」
「あの女の横に、いつも殿下が侍っている為に、皆様迷惑してますの」
ジェニファー様もそう私に詰め寄りますが…どうもまたもや苦情受付係になるようですわね。殿下…少し恨みますわ。
「侍ってなんて…生徒会役員としてご一緒しているだけでは御座いませんか」
「生徒会役員とはいえ、度が過ぎておりますでしょう?食堂にも毎日。図書室、サロン、中庭。全て上位貴族の校舎ですのよ?あの女は男爵令嬢…いえ、男爵令嬢とはいえ中身は平民。そんな者が我が物顔でこの校舎を闊歩しているなんて。あ~~~~~もう虫酸が走りますわ!」
と、ナタリー様は絶叫いたしました…私、ナタリー様の変貌の方があ~~~~って感じなのですけど…。
「それは…皆様のご婚約者の方々も同じではありませんの?ベルナール様始め皆様、バジル男爵令嬢のまるで取り巻きのように、一緒にいらっしゃるじゃありませんか?皆様、ご婚約者の方々にこの事を言った事は?」
すると皆様、私から目を逸らしますのよ?まずは自分の婚約者に文句を言えば良いのではないかと、私思うのですけれど。
すると、ジェニファー様が、
「わ、私は、少しお話しをしてみたのです。ロバート様に、生徒会のお仕事が…その…プライベートの時間まで影響を与えているのではないですか…と」
「で、そのお答えは?」
と、私が尋ねますと、
「生徒会の事に口を出すな!と」
そう言うとジェニファー様は俯いてしまわれましたわ。お可哀想に…。殿下はそんな言い方はしない筈ですわ。…ですわよね?
「とにかく!殿方達はあの女に何故か、肩入れしております。殿方達の意識を変える事は諦めましたの。あの女、あの女を排除しなければ、私達の心の平安は訪れないのです!」
…これって…やっぱり私に『悪役令嬢』になれって事かしら?
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