17 / 95
第17話
しおりを挟む「貴方のおチ◯チ◯の皮を剥いてあげたのは誰だと思ってるの?」
「わーーーーーっ!お前、なんでそれを言うんだよ!絶対に言うなって言っただろうが!
それに、それは子どもの時の話だ!!今は確実にあの時よりも成長している!」
「あら…そう?まぁ、興味はないけど。それに、その下着、きちんと大人用なんだから、人並みなら収まるでしょうよ。それにそういう下着を着けると色気が出るらしいわよ?」
「色気なんて、俺には必要ないんだよ。それに、そんな事、お前に心配されたくない」
「恋人なのに?」
「だからフリな!本当に勘弁してくれよ…。俺の平穏無事な生活を返してくれ」
あらあら…ぐったりしてしまいましたわ。揶揄うのもこれぐらいにしておきましょうか。
「大声を出せる元気があるなら大丈夫ね。じゃあ、そろそろ私は帰るわ」
「あぁ…帰ってくれ。俺は疲れた」
「まぁ、それは大変!早く休んだら?」
「原因に言われたくないんだけどな、その意見には俺も同意だ。俺は寝る」
「見送りは結構よ。早く休んでね」
「大丈夫だ、頭から見送る気はない。じゃあな」
「明後日の昼食は一緒に取るから。そのつもりでね」
「あぁ…わかってる。地獄だな……」
「では、帰るわ」
私はレナードに見送られながら、
「アナベル様、グレイ坊っちゃんをあんまり苛めないで下さい」
と釘を刺されてしまいましたわ。
苛めてるつもりはないのだけれど…まぁ…善処しましようか。
私が我が家に帰り着くと、お母様から、
「アナベル、ルシウス殿下からお手紙よ?学園でも一緒にいらっしゃるのに…お手紙なんてどうかしたの?」
と訊ねられたので、私は、
「実は…」
とお母様に、今回の殿下の事をお話し致しましたの。
「まぁ…殿下が恋人を?」
「はい。それで私としては学園に居る間だけでも、殿下に青春を謳歌していただきたいと思いまして…」
「で、貴女も恋人を?」
「と言いましても、私は殿下以外の方に興味は御座いませんので、恋人のふりをグレイに頼みました」
「ねぇ…貴女は本当に殿下に恋人が出来ても良いの?」
「私が婚約者になったのは、私が強く望んだからであって、そこに殿下の気持ちは少しも汲まれておりません。
殿下が言ったように一生恋を知らないというのも…殿下に申し訳ない気がいたします。殿下の切実な願いなら、私は叶えて差し上げたいのです」
「でも…もし、もしもよ?殿下がそちらの…その恋人になったご令嬢と結婚したいと…そう言い出したらどうするの?」
「殿下は、結婚するのは私だとお約束して下さいましたので、あまりそこは心配しておりませんでしたが…そうですね…そうなった場合はそのご令嬢を抹さ…」
「待って!それ以上は言わないで。物凄く物騒な言葉が聞こえそうだったから。全部は聞こえていないけど、それだけはダメよ。それは犯罪ですからね」
「わかっております。その時には完全犯罪を…」
「アナベル、そういう意味じゃないの。バレなきゃ良いわけじゃないのよ?」
「……そうですか…なら他の手段を考えますわ」
「そうして頂戴。但し、物騒な事は考えてはいけませんよ?」
「…………………」
「アナベル、返事は?」
「…………………はい」
抹殺せずに済む方法を早急に考えますわ。
59
お気に入りに追加
1,817
あなたにおすすめの小説
お飾りの側妃ですね?わかりました。どうぞ私のことは放っといてください!
水川サキ
恋愛
クオーツ伯爵家の長女アクアは17歳のとき、王宮に側妃として迎えられる。
シルバークリス王国の新しい王シエルは戦闘能力がずば抜けており、戦の神(野蛮な王)と呼ばれている男。
緊張しながら迎えた謁見の日。
シエルから言われた。
「俺がお前を愛することはない」
ああ、そうですか。
結構です。
白い結婚大歓迎!
私もあなたを愛するつもりなど毛頭ありません。
私はただ王宮でひっそり楽しく過ごしたいだけなのです。
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
結城芙由奈
恋愛
浮気ですか?どうぞご自由にして下さい。私はここを去りますので
結婚式の前日、政略結婚相手は言った。「お前に永遠の愛は誓わない。何故ならそこに愛など存在しないのだから。」そして迎えた驚くべき結婚式と驚愕の事実。いいでしょう、それほど不本意な結婚ならば離婚してあげましょう。その代わり・・後で後悔しても知りませんよ?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載中
誰も本当のことを言わないので、貴方は自分が地雷男であることに気づけない
麻宮デコ@ざまぁSS短編
恋愛
「俺は女性から見て高嶺の花の男らしくて、みんな付き合うのを気が引けちゃうんだよね」
兄の紹介で会ったリチャードは、初対面のアルマにそんなことを言うような自意識過剰な男だった。
デートの後はもう二度と彼と会いたくないとうんざりしてしまったアルマは、姉に相談することにした。
全4話
三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します
冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」
結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。
私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。
そうして毎回同じように言われてきた。
逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
三年目の離縁、「白い結婚」を申し立てます! 幼な妻のたった一度の反撃
紫月 由良
恋愛
【書籍化】5月30日発行されました。イラストは天城望先生です。
【本編】十三歳で政略のために婚姻を結んだエミリアは、夫に顧みられない日々を過ごす。夫の好みは肉感的で色香漂う大人の女性。子供のエミリアはお呼びではなかった。ある日、参加した夜会で、夫が愛人に対して、妻を襲わせた上でそれを浮気とし家から追い出すと、楽しそうに言ってるのを聞いてしまう。エミリアは孤児院への慰問や教会への寄付で培った人脈を味方に、婚姻無効を申し立て、夫の非を詳らかにする。従順(見かけだけ)妻の、夫への最初で最後の反撃に出る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる