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46話
しおりを挟む「殿下の特異体質については、正直信じ難いと言うのが本音ですが、今はそれについては置いておきまして……それとアイザックとに何の関係があるのでしょうか?もう少し分かりやすく説明していただけませんか?」
「俺も、赤ん坊の頃はアイザックと同じ様だったらしい。まぁ、俺には記憶はないが、母親がそう言っていたな」
………答えになっていない。
「あの……私の質問に答えて下さい。私が知りたいのは、私とアイザックがここに連れて来られた理由です。ドノバン家の事で処分を受けるのではないとしたら、何なのです?
殿下のその………不思議な能力を私に教える為ですか?」
私は少しイライラしてついトゲトゲしい物言いになってしまった。
「端的に言おう。アイザックの父親は俺だ」
………………は?私、耳が悪くなったのかしら?
「すみません……私の聞き間違いかもしれませんが、アイザックは貴方の子どもじゃありません。強いて言うなら、私の子どもです」
コンラッド様の事を殿下に言うつもりもない。
アイザックは私の子どもだ。他の誰の子どもでもない。
しかし、殿下はそれについては何も言わず、続ける。
「『スティーブ・コンラッド』と言う名前に覚えがあるな?」
と、不意に殿下の口からコンラッド様の名前を聞かされ、私は動揺してしまった。
「……………」
私が何も答えられずにいると、
「スティーブ・コンラッドという人物は存在しない。あの夜、あの夜会にその名前で参加したのは俺だ」
と殿下は言った。
………………は?コンラッド様が王太子殿下?いやいやいや、コンラッド様と殿下では顔が全く違う。いや違いすぎる。髪の毛の色もこんな綺麗な金髪ではなかった。確かに……瞳の色だけは同じだが。
「殿下の仰っている意味がわかりません」
「本来なら……まずお前に謝らなければと思っていた。あの夜、俺はお前に助けられた。その……お前にとってはあの行為は不本意だっただろうし……その、お前は初めてだっただろうし……や、優しくも出来なかったし……俺だけが……その、満足して……」
殿下が少し頬を染めながらとんでもない事を言い出した。
「ストーップ!!!ちょ、ちょっと待って下さい。な、何を言ってるんてす?あ~、私にはさっばり、何の事だか……」
と私もしどろもどろになっていると、
「とにかく!すまなかった!」
とガバッと殿下は頭を下げた。
「だ、だから何の事を言ってるのか、私にはわかりませんし、殿下に謝っていただく義理も御座いません!」
気づけばアイザックを抱いて私は立ち上がっていた。
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