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私の知らないシナリオ
しおりを挟む私の心の中は激しく動揺していた。
私の記憶では、
本郷先輩ルートに入る(私の正体がベルだと攻略対象に気がつかれるのが条件)
→先輩と連絡をとれるようになる(これが出来るようになるには、一定の好感度が必要。これはルートに入る前でも達成可能)
→先輩が卒業(先輩は親の勧めのまま、法学部に入学)
→先輩と連絡を取り合う中で、先輩が本当は医者になりたかった事を打ち明けられる
→私の説得と熱意により本郷先輩が再度医学部へチャレンジすると誓う(これにはかなり高めの好感度が必要)
→私の卒業式の後、『AKARI』との待ち合わせに本郷先輩が現れて、自分が『AKARI』だった事を告げる(好感度MAX。必要なパラメーターの値をクリアしてる事が条件)
→お互いの気持ちを確かめ合いハッピーエンド
の筈だった。
(ちなみに、法学部から医学部なんて、文系から理系に方向転換なんて出来るのかっていう疑問は、なんでも有りの乙女ゲームとして目を瞑ろう)
ここで医者の夢を聞くなんて、どんなフライング?
しかし、もう先輩は話し始めている。今更、止められない。
自分の親が弁護士で、夢を諦めざるを得なかった事。
しかしこのままで良いのか、常に葛藤を抱えている事。
私はどうすれば良いのか。
神妙な顔で先輩の話しを聞くフリをしながら、頭は高速回転中だ。
選択肢その① このまま、先輩には一旦法学部へ行ってもらい、私の記憶通りに来年チャレンジの方向へ持っていく。
選択肢その② ここで、先輩を励まし、医学部への受験を応援する。
…ここで、医学部に行くように勧めないのに、法学部に行った途端『やっばりお医者さんを目指した方が良いです!』なんて力説しても、説得力がない気がする。
じゃあ、なんであの時はそう言わなかったの?ってな事になりかねない。
しかし、こんなシナリオ見たことない。
…まさかとは思うけど……これって私が知ってる乙女ゲームじゃないなんて事はないよね?
私の知らないファンディスクとか?
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