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生徒会
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2学期が始まり、もう少しで本郷先輩も生徒会長を引退する。
その前に新しい生徒会長の選挙が行われるのだが、なんと、森田くんが立候補するらしい。
「坂崎~。ちゃんと俺の事、応援してくれよ?」
「もちろん、応援してるよ。森田くんは副会長もしてたし、人望あるし大丈夫だよ」
いつの間にか森田くんは私の事を「坂崎」と呼ぶようになった。
会長に立候補してるのは、他にあと2人。でも、きっと森田くんが当選するだろうな。
彼は結構人気者だ。
まぁ、モブなので、攻略対象程ではないが。
うちの学年でダントツ人気なのは、やっぱり長谷川 爽太くんだ。
さすがメインヒーロー。彼はバスケ部のエースでもある。
もし彼が生徒会長に立候補したら、絶対に彼が当選しただろう。
それがメインヒーローの役割というものだ。
良かったね、森田くん。
ライバルもモブで!と言いたいところだ。
そしてやっぱり選挙は森田くんの当選で幕を閉じた。
「え?私が副会長?」
「そう。どう?やってみない?」
何故か森田くんから生徒会に誘われた。
基本的に生徒会長以外は、推薦やら立候補やらを会長と顧問の先生で決めていく。
「え。でも私転校してきたばかりだし、そういうのには向いてないっていうか…」
「そんな事ないだろ。成績だって悪くないし、他に部活もしてないだろ?
それに、なんか、坂崎って落ち着いてるし。」
…私は本郷先輩をストーカーする為とパラ上げする為に部活なんかに時間を取られてる暇がなかったので、部活には入っていない。
落ち着いてるのは29歳だからだ。
それを評価されても困る。
「いや、でも私、本当にそんな皆を先導して何かするタイプじゃないし、森田くんみたいに面倒見が良いわけでもないよ。」
これは、本来の自分もそうだった。
面倒くさがりは、筋金入りだ。
「渉先輩も、『坂崎さんならいいんじゃない?』って言ってくれたんだけどなぁ~」
「え?本郷先輩が?」
「うん。俺が『坂崎とかどうっすかね?』って相談したら、いいんじゃない?って言ってたんだよ」
正直、本郷先輩のいない生徒会には用はない。
だから、この誘いは断るつもりだった。
でも、待てよ。
本郷先輩の事だから、引退しても、生徒会の事を心配して、覗きにきてくれるかもしれない。
そしたら、接点がもう少し多くなるんじゃないか…そんな邪な思いが私の中に沸き上がる。
「でも…私なんかに勤まるかな」
「大丈夫だって。俺もフォローするし。副会長はもう1人1年生が入るしな。」
「本当に、フォローしてくれる?」
「もちろん。俺が誘ったんだし、ちゃんと面倒見るよ」
「…じゃあやってみようかな」
そうして私は生徒会に入る事になった。
この決断が後々自分の首を絞めることになるとは、この時は思ってなかった。
その前に新しい生徒会長の選挙が行われるのだが、なんと、森田くんが立候補するらしい。
「坂崎~。ちゃんと俺の事、応援してくれよ?」
「もちろん、応援してるよ。森田くんは副会長もしてたし、人望あるし大丈夫だよ」
いつの間にか森田くんは私の事を「坂崎」と呼ぶようになった。
会長に立候補してるのは、他にあと2人。でも、きっと森田くんが当選するだろうな。
彼は結構人気者だ。
まぁ、モブなので、攻略対象程ではないが。
うちの学年でダントツ人気なのは、やっぱり長谷川 爽太くんだ。
さすがメインヒーロー。彼はバスケ部のエースでもある。
もし彼が生徒会長に立候補したら、絶対に彼が当選しただろう。
それがメインヒーローの役割というものだ。
良かったね、森田くん。
ライバルもモブで!と言いたいところだ。
そしてやっぱり選挙は森田くんの当選で幕を閉じた。
「え?私が副会長?」
「そう。どう?やってみない?」
何故か森田くんから生徒会に誘われた。
基本的に生徒会長以外は、推薦やら立候補やらを会長と顧問の先生で決めていく。
「え。でも私転校してきたばかりだし、そういうのには向いてないっていうか…」
「そんな事ないだろ。成績だって悪くないし、他に部活もしてないだろ?
それに、なんか、坂崎って落ち着いてるし。」
…私は本郷先輩をストーカーする為とパラ上げする為に部活なんかに時間を取られてる暇がなかったので、部活には入っていない。
落ち着いてるのは29歳だからだ。
それを評価されても困る。
「いや、でも私、本当にそんな皆を先導して何かするタイプじゃないし、森田くんみたいに面倒見が良いわけでもないよ。」
これは、本来の自分もそうだった。
面倒くさがりは、筋金入りだ。
「渉先輩も、『坂崎さんならいいんじゃない?』って言ってくれたんだけどなぁ~」
「え?本郷先輩が?」
「うん。俺が『坂崎とかどうっすかね?』って相談したら、いいんじゃない?って言ってたんだよ」
正直、本郷先輩のいない生徒会には用はない。
だから、この誘いは断るつもりだった。
でも、待てよ。
本郷先輩の事だから、引退しても、生徒会の事を心配して、覗きにきてくれるかもしれない。
そしたら、接点がもう少し多くなるんじゃないか…そんな邪な思いが私の中に沸き上がる。
「でも…私なんかに勤まるかな」
「大丈夫だって。俺もフォローするし。副会長はもう1人1年生が入るしな。」
「本当に、フォローしてくれる?」
「もちろん。俺が誘ったんだし、ちゃんと面倒見るよ」
「…じゃあやってみようかな」
そうして私は生徒会に入る事になった。
この決断が後々自分の首を絞めることになるとは、この時は思ってなかった。
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