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第101話

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それから2日は過ぎただろうか?


窓のない部屋は今が昼なのか、夜なのかもわからない。

貰ったパンの数を考えると…それぐらい経過していてもおかしくないと思えた。

ネイサンは私をどうする気だろう?
旦那様は今、どうしているのだろうか?

私の事を探してくれているのだろうか?
それとも…。いや、悪い方に考えるのは辞めよう。

そんな事を考えていると、ネイサンが私の居る部屋へとやって来た。

「やっと、国境を越えられそうだ」
と私にネイサンが告げた。

「連絡がついたのね」

この場所がバレないように、バルト家と連絡を取り合うのは、かなり難しかったのだとネイサンは言っていた。
ネイサンから送られた手紙には切り取られた私の髪が一房同封されていた筈だ。

「あぁ。骨が折れたよ」
とネイサンは苦笑した。

「シールドを解除して貰えたの?」
と私が訊けば、

「まだだ。俺がお前の居場所を教えたら…との交換条件だ」
とネイサンが答える。

「私は…どこへ行けば良いの?」

「お前は此処に居て良い。だが、ここにコレを置いていく」
と、ネイサンの右の手のひらに小さな玉が出現したかと思えば、それは少しずつ大きくそして緑色に光り出した。

片手一杯の大きさにまで育ったその球体は緑に光り続けている。

「それは?」

「これは、遠隔操作出来る魔法の爆弾だ。もし…バルトが裏切った時には、お前はこれによって…ボン!そこで終わりだ」

きっとネイサンの言う事は本当だろう。私がその玉に怯えていると、

「俺は今から国境に向かう。国境近くまで転移して…そこからは様子を伺いながらだな。俺を捕まえる為に誰かが待ち伏せしていたとしても、これは爆発する」

「貴方が無事に国境を越えなければ、どのみち私は…死ぬのね」

「って事だ。海の向こうの国はこの国と国交がないから、引き渡される事もない。
もうこの国にも…祖国にも帰るつもりはない。お前とはここでお別れだな。
ちなみに、この隠れ家には、認知阻害魔法が掛かってる。簡単には見つけられない」
とネイサンはニヤリとした。

「そんな!なら、居場所を教えた所で、助けは来ないと?」
私は青ざめた。

「まぁ、そういう事だ。お前の旦那にはこの頬の傷の恨みがある。お前が飢えに苦しむ前に旦那に見つけて貰えると良いな」
とネイサンは笑う。

私は目の前が真っ暗になるような錯覚に陥った。
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