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第51話

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子作り強化週間が終わり、いつもの日常に戻る。

朝起きて、隣に旦那様が居ない事が少し寂しい。


私はいつものように、旦那様を起こしに寝室へ行くも、旦那様の姿はない。

昨夜も徹夜をしたのかと思って執務室を覗くがそこにも旦那様の姿は無かった。
…何処へ行ったんだろう?

私が旦那様が居ない事をローラに伝えに行こうと廊下へ出ると、玄関の方から旦那様の声が聞こえた。

私が階段の上から覗くと、そんな私に気づいた旦那様が手招きをする。

私が急いで、旦那様の元へ向かうと、

「付いて来い」
と一言言って、旦那様は外へ出た。
庭の方へ向かうらしい。私はその後を付いて行く。


すると、私が世話をしていた花壇に、紫色の小さな花が数個咲いているのが見えた。

「わぁ!咲いたんですね。確かに昨日見た時に、蕾が膨らんでいましたが…。可愛い…。」
と、私が言うと、

「朝、窓を開けたら花が咲いているのが見えた」
と旦那様は言った。

「では…旦那様は朝起きて此処へ?」

「いや。今日は…仕事が休みだから…つい徹夜してしまった。
花壇を見たら咲いているようだったが、アメリアを呼ぶ前に確認した方が良いと思って。…ぬか喜びさせても悪いだろう」
と少し照れたように、旦那様は言う。

「教えて下さって、ありがとうございます。…旦那様とこうして、咲いた花を見る事が出来て嬉しいです」
と私は笑顔で答えた。

「一緒に見ると約束したからな。…これが実家にあった花か?」

「うーん…似ていると思うんですが…記憶があやふやで…」
と私は首を傾げる。

「…紫の可愛い花だな。アメリアの瞳の色だ」
と旦那様が少し微笑んだ。

どうしてこの人はこんなに優しいのだろう。

「…母が生きていた頃、庭には紫の花がたくさん咲いていました。母の瞳も私と同じ色でしたから、母が好んでいたのだと思います」

「母親似だと言っていたな」

「はい。髪の色も瞳の色も母親譲りです」

「そうか。美しい人だったのだろう」
と言う旦那様を思わず見つめてしまった。
…それって、間接的に私も褒められてる?

すると、旦那様は私の目線の意味に気づいたのか、

「朝食にするか」
と私に背を向けて早足で歩き出した。

後ろから見える旦那様の耳は真っ赤だ。

私は、急いで旦那様を追いかける。

すると旦那は前を向いたまま、

「せっかく休みだから…何処か一緒に行くか?」
と私に訊ねる。旦那様の耳はますます赤くなっていくが表情は見えない。

「え!よろしいのですか?!嬉しいです!」
と私はその背中に大きな声で答えた。

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