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case 砂かけ婆 ①

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「で?その山に人が入らないようにしたいわけ?」
私、凛は今、絶賛お仕事中。今日の依頼人は砂かけ婆のおミツさん。

「それは無理だ!ばぁさん。そこはあんたの土地じゃないだろう?」
所長の八雲さんが、私の後ろ、所長の机の上に長い足を組んで乗せながら、大きな声で私と、おミツさんの話を遮った。

「ちょっと所長!黙ってて下さいよ!仕事の邪魔です!」
私は所長を咎めながらも、

「おミツさん。確かにそれは難しいけど…とりあえずおミツさんの家の回りだけでも、立て看板を立てるとか…」

「それじゃあ、困るんだよ。最近は、とか、とかが流行っちゃってさぁ。
もちろんマナーが悪い人ばかりじゃないさ。
でも、一定数、どうしょうもない人がいてね。ゴミは捨てる、花火の後始末はしないわでね。私はその森の砂を集めて使ってるんだが、ゴミが多くて。
綺麗な砂が手に入りゃあしないんだよ」

「おい、ばぁさん。今さら砂かけるようなイタズラはしないんだから、別に必要ないだろ?」
まーた所長が邪魔をする。

「馬鹿お言いでないよ!この砂は私のアイデンティティーなんだからさ!」
おミツさんも所長に反論する。私はその間に入り、

「まぁまぁ。とりあえずおミツさんが砂を集めてる場所のごみ拾いから始めます。
それから、ゴミを捨てるなの看板を立てましょう。どれぐらい効果があるかわかりませんけど。出来る事からやってみましょう」
と私は提案した。

おミツさんからは、それで良いとの事で、私は早速見積りをした。
金額的にもOKとの事で依頼を受ける。

私は準備をしてから仕事に取りかかる約束をした。
一応明日の早朝から取りかかる予定だ。

おミツさんを見送った私は、

「所長!仕事の邪魔をしないで下さいよ」
と私は所長に文句を言う。

「凛。お前な、こんな仕事をちまちま引き受けてないで、ドーンと大きな仕事をしようぜ。
こんなの小遣い稼ぎぐらいにしかならん」

「そんなに言うなら、所長が大きな仕事、取ってきて下さいよ!
私のお給料、もう3ヶ月も頂いていないんですよ?
その内、ここの家賃も払えなくなっちゃいますよ。もう少し、自分も働いて下さい!」


「え~面倒くさいなぁ。まぁ、仕方ない。じゃあ、ちょっくら稼いで来るわ。
んじゃ、店の方はよろしくな」

「ちょっと、またに行くつもりですよね?仕事、サボんないで下さいよ!」

「失礼な事を言うな凛。俺がこれから行くのは競馬だよ。しっかり稼いでくるから、待ってろよ?お前の給料なんて3倍にして払ってやるからな~」
と言いながら、所長は部屋を出て行った。

この前もスッたばっかりなのに!
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