婚約解消された私はお飾り王妃になりました。でも推しに癒されているので大丈夫です!

初瀬 叶

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番外編

番外編・その36

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適度な運動。食事は腹八分目。


「なのに何故こんなにお腹が大きくなるの?妊婦だからって…太りやすくなったのかしら?」

「確かに…大きいですよね…。ユニ先生に往診を頼みましょうか?」

まだ臨月でもないのに、私のお腹は随分と大きくなってしまった。

この世界は前世と違って、頻回な妊婦検診みたいなものはないし、ユニ先生も忙しいだろうからと、最近は診てもらっていなかった。

昨晩もマルコ様に、

「きちんとユニ先生に診てもらってる?」
と確認されたばかりだ。

私と共に大きなお腹を見ていたマリアの勧めもあって、私はユニ先生の往診を頼んだ。



「クロエ様、これは間違いなく…双子ちゃんですね」
とユニ先生は確信めいた顔で私に頷いた。

「双子?!」

予想もしなかった展開に私は驚いた。

隣に居たマリアは、

「まぁ!凄い!神様からの祝福ですね!」
と手を叩いて喜んだ。

この世界では双子や三つ子は神に愛された証拠だという言い伝えがある。

しかし、私は自分の身に起こる事だと思ってもみなかった。

私は大きくなった自分のお腹を撫でて、

「ユニ先生、私、無事に産めるでしょうか?」
と少し不安になって訊ねた。

ユニ先生はニコっと笑って、

「私が全力でサポートしますよ!大丈夫!クロエ様は神に愛されたお方です。自信を持って」
と、私の手を両手で握ると力を込めた。



「双子?!!」

その晩、私が報告するとマルコ様は驚いて固まった。

「ええ。私もびっくりしちゃって」
と私が言えば、

「クロエは…神様からも愛されてるのか…俺って神様までライバルなの?!」
と訳のわからない事を呟いたかと思うと、

「まぁ、双子でも三つ子でもそれ以上でも、俺にとっては変わらず大切な子どもだ。あ~でも今改装してる子ども部屋も双子仕様にしないとな」
とマルコ様は手を叩いた。

「本当ね!双子だった事に驚いて、そこまで頭が回ってなかったわ。直ぐに手配するわね」
と私が言えば、

「ほ~らまた自分でしようとする。そんな事、俺に任せれば良いの!
双子って事は体への負担も大きくなるだろうから、もっと自分を大切にするんだ。いい?」
とマルコ様に顔を覗き込まれた。

あ~キュルキュルの瞳が可愛い~。
あ、つい自分の推しに魂持っていかれる所だった。不味い、不味い。


そして、その翌日から、陛下の贈り物が2倍になった事は言うまでもない。

またもやスパイにより陛下への情報漏洩があったようだ。

私は陛下に声を大にして言いたい!

「もう屋敷に入りきれません!!!」


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