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番外編

番外編・その34

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「さてと…ゆっくり話を聞こうかな?」
とマルコ様と私は夕食を早々に切り上げて、2人で私室の長椅子に腰掛けた。


「もうバレちゃってると思うんだけど…赤ちゃんが出来たの」
と私が少し照れながら言えば、

「分かっていても、ちゃんとクロエの口から聞きたかった。…クロエありがとう。俺にたくさんの幸せをくれて。
こんな幸せで、俺、大丈夫かな?」
とマルコ様は笑顔で私を抱き締める。
いつもより、ずっと優しく。

「私も同じよ。マルコは人生を共にするという幸せだけじゃなくて、私に新しい命まで授けてくれたわ」
と私もマルコ様の腕の中で微笑んだ。

「しかし…これから、仕事は少し手を抜く事を勧めるよ」
とマルコ様は私をからかうように笑う。

「それ、皆に言われてるわ。陛下からも今までみたいに王宮へ通わなくて良いって言われてるし、ユニ先生もここに診察に来てくれるって言ってくれてるし。
でも、もう安定期に入っていて、馬車にも乗れるし、そんなに過保護にして貰わなくて大丈夫なのよ?」
と私が困ったように言えば、

「皆、クロエとクロエのお腹の子が大切なんだよ。凄いじゃないか、生まれる前から陛下のお気に入りだ」
とマルコ様は私におどけたように言った。

「ふふふっ。確かにそうね。私、甘えても良いのかしら?」
と私が言えば、

「俺だってクロエをめちゃくちゃ甘やかしたいよ。クロエは元々頑張りすぎなんだから。
妊娠した時ぐらい、がっつり甘えて良いだろう?…と、それよりも…だ。何だあの贈り物の山は」

「あれ…ね。本当はマルコに1番最初に言いたいって思ってたのに、何故か陛下にバレちゃったのよ。
それで翌日から引っ切り無しに赤ちゃんの物が届くの。…まだ随分先じゃなきゃ使えないような木馬や、おもちゃまで。
…でも陛下のお心ですもの。無下に出来ないわ」

「そうだな。陛下の気が済むまで…と言いたい所だが…家に入り切れなくなるのは困るけどな」
とマルコ様は苦笑した。

私も、

「まさか陛下もそこまではしないでしょう…ねぇ」
と一緒に苦笑した。


だけど…これが笑い話にならなくなるのは、もう少し先のお話。
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