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番外編
番外編・その7
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私が侯爵となって約1年が経った。
私とマルコ様が結婚したのは半年前。
何故直ぐに結婚しなかったか…それもこれも私の母親のせいだ。
父が侯爵から退位し、私が侯爵を譲り受けて直ぐに父と共に離れへと移り住んだ母だったが、今までのように社交界へと呼ばれなくなってしまったのだ。
私を支持してくれていた多くの国民のお陰で、私の立場はそこまで悪くならずに、王妃の座を退く事は出来たと思うが、貴族の間では私を笑う者も居たし、私を憎む者も居た。
今までは王妃の母として大きな顔をしていた彼女は、それに我慢がならなかったようだ。
次第に母を邪険に扱う者も出てきたりして…母はすっかり機嫌を悪くした。
今思うとジュリエッタは母にそっくりだったのだな…と思う。性格までも。
猪突猛進、自分の思い通りに生きる為なら、周りの者がどんなに迷惑を被ろうと知った事ではない…ってな調子で母は家を出て行った。…そう、いつかのジュリエッタのように家出したのだ。
父は寝たきりになりながらも、母との生活を楽しみにしていたのだが…母には父への愛情など残っていなかったのだろう。
病床の父の世話など気にする事なく、姿を消した。
私は一応、探した。他人に迷惑をかける前に取っ捕まえようと考えたのだが…父はそれを止めた。
流石の父も、そんな母を見限ったのだ。
行方不明として、本人不在のまま父は母と離縁した。
そんなこんなで、私が侯爵となってから、やっとマルコ様と結婚する運びとなったのが半年前。
半年間待たせて申し訳なかったが、その間しっかりと商会の会長となるべくマルコ様は商売のイロハを学んでいた。
私は陛下の補佐官長という聞きなれない新しい役職を拝命し、侯爵として領地経営をする傍ら、職務にあたった。
正直、王妃の頃より忙しくしていたのだが…サーチェス公爵が隣国で逮捕された事により、一気に潮目が変わった。
…私に反発していた貴族達は、すっかりと鳴りを潜めた。もう大きな声で私を悪く言う者は殆ど居なくなった。
まぁ、腹の底では何を考えているのか分からないのが貴族と言うものだ。…油断は出来ないが。
そうなると、女侯爵としての私に阿る貴族が多くなり、自然と私はまた、この国で力を持つ事になった。
…王妃ではなくても、かなりの権力者となった訳だ。
しかも商会の評判はうなぎ登り。この国で我が商会を知らない者は殆ど居ない。
これは全てマルコ様のお陰だ。
そんな私に驚くべき話が舞い込んで来た。
「母が?」
「はい。…いかがいたしましょうか?」
と私の顔色を伺うように執事が訊ねる。
私は溜め息をつきながら、
「仕方ないわね。…応接室へお通しして。それと、父に報告を」
と執事に告げると、私は自宅の執務室を出た。
約10ヶ月…行方を眩ましていた母が今さら何の用だというのか…頭が痛い。
私とマルコ様が結婚したのは半年前。
何故直ぐに結婚しなかったか…それもこれも私の母親のせいだ。
父が侯爵から退位し、私が侯爵を譲り受けて直ぐに父と共に離れへと移り住んだ母だったが、今までのように社交界へと呼ばれなくなってしまったのだ。
私を支持してくれていた多くの国民のお陰で、私の立場はそこまで悪くならずに、王妃の座を退く事は出来たと思うが、貴族の間では私を笑う者も居たし、私を憎む者も居た。
今までは王妃の母として大きな顔をしていた彼女は、それに我慢がならなかったようだ。
次第に母を邪険に扱う者も出てきたりして…母はすっかり機嫌を悪くした。
今思うとジュリエッタは母にそっくりだったのだな…と思う。性格までも。
猪突猛進、自分の思い通りに生きる為なら、周りの者がどんなに迷惑を被ろうと知った事ではない…ってな調子で母は家を出て行った。…そう、いつかのジュリエッタのように家出したのだ。
父は寝たきりになりながらも、母との生活を楽しみにしていたのだが…母には父への愛情など残っていなかったのだろう。
病床の父の世話など気にする事なく、姿を消した。
私は一応、探した。他人に迷惑をかける前に取っ捕まえようと考えたのだが…父はそれを止めた。
流石の父も、そんな母を見限ったのだ。
行方不明として、本人不在のまま父は母と離縁した。
そんなこんなで、私が侯爵となってから、やっとマルコ様と結婚する運びとなったのが半年前。
半年間待たせて申し訳なかったが、その間しっかりと商会の会長となるべくマルコ様は商売のイロハを学んでいた。
私は陛下の補佐官長という聞きなれない新しい役職を拝命し、侯爵として領地経営をする傍ら、職務にあたった。
正直、王妃の頃より忙しくしていたのだが…サーチェス公爵が隣国で逮捕された事により、一気に潮目が変わった。
…私に反発していた貴族達は、すっかりと鳴りを潜めた。もう大きな声で私を悪く言う者は殆ど居なくなった。
まぁ、腹の底では何を考えているのか分からないのが貴族と言うものだ。…油断は出来ないが。
そうなると、女侯爵としての私に阿る貴族が多くなり、自然と私はまた、この国で力を持つ事になった。
…王妃ではなくても、かなりの権力者となった訳だ。
しかも商会の評判はうなぎ登り。この国で我が商会を知らない者は殆ど居ない。
これは全てマルコ様のお陰だ。
そんな私に驚くべき話が舞い込んで来た。
「母が?」
「はい。…いかがいたしましょうか?」
と私の顔色を伺うように執事が訊ねる。
私は溜め息をつきながら、
「仕方ないわね。…応接室へお通しして。それと、父に報告を」
と執事に告げると、私は自宅の執務室を出た。
約10ヶ月…行方を眩ましていた母が今さら何の用だというのか…頭が痛い。
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