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番外編 体調不良
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4時間目が終わり、昼休みに入ると教室から解放感に満ちた声が広がり、それぞれに散っていく。いつもはお弁当を持った幸也がオレの席までやってくるが、今日はまだ来ていない。どうしたかと思って席の方を見ると机に伏している姿が見えた。
「幸也?」
「ん……」
声をかけると気怠そうに、ぼーっとさせた顔を上げる。
「具合悪いのか?」
「んーちょっと、頭痛くて……」
「熱あるんじゃないか」
幸也の額に手を乗せる。
「あれー幸也、どうした?」
隣の席の奴が声をかけてきた。
「熱ありそうだから、保健室まで連れて行くわ」
大丈夫だと言う幸也を半ば強引に、保健室まで連れて行く。
保健室で幸也の熱を測ると37.8度だった。
「今日はもう、帰ったほうがいいね」
養護教諭の先生は、幸也にそう声をかける。中学でも高校でも保健室には、女性の養護教諭しかいなく、小学校にいた学校医の篠田先生は特別だったんだなと改めて思う。
「はい……」
「あ、今日あと1時間で終わりだから、ここで寝てて。家まで送って行く。先生、いいですよね」
「そうね。ベットは空いてるから、寝てていいわよ」
「大丈夫だよ。ぼく1人で帰れるから。まだそんなに熱も高くないし」
「浅岡くん、調子悪い時は甘えときなさい。吉志くん、よろしくね」
5時間目が終わり、保健室に行くと幸也は額に冷却ジェルを貼って寝ていた。少し起こすのは可哀相な気がしたが、声をかける。
「幸也、おまたせ。帰ろう」
「ん……んー終わったの……?」
「うん。カバンと上着も持ってきた。起きれる?」
駅までの5分程の道のりを幸也とゆっくり歩く。ホームに着くと待つことなく電車が来て乗り込むことができ、平日の3時前だったので、まだ車内は空いていてすぐに座れた。
「着くまで、オレにもたれててもいいよ」
「いや……」
「具合悪い時は甘えておけって言われたろ」
そう言うと、幸也の頭を少し強引にオレの肩に乗せる。
「ん、ごめん……ありがと」
触れた頭は熱くて、さっきよりも熱が上がったのではないかと不安になる。
今日から、幸也の叔母さんの里子さんと智さんは、出張で1週間家を空けると言っていた。本当は今日から幸也はオレの家に滞在する予定だったけど、この熱では勇にうつるかもしれないから連れて帰る訳にはいかず幸也の家に送る。
「幸司、ありがと。もう大丈夫だよ」
「何言ってるんだよ。今日、里子さんも智さんもいないだろ。お前一人にしておくなんてするわけないだろ。やっぱり病院に行った方がよかったんじゃない?」
「大丈夫だって。今日一晩寝たら良くなるよ。風邪薬はあるし」
「でも、さっきよりも熱上がってるだろ。タクシー呼ぶから今からでも行こうよ」
「じゃあ、もし明日も熱が下がらなかったら行くよ。もう、動きたくないし。それでいいだろ」
「……わかった。じゃあ、明日熱下がってなかったら、引っ張ってでも連れて行くからな」
幸也を寝かせて、夜ご飯を作るために買い物に出た。今日は、幸也の家に泊まって看病しようと思って、もう父さんにもメールを送っていた。吉志家では、具合が悪い時は煮込みうどんと決まっている。うどんの準備を終えて、寝ている幸也の様子見に行くと、荒く呼吸しながら寝ている幸也がいた。
「幸也……?」
額に冷却ジェルシートを貼っていたけど、もうそれもあまり機能していないかのように、幸也の額や顔はかなり熱い。熱を測ると39.8℃……側に置いていたスポーツドリンクは減っていなく、ほとんど水分がが取れていないのかもしれない。
声をかけると一瞬、薄く目を開けるが、意識が朦朧としているようで、またすぐに目を閉じてしまう。急いで父さんに電話をかけるが、なかなか出ない。
もう、帰ってる時間なのになんで……
どうしよう……
「幸也?」
「ん……」
声をかけると気怠そうに、ぼーっとさせた顔を上げる。
「具合悪いのか?」
「んーちょっと、頭痛くて……」
「熱あるんじゃないか」
幸也の額に手を乗せる。
「あれー幸也、どうした?」
隣の席の奴が声をかけてきた。
「熱ありそうだから、保健室まで連れて行くわ」
大丈夫だと言う幸也を半ば強引に、保健室まで連れて行く。
保健室で幸也の熱を測ると37.8度だった。
「今日はもう、帰ったほうがいいね」
養護教諭の先生は、幸也にそう声をかける。中学でも高校でも保健室には、女性の養護教諭しかいなく、小学校にいた学校医の篠田先生は特別だったんだなと改めて思う。
「はい……」
「あ、今日あと1時間で終わりだから、ここで寝てて。家まで送って行く。先生、いいですよね」
「そうね。ベットは空いてるから、寝てていいわよ」
「大丈夫だよ。ぼく1人で帰れるから。まだそんなに熱も高くないし」
「浅岡くん、調子悪い時は甘えときなさい。吉志くん、よろしくね」
5時間目が終わり、保健室に行くと幸也は額に冷却ジェルを貼って寝ていた。少し起こすのは可哀相な気がしたが、声をかける。
「幸也、おまたせ。帰ろう」
「ん……んー終わったの……?」
「うん。カバンと上着も持ってきた。起きれる?」
駅までの5分程の道のりを幸也とゆっくり歩く。ホームに着くと待つことなく電車が来て乗り込むことができ、平日の3時前だったので、まだ車内は空いていてすぐに座れた。
「着くまで、オレにもたれててもいいよ」
「いや……」
「具合悪い時は甘えておけって言われたろ」
そう言うと、幸也の頭を少し強引にオレの肩に乗せる。
「ん、ごめん……ありがと」
触れた頭は熱くて、さっきよりも熱が上がったのではないかと不安になる。
今日から、幸也の叔母さんの里子さんと智さんは、出張で1週間家を空けると言っていた。本当は今日から幸也はオレの家に滞在する予定だったけど、この熱では勇にうつるかもしれないから連れて帰る訳にはいかず幸也の家に送る。
「幸司、ありがと。もう大丈夫だよ」
「何言ってるんだよ。今日、里子さんも智さんもいないだろ。お前一人にしておくなんてするわけないだろ。やっぱり病院に行った方がよかったんじゃない?」
「大丈夫だって。今日一晩寝たら良くなるよ。風邪薬はあるし」
「でも、さっきよりも熱上がってるだろ。タクシー呼ぶから今からでも行こうよ」
「じゃあ、もし明日も熱が下がらなかったら行くよ。もう、動きたくないし。それでいいだろ」
「……わかった。じゃあ、明日熱下がってなかったら、引っ張ってでも連れて行くからな」
幸也を寝かせて、夜ご飯を作るために買い物に出た。今日は、幸也の家に泊まって看病しようと思って、もう父さんにもメールを送っていた。吉志家では、具合が悪い時は煮込みうどんと決まっている。うどんの準備を終えて、寝ている幸也の様子見に行くと、荒く呼吸しながら寝ている幸也がいた。
「幸也……?」
額に冷却ジェルシートを貼っていたけど、もうそれもあまり機能していないかのように、幸也の額や顔はかなり熱い。熱を測ると39.8℃……側に置いていたスポーツドリンクは減っていなく、ほとんど水分がが取れていないのかもしれない。
声をかけると一瞬、薄く目を開けるが、意識が朦朧としているようで、またすぐに目を閉じてしまう。急いで父さんに電話をかけるが、なかなか出ない。
もう、帰ってる時間なのになんで……
どうしよう……
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