35 / 50
お父さん⑵
しおりを挟む
学校が休みの日は、図書館に行ったり、公園で友達と遊んだりしている。今日も、公園に行くと淳くんと花音ちゃんがいて、ボクも遊びに入れてもらった。3人で遊んでいると聞き覚えのある声がした。
「オレも入れてー」
同じクラスの大くんだ。3人でちょっと顔を見合わせてしまう。大くんは少し乱暴で、自分の思い通りにならないと怒って、途中でいなくなちゃうなど、ちょっと苦手だった。
「大くん、途中で急にいなくなちゃうでしょ。それに、オニとかになったら怒るし……」花音ちゃんが代表するように言う。
「いいじゃん。急に嫌になるんだもん。でも今日はやるから!」
「えー。いっつもそう言ってるし……それに、今日は家族で遊園地に行くって何回も昨日言ってたじゃん」淳くんも不満声を上げる。
「うるさいな!!父ちゃんは忙しいから、また今度になったの!お前たちの父ちゃんとは違うの!あ、でも勇はそんな父ちゃんもいないか」とボクの顔を見て笑う。
「えっ……」
何で大くんが知ってるのかなと不思議に思う。
「この間、学校で言ってたじゃん。知らないおじさんと住んでるんだろ」
ドクン……嫌な気持ちが押し寄せてきて、泣きそうになる。
「知らないおじさんじゃないよね。広くんだっけ?」花音ちゃんがフォローしてくれたけど、大くんの話も止まらない。
「でも、父ちゃんでも、新しい父ちゃんでもないって言ってたじゃん。たしか、母ちゃんもいないんだろ。かわいそうなやつ!」
「そんなこと言ったら、勇がかわいそうだよ。やめなよ。大!」
淳くんも加勢してくれてるけど……
でも……ボクはかわいそうなのかな……
なんだか、すごくモヤモヤして、みんなの声も聞こえずらい。
お父さんもお母さんもいないから、ボクはかわいそうなのかな。広くんと幸兄ちゃんと暮らすようになって、毎日楽しい時間だったのに……
ボクが、かわいそうだから、広くんも幸兄ちゃんも一緒にいてくれるのかな。何故かわからないけど、すごく悲しくなる。
「勇くん?」
「大が酷いこと言うから、泣いちゃったじゃん。大が泣かしたー」
あれ……ボクは今、泣いてるの……?
「オレは何も悪くないし、こんなことで泣くなんてバッカじゃないの!やっぱ、お前らと遊んでも面白くないし帰る!」
引っ掻き回すだけ、引っ掻き回して、大くんは逃げるように帰って行く。
ボクは、体が動かなくなって、うまく声も出せなくなる。花音ちゃんも淳くんも、話しかけてくれていたけど、何も答えられなかった。
「オレも入れてー」
同じクラスの大くんだ。3人でちょっと顔を見合わせてしまう。大くんは少し乱暴で、自分の思い通りにならないと怒って、途中でいなくなちゃうなど、ちょっと苦手だった。
「大くん、途中で急にいなくなちゃうでしょ。それに、オニとかになったら怒るし……」花音ちゃんが代表するように言う。
「いいじゃん。急に嫌になるんだもん。でも今日はやるから!」
「えー。いっつもそう言ってるし……それに、今日は家族で遊園地に行くって何回も昨日言ってたじゃん」淳くんも不満声を上げる。
「うるさいな!!父ちゃんは忙しいから、また今度になったの!お前たちの父ちゃんとは違うの!あ、でも勇はそんな父ちゃんもいないか」とボクの顔を見て笑う。
「えっ……」
何で大くんが知ってるのかなと不思議に思う。
「この間、学校で言ってたじゃん。知らないおじさんと住んでるんだろ」
ドクン……嫌な気持ちが押し寄せてきて、泣きそうになる。
「知らないおじさんじゃないよね。広くんだっけ?」花音ちゃんがフォローしてくれたけど、大くんの話も止まらない。
「でも、父ちゃんでも、新しい父ちゃんでもないって言ってたじゃん。たしか、母ちゃんもいないんだろ。かわいそうなやつ!」
「そんなこと言ったら、勇がかわいそうだよ。やめなよ。大!」
淳くんも加勢してくれてるけど……
でも……ボクはかわいそうなのかな……
なんだか、すごくモヤモヤして、みんなの声も聞こえずらい。
お父さんもお母さんもいないから、ボクはかわいそうなのかな。広くんと幸兄ちゃんと暮らすようになって、毎日楽しい時間だったのに……
ボクが、かわいそうだから、広くんも幸兄ちゃんも一緒にいてくれるのかな。何故かわからないけど、すごく悲しくなる。
「勇くん?」
「大が酷いこと言うから、泣いちゃったじゃん。大が泣かしたー」
あれ……ボクは今、泣いてるの……?
「オレは何も悪くないし、こんなことで泣くなんてバッカじゃないの!やっぱ、お前らと遊んでも面白くないし帰る!」
引っ掻き回すだけ、引っ掻き回して、大くんは逃げるように帰って行く。
ボクは、体が動かなくなって、うまく声も出せなくなる。花音ちゃんも淳くんも、話しかけてくれていたけど、何も答えられなかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
20
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる