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大事な存在⑵
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エレベーター内にいる時から、ジワジワとパンツを濡らしてた。やっと解放されて、部屋に行く途中にもチョロチョロと決壊が始まっていたが、タオルで押さえていたこともあり、廊下は汚さずに来れたと思う。
やっと部屋の前……
鍵を開けようとするが、立ち止まってることができない。常に足をくねらせて、動かしていないと大決壊が起こる。だけど動いてる状態だと、うまく鍵穴に鍵が入らない……
ヤバイ……ヤバイ……あーもう……と焦れば焦るほど、うまくいかない。
やっと鍵を開けて中に入ったけど、玄関で靴を脱ぐのも、もどかしい。もうタオルもけっこう濡れていて、水滴が足を伝うのもわかる。ポタポタと水滴を垂らしながら、トイレのドアを開ける。
便器を見てしまうと、さらに尿意は強まり、まだパンツの中なのに、じょわじょわと勢いを増して出て来てしまう。
待って……待って……待って……
チャックを下ろして、何とか便器に向けて放尿を開始する。
じょぼぼぼぼぼ…
勢いよく、おしっこを出しさっきまでの苦しみから解放される。
「はぁ……」
出し切って安堵したのも束の間、周りの惨状を見て愕然とする。その時ガチャと玄関のドアが開いて「幸也……」と幸司の声が聞こえた。
「だめ!!来ないで!!」
つい、大声で叫んでしまった。こんな状態見られたくない……
もう……やだ……どうしよう……
情けない自分に涙が出てきて、その場でしゃがみをこんだ。
幸也の脱いだ靴の辺りから、トイレに向かって、水滴が落ちている。先ほどの、叫び声からも今の幸也の状態が予測できて、いたたまれなくなる。でも、1人にはしておけなくてトイレに向かう。
トイレのドアは開けっぱなしになっていて、中を覗くと便器の前でしゃがみ込んで丸くなっている幸也がいた。
足元には小さな水たまりが出来ていたが、ベチャベチャになっている便座の様子から、半分以上はトイレにしたのではないかと思う。
「幸也……今日はアクシデントがあったし……気にすることないよ」
「うっ……情けない……」
「ほとんど、トイレでしたんだろ。ギリギリセーフだって」
こんな言葉は、気休めにもならないことは、痛いほどわかっている。この情けなくて、絶望する感じは、自分も漏らしてしまった時感じている。
「うっうっ……こんな自分もうやだ……」
「オレだって、おんなじようなもんだよ。この間またやちゃったって言っただろ」
「うっ……うっ」
「さぁ、体が冷えて風邪引くからシャワー行ってこいよ」
シャワーから出てきて、温まったはずなのに、幸也の顔色は優れない。
「ごめん。全部片付けてくれたんだろ……」
「ん。気にするなって。勇で慣れてるしな。掃除道具とか、いろいろと開けて使わせてもらったよ」
「それは……全然構わないけど……」
幸也はまだ、だいぶ落ち込んでいて、また泣き出しそうな顔だ。
どうすれば、いいだろうか……
オレは、幸也に近寄って、この間幸也がしてくれたように抱きしめてみた。幸也も抵抗することはなく、しばらくその状態でいると、お互いの体温と心臓の音が感じられて、幸也の体の強張りが少し解けたような気がする。
「オレたちのかっこ悪い部分はシェアしていくんだろ。幸也、この間そう言ってたよな。オレだって幸也のかっこ悪い部分も全部含めて知りたいよ。それにオレたちはもともと、保健室での漏らし仲間じゃん。今更、気にすることはないって」
幸也の顔をまっすぐに見て言う。オレも幸也もお互いが必要な存在だった。
「うん……ありがとう……幸司がいてくれてよかった」
「うん……」
でも、最後は照れ臭くなって、2人で笑いあった。
やっと部屋の前……
鍵を開けようとするが、立ち止まってることができない。常に足をくねらせて、動かしていないと大決壊が起こる。だけど動いてる状態だと、うまく鍵穴に鍵が入らない……
ヤバイ……ヤバイ……あーもう……と焦れば焦るほど、うまくいかない。
やっと鍵を開けて中に入ったけど、玄関で靴を脱ぐのも、もどかしい。もうタオルもけっこう濡れていて、水滴が足を伝うのもわかる。ポタポタと水滴を垂らしながら、トイレのドアを開ける。
便器を見てしまうと、さらに尿意は強まり、まだパンツの中なのに、じょわじょわと勢いを増して出て来てしまう。
待って……待って……待って……
チャックを下ろして、何とか便器に向けて放尿を開始する。
じょぼぼぼぼぼ…
勢いよく、おしっこを出しさっきまでの苦しみから解放される。
「はぁ……」
出し切って安堵したのも束の間、周りの惨状を見て愕然とする。その時ガチャと玄関のドアが開いて「幸也……」と幸司の声が聞こえた。
「だめ!!来ないで!!」
つい、大声で叫んでしまった。こんな状態見られたくない……
もう……やだ……どうしよう……
情けない自分に涙が出てきて、その場でしゃがみをこんだ。
幸也の脱いだ靴の辺りから、トイレに向かって、水滴が落ちている。先ほどの、叫び声からも今の幸也の状態が予測できて、いたたまれなくなる。でも、1人にはしておけなくてトイレに向かう。
トイレのドアは開けっぱなしになっていて、中を覗くと便器の前でしゃがみ込んで丸くなっている幸也がいた。
足元には小さな水たまりが出来ていたが、ベチャベチャになっている便座の様子から、半分以上はトイレにしたのではないかと思う。
「幸也……今日はアクシデントがあったし……気にすることないよ」
「うっ……情けない……」
「ほとんど、トイレでしたんだろ。ギリギリセーフだって」
こんな言葉は、気休めにもならないことは、痛いほどわかっている。この情けなくて、絶望する感じは、自分も漏らしてしまった時感じている。
「うっうっ……こんな自分もうやだ……」
「オレだって、おんなじようなもんだよ。この間またやちゃったって言っただろ」
「うっ……うっ」
「さぁ、体が冷えて風邪引くからシャワー行ってこいよ」
シャワーから出てきて、温まったはずなのに、幸也の顔色は優れない。
「ごめん。全部片付けてくれたんだろ……」
「ん。気にするなって。勇で慣れてるしな。掃除道具とか、いろいろと開けて使わせてもらったよ」
「それは……全然構わないけど……」
幸也はまだ、だいぶ落ち込んでいて、また泣き出しそうな顔だ。
どうすれば、いいだろうか……
オレは、幸也に近寄って、この間幸也がしてくれたように抱きしめてみた。幸也も抵抗することはなく、しばらくその状態でいると、お互いの体温と心臓の音が感じられて、幸也の体の強張りが少し解けたような気がする。
「オレたちのかっこ悪い部分はシェアしていくんだろ。幸也、この間そう言ってたよな。オレだって幸也のかっこ悪い部分も全部含めて知りたいよ。それにオレたちはもともと、保健室での漏らし仲間じゃん。今更、気にすることはないって」
幸也の顔をまっすぐに見て言う。オレも幸也もお互いが必要な存在だった。
「うん……ありがとう……幸司がいてくれてよかった」
「うん……」
でも、最後は照れ臭くなって、2人で笑いあった。
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