27 / 50
ハロウィン
しおりを挟む
とあるカフェで3日間限定でバイトをしていた。ハロウィン期間中は、お客さんが増えるからバイトの増員をしたらしい。
「幸司、そこ片付いたら、もう上がっていいって」
一緒にバイトをしていた幸也が声をかけて来る。
「おぉ。もう終わる。幸也はこの後予定ある?」
「ううんー。何もない。今日は家に誰もいないから、ぼっちハロウィンだよ」
「じゃあ、夕飯食べに来いよ。今日、父さんが幸也も連れて来いって」
「いいのー?やったー。幸司の家は何かやるの?ハロウィン」
誕生日やクリスマスなど一般的な行事ごとは、やる事が多かったが、高校生になってからは、男2人でやるのも小っ恥ずかしくて、やる機会は減っていた。まして、ハロウィンは今まで何かやった事はない。まあ、何をするのかも良くはわからない。
「いや……何も聞いてないけど……でも最近父さんが何か怪しいんだよな……」
「サプライズ的な?」
「うーん。今年は勇がいるからなぁ。勇のために何か企画してるのかも……幸也はハロウィンやったことある?」
「ないなー。でもハロウィンって言ったら、仮装でしょ。一緒にやってみる?」
幸也はニヤニヤしながら聞いてきて、思いっきり顔をしかめた。その時、店長さんがやってきてオレらに声をかける。
「2人とも3日間お疲れ様。助かったよー。2人ともお客受けも良かったし、良かったらまた手伝ってよ。あ、それと、このお菓子良かったら持って行ってー。ちょっとかけちゃってアウトレットだけどー」
割れたパンプキンや魔女型のクッキーだった。売り物にならないものなのだろう。割れていても、味に変わりはなくありがたく頂戴する。
幸也と共に家に帰り、玄関を開けると駆け寄ってくる人影がある。黒いマントを羽織り、口にはキバもつけている勇だった。
「とっ…トリック オア トリート!!」
何てかわいいドラキュラだ。
「あはっ。かわいい、ドラキュラがいるー」
「こわくない…?」
困り顔のドラキュラになる。
「あははっ。いやっ、こわい、こわい。ねっ幸司」
父さんのサプライズはこれだったのか……
一体、この衣装はどうしたものか……
勇の頭を撫で、お店で貰ったクッキーを渡す。
「これ、あげるからイタズラしないで」
「わぁ。魔女のクッキーだー。幸兄ちゃんありがとう」
「勇くん、このドラキュラはどうしたの?」
「広くんが、これを着たらカッコよくて、こわいドラキュラになれるって、着せてくれた」
満面の笑みのドラキュラは、恐さはゼロでかわいいしかない。お菓子をあげたのに、オレも幸也もメロメロにやられてしまった。
「幸司、そこ片付いたら、もう上がっていいって」
一緒にバイトをしていた幸也が声をかけて来る。
「おぉ。もう終わる。幸也はこの後予定ある?」
「ううんー。何もない。今日は家に誰もいないから、ぼっちハロウィンだよ」
「じゃあ、夕飯食べに来いよ。今日、父さんが幸也も連れて来いって」
「いいのー?やったー。幸司の家は何かやるの?ハロウィン」
誕生日やクリスマスなど一般的な行事ごとは、やる事が多かったが、高校生になってからは、男2人でやるのも小っ恥ずかしくて、やる機会は減っていた。まして、ハロウィンは今まで何かやった事はない。まあ、何をするのかも良くはわからない。
「いや……何も聞いてないけど……でも最近父さんが何か怪しいんだよな……」
「サプライズ的な?」
「うーん。今年は勇がいるからなぁ。勇のために何か企画してるのかも……幸也はハロウィンやったことある?」
「ないなー。でもハロウィンって言ったら、仮装でしょ。一緒にやってみる?」
幸也はニヤニヤしながら聞いてきて、思いっきり顔をしかめた。その時、店長さんがやってきてオレらに声をかける。
「2人とも3日間お疲れ様。助かったよー。2人ともお客受けも良かったし、良かったらまた手伝ってよ。あ、それと、このお菓子良かったら持って行ってー。ちょっとかけちゃってアウトレットだけどー」
割れたパンプキンや魔女型のクッキーだった。売り物にならないものなのだろう。割れていても、味に変わりはなくありがたく頂戴する。
幸也と共に家に帰り、玄関を開けると駆け寄ってくる人影がある。黒いマントを羽織り、口にはキバもつけている勇だった。
「とっ…トリック オア トリート!!」
何てかわいいドラキュラだ。
「あはっ。かわいい、ドラキュラがいるー」
「こわくない…?」
困り顔のドラキュラになる。
「あははっ。いやっ、こわい、こわい。ねっ幸司」
父さんのサプライズはこれだったのか……
一体、この衣装はどうしたものか……
勇の頭を撫で、お店で貰ったクッキーを渡す。
「これ、あげるからイタズラしないで」
「わぁ。魔女のクッキーだー。幸兄ちゃんありがとう」
「勇くん、このドラキュラはどうしたの?」
「広くんが、これを着たらカッコよくて、こわいドラキュラになれるって、着せてくれた」
満面の笑みのドラキュラは、恐さはゼロでかわいいしかない。お菓子をあげたのに、オレも幸也もメロメロにやられてしまった。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
お兄ちゃんはお医者さん!?
すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。
如月 陽菜(きさらぎ ひな)
病院が苦手。
如月 陽菜の主治医。25歳。
高橋 翔平(たかはし しょうへい)
内科医の医師。
※このお話に出てくるものは
現実とは何の関係もございません。
※治療法、病名など
ほぼ知識なしで書かせて頂きました。
お楽しみください♪♪
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる