忘れられない思い

yoyo

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帰国⑵

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   一緒にいた金髪男性は、テオと名乗り、佑輔さんのパートナーだった。男の子はリアムで、預かってる子どもなのだそう。とても華奢で初めは小学生の女の子かと思ったけど、中学生の男の子だった。人見知りが強いのか、殆ど俯いている状態で、たまに佑輔さんやテオが声をかけると、ボソボソと小さく話し、何を喋ってるか聞き取れないほどだ。まあ、ただ英語で喋ってるから、聞こえたとしてもわからないんだけど……
   ボクは日替わりのコロッケ、佑輔さんは生姜焼き、テオとリアムはハンバーグを頼んで、来るまで話をして待っていた。



「真野くんは、ここの常連さんなの?泰輔とも仲良いみたいだったし」

「最近は月2回くらいですけど、少し前は週に1、2回来てました」


   先生と付き合う前は、先生と会う時は大抵このお店だった。付き合うようになって、お互いの家を行ききする様になったらメッキリ減ってしまった。それは、来るたびに泰輔さんにネタにされている。


「泰輔さんとは、先生が……あ、泰輔さんの友達の奥田春人さんにこのお店を教えてもらったこともあり、仲良くさせてもらってます」

「春人?真野くん春人のことも知ってるの?へぇ~世間は狭いなぁ……でも、春人と少し歳離れてよね?」

「あーえっと……こ、高校の時の先生なんです……」


   何て言おうかちょっと戸惑ってしまった。佑輔さんには、付き合っていることを話しても良いと思ったけど、何だか気恥ずかしくて、当たり障りないところを、最後は顔を伏せるように話ししまう。


「もしかして、真野くんは、春人と付き合ってるのかな?」

「え……あ……はい」


   何か気づかれるようなことを言ったかなと思いながらも頷き、佑輔さんの方を見ると優しい顔で笑っていた。
   なんだかこの人には、全て見透かされているような気がする。


   その後、気づくともうお客はボクらだけしかいなく、料理を運んできた泰輔さんや夕花里さんもいつのまにか話に入っていた。
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