忘れられない思い

yoyo

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プレゼント⑴

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   隣では、先生が小さく寝息を立てていた。週に1回は先生の家に来て泊まっている。だけど、一緒には寝ているけど、お互いに抜き合うだけでそれ以上には進んでいなかった。

   先生は、ゆっくり進もうとは言ってくれてるけど……


   もともとボクは男が好きな訳ではない。先生以外の男の人にも欲情するのかといえば、それはないように思う。可愛いとか、綺麗だなと思う対象は女性だ。
   先生は、ボクが自分と同じゲイではないことを気にしている。だから、結局ギリギリのところで一線を超えてくれないのだ。先生の寝顔を見ながら、小さくため息をついて再び目を閉じた。




「真野、もう少しで誕生日だよな。何か欲しいものとかある?」

   翌朝、朝食を食べながら先生に聞かれ、誕生日教えていたかなと、ちょっと首をかしげると「泰輔から聞いた」と先生が苦笑する。確か、泰輔さんに先生の誕生日を教えてもらったときに、聞かれていたことを思い出した。


「えっと、特に欲しいものはないですよ。先生と一緒に過ごせたらそれでいいかな」

「欲がないなぁ。それじゃあ、いつもとあんまり変わらないじゃないか。まだ日があるし、ちょっと考えてみてよ」



   欲しいものかぁ……先生がほしいと言ったら、引かれちゃうかな。





   外回りで微妙に時間ができたので、カフェに寄って時間を潰すことにした。佐藤さんがバイトしているカフェだ。
   昼時のピークとずれていたこともあり、店内は比較的空いていて、好きな席を勧められる。奥の2人用の席に座り、珈琲を注文して、鞄の中から読みかけの文庫本を出した。


「おまたせしました……あれ?真野さん?」

   珈琲を持って来たのは、佐藤さんだった。


「あ、佐藤さん。今日学校休み……じゃないよね?」

   そんな話は先生から聞いていない。


「実は、テスト期間で午前で終わりなんです」

「テスト期間中って……いいの~勉強しなくて~?」

   からかい口調でそう聞くと、ちょっと困った顔をして「奥田先生には、ないしょにしておいてください~」とお願いされた。どうしてもシフトを代わってほしいとお願いされて、断れなかったと。
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