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番外編
番外小話2<カレル>
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<時系列は3-5.の後くらいです>
寒さの厳しい季節、小動物は命を守るために身を寄せ合って眠る。これもそんなようなものなのだろうか。
丸くなって寝息を立てるアキオの温もりを腕に感じながら、オレはひどく困惑していた。
ここのところ、毎晩こうだ。
始めのうちこそ「今日も寒いから近くで寝ても良いかな」などと殊勝に聞いてきて、許可を得てから遠慮がちに近くで寝ていたが、今では寝支度を終えると当然の如くオレの腕の間に収まってくるようになった。
旅の始め、ベッドが足りなくて困っていたアキオを側に招いたのは自分だから、今更こっちに来るなとも言えない。次第に厳しくなってくる夜間の冷え込みを乗り切るために、寄り添って眠るのは賢いやり方ではあるが、毎晩こうも距離が近いと、次第に腹の底に溜まる感情から目を逸らせなくなってきて困る。
ふうと溜息をつくと、アキオがわずかに身じろいだ。黒い真っ直ぐな髪がオレの顎に触れる。伸びかけた髪に指を潜らせて撫でつけてた。髪は絹のように滑らかでハリがあって、指に絡めても弾けるように解けていく。
ほんの少し首を曲げれば、鼻先が髪に埋まった。髪からはほんのりと甘い、雨の後の空気のような香りがした。アキオはどこも匂いが薄い。そこへオレの匂いが混ざって、一晩ごとに強く香り出す。
ほとんど抱き合うように眠っているのだから当然なのだが、混ざり合った香りを嗅ぐと、じわりと腰が重くなり、どうしようもない衝動が背筋を這い上ってきた。
欲しい、と腹の底で獣が唸り声を上げる。欲望の声は夜毎に強くなるようで、押さえるのが段々難しくなっている。
オレはアキオの髪に埋めていた顔を上げ、邪念を振り払おうと深く息を吸った。焚き火の煙と夜の空気で胸を満たす。
薄く目を開けると、焚き火の向こうに夜番をしているルチアーノの背中が見えた。マイアリーノは馬たちの間で眠っている。
野営している森の夜気はしんと冷えているが、風は無かった。どこか遠くで梟の鳴く声がする。オレは腕の中の生き物のことを忘れようと、そっちに意識を集中させた。
草むらを走る小動物の足音、梟のわずかな羽ばたき。夜の狩りの音。駒鳥の警戒する声、羽虫の唸り、細やかな葉擦れ、遠くを流れる小川の水音……
「ん~……」
穏やかな森の夜に同調しかけていた意識は、微かな寝言一つで現実に引き戻された。
アキオがゴソゴソと動いて寝相を変える。仰け反った襟元から覗く細い首を目にした瞬間、オレは頭を殴られたような衝撃を受けた。
───欲しい……
急激に腹の奥底で欲が膨れ上がる。口の中が干上がって、息が上手く吸えなくなった。
震える指先が意思に反して持ち上がり、目の前の細い首に触れてしまう。キメの細かい肌の下で、ゆっくりと脈が打っていた。
口づけたいと思った。口づけて思い切り吸い上げて、噛んで、オレのものだと一目で分かる印をつけたい。どちらのものか分からなくなるくらい香りを移し合って、自分のものにしてしまいたい。
後から後から、際限なく欲が湧く。
───誰にも渡さない。触れさせない。これは、オレの獲物
頭に血が上り、情欲で目が眩んだ。
熟睡して脱力しきった身体に手をかければ、簡単に仰向けにしてしまえた。上からのし掛かって、晒された顎から首へと指を滑らせると、アキオが緩慢に首を動かして避けようとする。
その動きに誘われるように首筋に唇を寄せた時、薪が爆ぜる音がした。パッと派手に火花が散って、目の端に映った炎が躍る。
オレは咄嗟に我に返って、慌ててアキオの上から退いた。
危ない。もう少しで理性を失って、後先考えずに衝動に身を任せてしまうところだった。幸いルチアーノはこちらに背を向けていたので、気付いていないだろう。
胸が激しく動悸を打っている。深く長く息を吐き出して仰向けに転がると、寒い夜なのに全身にうっすら汗が滲んでいることに気がついた。両腕を持ち上げて顔を覆い、何度も深呼吸して気を落ち着かせる。
十分頭を冷やしてから隣を見ると、アキオは長閑な顔で静かに眠り続けていた。あんまりにも油断しきった様子を見ると、馬鹿馬鹿しさと切なさが入り交じって何とも言えない気分がしてくる。
───無抵抗の獲物を貪りたいわけじゃない
そんなことをしなければならないほど飢えてはいない。
しかし、身体ごと横を向いて暢気な顔を見下ろすと、胸の底にたまった感情がゆらりと波立った。
アキオに出会って以来、やるべき事にばかりに目を向けて、目的のためには邪魔になるからと内心から目を逸らし続けていたが、もういい加減、認めるしかない。
オレは、臆病なくせに無防備で、弱いくせに図々しく図太くて、鈍感で、不器用に優しくて、たまに勇敢で、馬鹿で、正直なこの青年のことを、どうしようもなく愛しく思ってしまっている。
オレの方を振り向く時に、アキオの顔が安心と信頼で緩むのが嬉しかった。ルチアーノには言わないような我が儘をオレに言う時の、必ず聞き入れてもらえると理解しているような小狡い表情も好きだ。あどけなく見える寝顔も、たまに見せる硬い表情も、どんな顔もずっと隣で見ていたい。
アキオの見る物を一緒に見たい。何を考え、何を感じているのか知りたい。何に喜びを感じ、何に悲しむのか。好きな物は何で、嫌いな物は何だ?
肉体のことも知りたい。どこにどう触れられるのが好きで、何をされるのが嫌なのか?
子どもにするように触れられるのは嫌だと言っていた。距離感は近いくせに、不用意に触れると猫のように不機嫌になる。正解が分からないから、余計に触れたくなる。
認めてしまえば簡単だった。オレはコイツが欲しい。だから、手に入れる。いつか、必ず。
隣で寝息を漏らしているアキオの唇に指を伸ばし、触れる寸前で止めた。中途半端な場所で浮かせた指先に、温かく湿った息がかかる。オレは拳を握り、握り込んだ指の背でそっと口元を撫でてから、その手をそっと自分の唇に当てた。
でもそれは、今じゃない。
手に入れると決めたのならば、今は動くべきではない。
臆病な獲物は焦れば逃げる。必ず成功させたい狩りは、急いではいけないのだ。逃げ足の速い獲物を狙う時は、必ず仕留められる距離まで近づいてくるのをじっと待たねばならない。邪魔の入らない、逃げ場のない場所に囲い込んで、時が来るまでひたすら待つ。
食って終わりの狩りではない。確実に手に入れて巣穴に引きずり込むまで、気は抜けない。
暗い空を見上げて算段をめぐらせていると、隣で小さなくしゃみが聞こえて、寝返りを打ったアキオが脇腹にくっついてきた。我慢強さには自信があるつもりだったが、それがグラリと大きく揺らいだ。
───待つつもりだが……それまで理性が保つだろうか……?
深く溜息をついてからアキオの身体に外套を巻き付け直してやると、何の夢を見ているのか、アキオは眠ったまま口元を小さく綻ばせた。
寒さの厳しい季節、小動物は命を守るために身を寄せ合って眠る。これもそんなようなものなのだろうか。
丸くなって寝息を立てるアキオの温もりを腕に感じながら、オレはひどく困惑していた。
ここのところ、毎晩こうだ。
始めのうちこそ「今日も寒いから近くで寝ても良いかな」などと殊勝に聞いてきて、許可を得てから遠慮がちに近くで寝ていたが、今では寝支度を終えると当然の如くオレの腕の間に収まってくるようになった。
旅の始め、ベッドが足りなくて困っていたアキオを側に招いたのは自分だから、今更こっちに来るなとも言えない。次第に厳しくなってくる夜間の冷え込みを乗り切るために、寄り添って眠るのは賢いやり方ではあるが、毎晩こうも距離が近いと、次第に腹の底に溜まる感情から目を逸らせなくなってきて困る。
ふうと溜息をつくと、アキオがわずかに身じろいだ。黒い真っ直ぐな髪がオレの顎に触れる。伸びかけた髪に指を潜らせて撫でつけてた。髪は絹のように滑らかでハリがあって、指に絡めても弾けるように解けていく。
ほんの少し首を曲げれば、鼻先が髪に埋まった。髪からはほんのりと甘い、雨の後の空気のような香りがした。アキオはどこも匂いが薄い。そこへオレの匂いが混ざって、一晩ごとに強く香り出す。
ほとんど抱き合うように眠っているのだから当然なのだが、混ざり合った香りを嗅ぐと、じわりと腰が重くなり、どうしようもない衝動が背筋を這い上ってきた。
欲しい、と腹の底で獣が唸り声を上げる。欲望の声は夜毎に強くなるようで、押さえるのが段々難しくなっている。
オレはアキオの髪に埋めていた顔を上げ、邪念を振り払おうと深く息を吸った。焚き火の煙と夜の空気で胸を満たす。
薄く目を開けると、焚き火の向こうに夜番をしているルチアーノの背中が見えた。マイアリーノは馬たちの間で眠っている。
野営している森の夜気はしんと冷えているが、風は無かった。どこか遠くで梟の鳴く声がする。オレは腕の中の生き物のことを忘れようと、そっちに意識を集中させた。
草むらを走る小動物の足音、梟のわずかな羽ばたき。夜の狩りの音。駒鳥の警戒する声、羽虫の唸り、細やかな葉擦れ、遠くを流れる小川の水音……
「ん~……」
穏やかな森の夜に同調しかけていた意識は、微かな寝言一つで現実に引き戻された。
アキオがゴソゴソと動いて寝相を変える。仰け反った襟元から覗く細い首を目にした瞬間、オレは頭を殴られたような衝撃を受けた。
───欲しい……
急激に腹の奥底で欲が膨れ上がる。口の中が干上がって、息が上手く吸えなくなった。
震える指先が意思に反して持ち上がり、目の前の細い首に触れてしまう。キメの細かい肌の下で、ゆっくりと脈が打っていた。
口づけたいと思った。口づけて思い切り吸い上げて、噛んで、オレのものだと一目で分かる印をつけたい。どちらのものか分からなくなるくらい香りを移し合って、自分のものにしてしまいたい。
後から後から、際限なく欲が湧く。
───誰にも渡さない。触れさせない。これは、オレの獲物
頭に血が上り、情欲で目が眩んだ。
熟睡して脱力しきった身体に手をかければ、簡単に仰向けにしてしまえた。上からのし掛かって、晒された顎から首へと指を滑らせると、アキオが緩慢に首を動かして避けようとする。
その動きに誘われるように首筋に唇を寄せた時、薪が爆ぜる音がした。パッと派手に火花が散って、目の端に映った炎が躍る。
オレは咄嗟に我に返って、慌ててアキオの上から退いた。
危ない。もう少しで理性を失って、後先考えずに衝動に身を任せてしまうところだった。幸いルチアーノはこちらに背を向けていたので、気付いていないだろう。
胸が激しく動悸を打っている。深く長く息を吐き出して仰向けに転がると、寒い夜なのに全身にうっすら汗が滲んでいることに気がついた。両腕を持ち上げて顔を覆い、何度も深呼吸して気を落ち着かせる。
十分頭を冷やしてから隣を見ると、アキオは長閑な顔で静かに眠り続けていた。あんまりにも油断しきった様子を見ると、馬鹿馬鹿しさと切なさが入り交じって何とも言えない気分がしてくる。
───無抵抗の獲物を貪りたいわけじゃない
そんなことをしなければならないほど飢えてはいない。
しかし、身体ごと横を向いて暢気な顔を見下ろすと、胸の底にたまった感情がゆらりと波立った。
アキオに出会って以来、やるべき事にばかりに目を向けて、目的のためには邪魔になるからと内心から目を逸らし続けていたが、もういい加減、認めるしかない。
オレは、臆病なくせに無防備で、弱いくせに図々しく図太くて、鈍感で、不器用に優しくて、たまに勇敢で、馬鹿で、正直なこの青年のことを、どうしようもなく愛しく思ってしまっている。
オレの方を振り向く時に、アキオの顔が安心と信頼で緩むのが嬉しかった。ルチアーノには言わないような我が儘をオレに言う時の、必ず聞き入れてもらえると理解しているような小狡い表情も好きだ。あどけなく見える寝顔も、たまに見せる硬い表情も、どんな顔もずっと隣で見ていたい。
アキオの見る物を一緒に見たい。何を考え、何を感じているのか知りたい。何に喜びを感じ、何に悲しむのか。好きな物は何で、嫌いな物は何だ?
肉体のことも知りたい。どこにどう触れられるのが好きで、何をされるのが嫌なのか?
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♥続編「翼の統べる国」毎週金曜20時前後と火曜20時前後に投稿中♥
応援して頂けましたら幸いです!
加筆修正完全版「エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!」はAmazon Kindle(Unlimited対象)でもお読み頂けます!書き下ろし多数ありますので、どうぞよろしく~
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