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3.モブと愉快な仲間たち、東へ
3-12. 新しい仲間
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少し歩くと、崩れた石垣の向こうに建物があった。
元は円形の塔だったみたいだけど、上部はほとんど崩れてなくなってしまっている。塔の根元を支えるように納屋のような低い建物がくっついていた。
マイアリーノは身軽に石の上をジャンプして敷地の中へ入っていく。それを真似て大きな石を踏み越えようとしたオレはバランスを崩して後ろに倒れかけた。けど、すぐ前にいたカレルが腕を引っ張って助け起こしてくれて、そのまま胴を支えて草地の上に下ろされた。
「暗いから足元に気をつけろ」
一瞬見つめ合ってしまって、気まずい沈黙が訪れる。
「あー……ありがとう……。あのさ、さっきの事なんだけどさ……」
「……すまん、さっきは取り乱してたんだ。怖がらせて悪かった。できれば忘れて欲しい」
カレルはフイとオレに背を向け、何でもなかったように先へ進む。オレはなんとも言えない気持ちのまま、先を行く背中を追った。
「これ、なんの建物だったんだろう……」
塔の方は外壁しか残っていないけど、付属の平べったい建物の屋根や壁には、大きな破損はないようだった。近づいてみると入り口の扉も残されている。
入り口の飾り柱に、鞍がついたままの馬が三頭繋がれていた。オレたちの馬だ。
「ルチアーノさまの匂いがする!」
マイアリーノが鼻を嬉しそうに鳴らして走り出そうとするのを、カレルが止めた。
「脇に荷車が隠してある。ルチアーノ以外の何者かがいるかも知れない」
カレルは建物に近づき、割れた窓から中を覗いた。
一緒になって覗くと、ガランとした広い部屋の中で焚火が燃えているのが見えた。炎に揺らめく人影が一つ。歩き回って何かを運んでいる。
火の側には男が一人倒れていた。炎に照らされて金の髪が輝いている。
「ルチアーノさま……!」
マイアリーノが口を押さえて息を呑んだ。
「助けに行く!」
「ダメだってば」
オレは先走ろうとするマイアリーノを抱き止めた。小柄で細身なのにマイアリーノは力が強い。必死で押さえていると、何かが飛んできて頬の横を掠めた。オレは咄嗟にマイアリーノごとしゃがんで窓枠の下に隠れる。
向かいの木の幹に当たって落ちたのは、鋭く尖ったガラスの破片だった。あんなのが目に当たったら失明するよ。
カレルは壁に身を隠したまま静かに剣を抜き、屋内の様子を伺っている。
「今夜はネズミが多い」
息の詰まる静けさの中、割れた窓越しに聞こえてきたのは若い男の声だった。
「仲間を助けに来たんなら、正面から来な。オレは商人だから、暴力より平和的な取引をお願いしたいね」
からかうような調子の声に聞き覚えがあって、オレはちょっとだけ頭を上げて中を見た。
用心深く窓から距離を取って立っている男は、頭にターバンを巻き、襟の詰まった独特の長衣を身につけている。ファタリタではあまり見かけることのない印象的な衣装に、はっきりと見覚えがあった。聖都の祭りで行商の天幕を張っていた男だ。
「オティアン?」
カレルに頭を押さえられる前に、オレは伸び上がって中の人物に手を振った。
「覚えてる? 前に会ったことあるアキオだよ!」
「おや、いつぞや祭りでお会いした坊ちゃんですか?」
オティアンは目を丸くして窓の側までやって来た。
「そう、そこで倒れてるヤツも仲間なんだ。争う気はないから、中に入っても良い?」
「ええ、勿論構いません。そっちの二人も武器を置いてから入ってくると良い」
オティアンは軽く眉を上げ、窓枠から身を乗り出していたオレの脇に腕を差し込んでヒョイと持ち上げた。あっという間に抱き上げられて、廃屋の床に着地する。すぐさまカレルが窓枠を跳び越えて来て、オティアンの腕からオレを取り返した。
マイアリーノもその後に続いて中に入ってくる。
「ご執心なことだな。武器は置いてこいと言っただろう」
片目を細めて口の端で笑うオティアンを、カレルは冷たく睨んだ。
「武器を使う気はない。行商の君がなぜこんなところにいる?」
「なあに、仕入れの一環さ。武器は全部壁際に置いてくれ。いつ斬りかかられるかと思うと、落ち着かない」
オティアンは肩をすくめながら焚き火の側に行き、敷いてあった毛皮のラグの上に腰を下ろした。
オレはホイホイ火の側に寄って温かそうなラグに座ろうとしたけど、カレルの腕に阻まれた。
カレルはオレとマイアリーノを後ろに庇って、警戒心もあらわに突っ立ったまま動かないでいる。
「ルチアーノさまは大丈夫……? そばに行っても良い?」
カレルの背中に隠れたまま、マイアリーノが心配そうに言った。
ルチアーノはオティアンのすぐ右隣に倒れていて、微動だにしないでいる。剣帯はほどかれ、剣は鞘ごと奥の壁に立てかけてあった。
「あのお仲間はルチアーノという名ですか。聖堂騎士団の長と同じ名だが、本人かな?」
「そうよ、ルチアーノさまは、みんなを守ってくれるの」
「ははは、今はそれもできないようですが」
オティアンはマイアリーノの言葉を聞いて、軽く笑う。
「私は彼を傷つけていませんよ。仕入れの邪魔をしてくれたので、眠ってもらっただけだ。明日の朝には目覚めるでしょう」
マイアリーノはそれを聞いて、カレルの手を振り切ってルチアーノの側に駆け寄った。
無傷なのを確かめるように全身を触り、血の跡や痣がないことを確認して、ホッとしたようにその場にしゃがみ込む。
オティアンはルチアーノには興味なさげに
「それで、騎士団長とエラストの戦士をお供に、こんな廃墟まで旅をする坊ちゃんは何者ですか? ただの巡礼ではないでしょう?」
オレはムッとしてオティアンを睨んだ。前に会った時も思ったけど、親切なくせに微妙にカンに障る物の言い方するんだよな、この人。
「坊ちゃんっての、やめてくれる? オレはただの巡礼だよ。ここの廃墟に滅石があるから、集めに来ただけだ。そっちこそ、なんで仕入れのために廃墟に来る必要があるんだよ?」
「良い掘り出し物が見つかるんですよ、ここは。今ではもう作れなくなった良質の陶器や銀器、宝飾品の類いが沢山残っている」
オティアンは側に置いてあった箱から銀の燭台を一つ取り上げて、オレたちの方に掲げて見せた。細かな彫刻の入った燭台は百合の花の形をしていて、いかにも高価そうだ。
「……それって泥棒じゃん……」
オレが呟くと、オティアンは愉快そうに肩を揺らして笑った。
「ここの住人はもういない。残されている物は誰の持ち物でもないでしょう? ただ朽ちていくよりは、価値の分かる人の手に渡る方が余っ程良いと思いませんか? 私は危険を冒して廃墟に入り、宝を見つけて客に売っている。狩った獲物を捌いて肉を売るのと同じですよ」
オレは納得できない物を感じつつも、反論できなくて黙り込む。同じような詭弁をルチアーノにも聞かせたのなら、怒って当然かも知れない。
「それで、元手ゼロで儲けた金をどこに流している?」
カレルの問いは痛いところを突いたようで、オティアンは一瞬目を鋭くし、
「……稼いだ金をどう使うかはオレの勝手だ」
と低い声で言い返した。カレルはしばらく無言でオティアンを見ていたけど、ふと目を反らして溜息をついた。
「確かに。お前が何で儲けようとオレたちには関係がない。聞いて悪かった」
「ははっ! お前は大概お人好しだな。エラストの長老方はスパイの人選を誤ったぞ」
オティアンは、堪えきれない様子で笑い声を上げ、火にかけていた鍋から湯気の立つ茶をコップに注いでオレたちを手招いた。
「お互い邪魔をしないなら、いがみ合う必要は無い。アキオ、おいで。温かいお茶を入れてあげよう。エラストの君……カレルだったか? も、そっちの女の子も、どうぞ」
元は円形の塔だったみたいだけど、上部はほとんど崩れてなくなってしまっている。塔の根元を支えるように納屋のような低い建物がくっついていた。
マイアリーノは身軽に石の上をジャンプして敷地の中へ入っていく。それを真似て大きな石を踏み越えようとしたオレはバランスを崩して後ろに倒れかけた。けど、すぐ前にいたカレルが腕を引っ張って助け起こしてくれて、そのまま胴を支えて草地の上に下ろされた。
「暗いから足元に気をつけろ」
一瞬見つめ合ってしまって、気まずい沈黙が訪れる。
「あー……ありがとう……。あのさ、さっきの事なんだけどさ……」
「……すまん、さっきは取り乱してたんだ。怖がらせて悪かった。できれば忘れて欲しい」
カレルはフイとオレに背を向け、何でもなかったように先へ進む。オレはなんとも言えない気持ちのまま、先を行く背中を追った。
「これ、なんの建物だったんだろう……」
塔の方は外壁しか残っていないけど、付属の平べったい建物の屋根や壁には、大きな破損はないようだった。近づいてみると入り口の扉も残されている。
入り口の飾り柱に、鞍がついたままの馬が三頭繋がれていた。オレたちの馬だ。
「ルチアーノさまの匂いがする!」
マイアリーノが鼻を嬉しそうに鳴らして走り出そうとするのを、カレルが止めた。
「脇に荷車が隠してある。ルチアーノ以外の何者かがいるかも知れない」
カレルは建物に近づき、割れた窓から中を覗いた。
一緒になって覗くと、ガランとした広い部屋の中で焚火が燃えているのが見えた。炎に揺らめく人影が一つ。歩き回って何かを運んでいる。
火の側には男が一人倒れていた。炎に照らされて金の髪が輝いている。
「ルチアーノさま……!」
マイアリーノが口を押さえて息を呑んだ。
「助けに行く!」
「ダメだってば」
オレは先走ろうとするマイアリーノを抱き止めた。小柄で細身なのにマイアリーノは力が強い。必死で押さえていると、何かが飛んできて頬の横を掠めた。オレは咄嗟にマイアリーノごとしゃがんで窓枠の下に隠れる。
向かいの木の幹に当たって落ちたのは、鋭く尖ったガラスの破片だった。あんなのが目に当たったら失明するよ。
カレルは壁に身を隠したまま静かに剣を抜き、屋内の様子を伺っている。
「今夜はネズミが多い」
息の詰まる静けさの中、割れた窓越しに聞こえてきたのは若い男の声だった。
「仲間を助けに来たんなら、正面から来な。オレは商人だから、暴力より平和的な取引をお願いしたいね」
からかうような調子の声に聞き覚えがあって、オレはちょっとだけ頭を上げて中を見た。
用心深く窓から距離を取って立っている男は、頭にターバンを巻き、襟の詰まった独特の長衣を身につけている。ファタリタではあまり見かけることのない印象的な衣装に、はっきりと見覚えがあった。聖都の祭りで行商の天幕を張っていた男だ。
「オティアン?」
カレルに頭を押さえられる前に、オレは伸び上がって中の人物に手を振った。
「覚えてる? 前に会ったことあるアキオだよ!」
「おや、いつぞや祭りでお会いした坊ちゃんですか?」
オティアンは目を丸くして窓の側までやって来た。
「そう、そこで倒れてるヤツも仲間なんだ。争う気はないから、中に入っても良い?」
「ええ、勿論構いません。そっちの二人も武器を置いてから入ってくると良い」
オティアンは軽く眉を上げ、窓枠から身を乗り出していたオレの脇に腕を差し込んでヒョイと持ち上げた。あっという間に抱き上げられて、廃屋の床に着地する。すぐさまカレルが窓枠を跳び越えて来て、オティアンの腕からオレを取り返した。
マイアリーノもその後に続いて中に入ってくる。
「ご執心なことだな。武器は置いてこいと言っただろう」
片目を細めて口の端で笑うオティアンを、カレルは冷たく睨んだ。
「武器を使う気はない。行商の君がなぜこんなところにいる?」
「なあに、仕入れの一環さ。武器は全部壁際に置いてくれ。いつ斬りかかられるかと思うと、落ち着かない」
オティアンは肩をすくめながら焚き火の側に行き、敷いてあった毛皮のラグの上に腰を下ろした。
オレはホイホイ火の側に寄って温かそうなラグに座ろうとしたけど、カレルの腕に阻まれた。
カレルはオレとマイアリーノを後ろに庇って、警戒心もあらわに突っ立ったまま動かないでいる。
「ルチアーノさまは大丈夫……? そばに行っても良い?」
カレルの背中に隠れたまま、マイアリーノが心配そうに言った。
ルチアーノはオティアンのすぐ右隣に倒れていて、微動だにしないでいる。剣帯はほどかれ、剣は鞘ごと奥の壁に立てかけてあった。
「あのお仲間はルチアーノという名ですか。聖堂騎士団の長と同じ名だが、本人かな?」
「そうよ、ルチアーノさまは、みんなを守ってくれるの」
「ははは、今はそれもできないようですが」
オティアンはマイアリーノの言葉を聞いて、軽く笑う。
「私は彼を傷つけていませんよ。仕入れの邪魔をしてくれたので、眠ってもらっただけだ。明日の朝には目覚めるでしょう」
マイアリーノはそれを聞いて、カレルの手を振り切ってルチアーノの側に駆け寄った。
無傷なのを確かめるように全身を触り、血の跡や痣がないことを確認して、ホッとしたようにその場にしゃがみ込む。
オティアンはルチアーノには興味なさげに
「それで、騎士団長とエラストの戦士をお供に、こんな廃墟まで旅をする坊ちゃんは何者ですか? ただの巡礼ではないでしょう?」
オレはムッとしてオティアンを睨んだ。前に会った時も思ったけど、親切なくせに微妙にカンに障る物の言い方するんだよな、この人。
「坊ちゃんっての、やめてくれる? オレはただの巡礼だよ。ここの廃墟に滅石があるから、集めに来ただけだ。そっちこそ、なんで仕入れのために廃墟に来る必要があるんだよ?」
「良い掘り出し物が見つかるんですよ、ここは。今ではもう作れなくなった良質の陶器や銀器、宝飾品の類いが沢山残っている」
オティアンは側に置いてあった箱から銀の燭台を一つ取り上げて、オレたちの方に掲げて見せた。細かな彫刻の入った燭台は百合の花の形をしていて、いかにも高価そうだ。
「……それって泥棒じゃん……」
オレが呟くと、オティアンは愉快そうに肩を揺らして笑った。
「ここの住人はもういない。残されている物は誰の持ち物でもないでしょう? ただ朽ちていくよりは、価値の分かる人の手に渡る方が余っ程良いと思いませんか? 私は危険を冒して廃墟に入り、宝を見つけて客に売っている。狩った獲物を捌いて肉を売るのと同じですよ」
オレは納得できない物を感じつつも、反論できなくて黙り込む。同じような詭弁をルチアーノにも聞かせたのなら、怒って当然かも知れない。
「それで、元手ゼロで儲けた金をどこに流している?」
カレルの問いは痛いところを突いたようで、オティアンは一瞬目を鋭くし、
「……稼いだ金をどう使うかはオレの勝手だ」
と低い声で言い返した。カレルはしばらく無言でオティアンを見ていたけど、ふと目を反らして溜息をついた。
「確かに。お前が何で儲けようとオレたちには関係がない。聞いて悪かった」
「ははっ! お前は大概お人好しだな。エラストの長老方はスパイの人選を誤ったぞ」
オティアンは、堪えきれない様子で笑い声を上げ、火にかけていた鍋から湯気の立つ茶をコップに注いでオレたちを手招いた。
「お互い邪魔をしないなら、いがみ合う必要は無い。アキオ、おいで。温かいお茶を入れてあげよう。エラストの君……カレルだったか? も、そっちの女の子も、どうぞ」
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