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2.モブ、旅立ちを決意する
2-12.女と寝るの?男と寝るの?どっちなの?
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思惑はそれぞれあるけど、仲間を一人増やしたオレたちは平和に出発できそうだ。
しかし、今日はもう夜も更けてしまっている。今晩一晩は宿に泊まり、明日の朝一でルチアーノ以外の三人分の装備を揃えてから出発することに決まった。
取ってあった部屋は一部屋だけで、祭りのせいで他は満室。ベッドは二つしかない。一つを女の子に譲るのは当然として、残り一つに誰が寝るかが問題だ。
「隣どうぞ?」
小柄なマイアリーノはベッドの端に寄ってそう言ったけど、ルチアーノはめちゃくちゃ嫌そうな顔をして断り、野生派のカレルは無言で床に毛布を敷いてその上にさっさと横たわった。
「ってことは、オレがマイアリーノの横で寝て良いって事かな?」
早速の役得に、オレは鼻の下を伸ばしてマイアリーノの隣に潜り込む。鼻先まで毛布にくるまって
「おやすみなさい」
こっちに向かって微笑む彼女は、普通に可愛い女の子にしか見えない。鼻さえなければなあ……と思ってしまう自分が失礼なのは分かってるんだけど、でも鼻さえなければなあ……。
全員寝床につくと、すぐに複数の寝息が聞こえてきた。みんなやたらと寝付きが良い。オレだけが全く眠れそうもなかった。
───だって、同じ毛布の下に女の子がいるんだよ! ナニができるってわけでもないけど、ドキドキするって!
マイアリーノが寝返りを打つと、丸まった小さな背中がオレの腕に触れる。こんな近距離で母親以外の異性の温もりを感じるのは生まれて初めてで、緊張のあまり変な汗が止まらない。
ギュッと目を閉じると、昨晩、異教の儀式で見てしまったマイアリーノの全裸が瞼の裏によみがえってきて、ますますどうして良いか分からなくなった。
───今のオレにちんちんがついてなくて良かった……
オレは無意識に股間を触りつつ天に感謝する。ついてたら絶対元気になってただろうけど、他に男が二人も居るからこっそり自分で処理することもできなかっただろうし。
しかしモノがついてなくてもやっぱりモンモンはする。
何度も寝返りを打ち、頭を抱えて丸くなったり、限界まで端に寄ってみたりしたけど、眠れる気がしない。
狭いのは覚悟の上でルチアーノの方のベッドに移動しようかと起き上がると、
「眠れないのか?」
というカレルの囁き声が聞こえた。
「起こしちゃった? ごめん」
「いや、気にするな。オレは眠りが浅いタチなんだ。眠れないならしばらく話し相手になろうか?」
オレはちょっとホッとして、部屋の隅にいるカレルの方に歩いていって腰を下ろした。床の上だけど、毛布が敷いてあるので冷たくはない。カレルは背中を壁につけて、片あぐらで座っていた。
「状況が一気に変わったからな。気が高ぶって当然だ。アキオは都から出るのは初めてか?」
オレはちょっと首を傾げる。ゲームの中では国中を回ったけど、実際旅をするのは初めてということになるんだよな。
「うん。カレルは旅に慣れてるんだろ?」
「ああ。東へ行くのは初めてだがな。しかし、道中何かあればオレが助ける。心配しなくて良い」
カレルはそっと背中を撫でてくれた。大きな手が温かい。
もしかして、彼はオレが旅を不安がって眠れないと思ってるんだろうか?
その心配は有り難いけど、今のところオレは不安とは無縁だ。もしかしたら、まだゲームと今の現実の区別がはっきりしてないのかもしれない。
でも、よく考えたら、オレは元々の世界でもあんまり不安になったりしないタイプだった。だから受験も「やるだけやったら絶対受かる!」って思い込んで無心に勉強してたし。
結果はまさかの失敗で、それまで応援してくれてた回りに急に手のひら返されたのが耐えられなくて引きこもったけど。
きっと今後オレがメンタル不調になるとしたら、味方と思ってた誰かに裏切られた時だろうな……。多分、カレルが離れていくような事があれば、オレは相当ダメージ受ける。ちょっと考えただけでも不安だ。
だから、オレは昼間から胸に引っかかっていた疑問を直接ぶつけてみることにした。
「カレルはさ、旅の間に命願教の秘密を探りたいんだよね? それは、オティアン達の活動とは違うんだ?」
「オティアンとは今日初めて会ったが、オレは前から組織については知っているし、勧誘を受けたこともある。だがオレは断った」
カレルは遠くを見るような目をして、自分の中の考えを整理するようにポツポツと話す。
「北や西が揉めているのは、全て命願教が原因なんだ。オティアン達の一団は、ファタリタと戦うことで自分たちの土地と一族の結束を回復しようとしている。しかし、オレたちの一族の中にも、既に古い信仰を捨てて命願教に入信している者達も沢山いるのさ。大聖堂の奴らは洗脳が上手い。戦いになれば、必ず混ざり者同士がやりあうように仕向けてくるだろう。オレはそれを避けたいんだ。命願教……というより、今のファタリタ大聖堂には必ず何か後ろ暗い点があるはずだ。オレはそれを公にして、間違った信仰に走った一族の者達を取り戻したい」
まるで自分自身に誓うように、静かに燃える炎のような熱の籠もった口調で、カレルは囁いた。
改めて聞かされると、オレのしょーもない願いと比べて、カレルの目的はやたらとシリアスだった。レベルが違いすぎて段々本当に不安になってしまう。
「そっか……同士討ちを避けたいから、オティアンとは協力できないんだ。でもさあ、オレと一緒に行っても、カレルの知りたいことには近づけないかもよ? オレは自分の望みを叶えたいだけだし……その望みも大したことじゃないし……」
抱えた膝の上に顎を乗せ、隣の男を上目遣いで見上げると、カレルは太い眉を上げておどけた表情を見せた。
「オレは故郷を飛び出してもう何年にもなる。その間ほとんど情報をつかめずに時間を浪費してきたんだ。しかしこの数日で、願いの泉をこの目で見たし、ファタリタ生まれの混ざり者に近づけた。滅石に匂いがある事も分かったし、大聖堂の組織内部にほころびがある事もわかった。全部アキオに出会ってからだ。オレがお前にどれだけ感謝しているか分かるか?」
大きな手のひらがオレの髪をぐしゃぐしゃにかき回す。
「それは偶然ラッキーだっただけだよ……今後も続くとは限らない」
「そうだとしても、オレを窮地から救ったのはお前の幸運だ! それに、いくら長くかかろうと巡礼の期限は一年だ。たかが一年! たとえ全く無駄になっても、オレは全く不満に思ったりしないだろうよ」
冗談めかして言うカレルに励ますように肩を抱かれ、オレは苦笑した。
「ルチアーノは出発が一日遅れるだけで激怒したけどね」
「器の小さい男だ」
目を見合わせると同時に小さく吹き出してしまい、眠っているルチアーノがうるさげに寝返りを打って壁際を向いた。
笑うと急に気が抜けて、オレは小さく欠伸を漏らした。
「もう眠れそうか?」
「うん。ありがとう。……あのさ、やっぱ女の子の隣って緊張するからカレルの横で寝て良い?」
そう頼むとカレルはちょっと困ったような顔をしたけど、結局は荷物の中から昼間に買ったマントを取り出して隣に敷いてくれた。オレが遠慮なくそこに横になると、カレルは足りない毛布の代わりに上着を掛けてくれる。
「ふわぁ……おやすみ」
欠伸と一緒に言うと、
「よく眠れ」
とカレルはかがみ込んでオレの額に軽くキスをし、額を撫でた。外国の映画で親が子どもにするようなヤツ。優しい感触に眠気を誘われ、オレはくすぐったい気持ちで瞼を閉じた。
しかし、今日はもう夜も更けてしまっている。今晩一晩は宿に泊まり、明日の朝一でルチアーノ以外の三人分の装備を揃えてから出発することに決まった。
取ってあった部屋は一部屋だけで、祭りのせいで他は満室。ベッドは二つしかない。一つを女の子に譲るのは当然として、残り一つに誰が寝るかが問題だ。
「隣どうぞ?」
小柄なマイアリーノはベッドの端に寄ってそう言ったけど、ルチアーノはめちゃくちゃ嫌そうな顔をして断り、野生派のカレルは無言で床に毛布を敷いてその上にさっさと横たわった。
「ってことは、オレがマイアリーノの横で寝て良いって事かな?」
早速の役得に、オレは鼻の下を伸ばしてマイアリーノの隣に潜り込む。鼻先まで毛布にくるまって
「おやすみなさい」
こっちに向かって微笑む彼女は、普通に可愛い女の子にしか見えない。鼻さえなければなあ……と思ってしまう自分が失礼なのは分かってるんだけど、でも鼻さえなければなあ……。
全員寝床につくと、すぐに複数の寝息が聞こえてきた。みんなやたらと寝付きが良い。オレだけが全く眠れそうもなかった。
───だって、同じ毛布の下に女の子がいるんだよ! ナニができるってわけでもないけど、ドキドキするって!
マイアリーノが寝返りを打つと、丸まった小さな背中がオレの腕に触れる。こんな近距離で母親以外の異性の温もりを感じるのは生まれて初めてで、緊張のあまり変な汗が止まらない。
ギュッと目を閉じると、昨晩、異教の儀式で見てしまったマイアリーノの全裸が瞼の裏によみがえってきて、ますますどうして良いか分からなくなった。
───今のオレにちんちんがついてなくて良かった……
オレは無意識に股間を触りつつ天に感謝する。ついてたら絶対元気になってただろうけど、他に男が二人も居るからこっそり自分で処理することもできなかっただろうし。
しかしモノがついてなくてもやっぱりモンモンはする。
何度も寝返りを打ち、頭を抱えて丸くなったり、限界まで端に寄ってみたりしたけど、眠れる気がしない。
狭いのは覚悟の上でルチアーノの方のベッドに移動しようかと起き上がると、
「眠れないのか?」
というカレルの囁き声が聞こえた。
「起こしちゃった? ごめん」
「いや、気にするな。オレは眠りが浅いタチなんだ。眠れないならしばらく話し相手になろうか?」
オレはちょっとホッとして、部屋の隅にいるカレルの方に歩いていって腰を下ろした。床の上だけど、毛布が敷いてあるので冷たくはない。カレルは背中を壁につけて、片あぐらで座っていた。
「状況が一気に変わったからな。気が高ぶって当然だ。アキオは都から出るのは初めてか?」
オレはちょっと首を傾げる。ゲームの中では国中を回ったけど、実際旅をするのは初めてということになるんだよな。
「うん。カレルは旅に慣れてるんだろ?」
「ああ。東へ行くのは初めてだがな。しかし、道中何かあればオレが助ける。心配しなくて良い」
カレルはそっと背中を撫でてくれた。大きな手が温かい。
もしかして、彼はオレが旅を不安がって眠れないと思ってるんだろうか?
その心配は有り難いけど、今のところオレは不安とは無縁だ。もしかしたら、まだゲームと今の現実の区別がはっきりしてないのかもしれない。
でも、よく考えたら、オレは元々の世界でもあんまり不安になったりしないタイプだった。だから受験も「やるだけやったら絶対受かる!」って思い込んで無心に勉強してたし。
結果はまさかの失敗で、それまで応援してくれてた回りに急に手のひら返されたのが耐えられなくて引きこもったけど。
きっと今後オレがメンタル不調になるとしたら、味方と思ってた誰かに裏切られた時だろうな……。多分、カレルが離れていくような事があれば、オレは相当ダメージ受ける。ちょっと考えただけでも不安だ。
だから、オレは昼間から胸に引っかかっていた疑問を直接ぶつけてみることにした。
「カレルはさ、旅の間に命願教の秘密を探りたいんだよね? それは、オティアン達の活動とは違うんだ?」
「オティアンとは今日初めて会ったが、オレは前から組織については知っているし、勧誘を受けたこともある。だがオレは断った」
カレルは遠くを見るような目をして、自分の中の考えを整理するようにポツポツと話す。
「北や西が揉めているのは、全て命願教が原因なんだ。オティアン達の一団は、ファタリタと戦うことで自分たちの土地と一族の結束を回復しようとしている。しかし、オレたちの一族の中にも、既に古い信仰を捨てて命願教に入信している者達も沢山いるのさ。大聖堂の奴らは洗脳が上手い。戦いになれば、必ず混ざり者同士がやりあうように仕向けてくるだろう。オレはそれを避けたいんだ。命願教……というより、今のファタリタ大聖堂には必ず何か後ろ暗い点があるはずだ。オレはそれを公にして、間違った信仰に走った一族の者達を取り戻したい」
まるで自分自身に誓うように、静かに燃える炎のような熱の籠もった口調で、カレルは囁いた。
改めて聞かされると、オレのしょーもない願いと比べて、カレルの目的はやたらとシリアスだった。レベルが違いすぎて段々本当に不安になってしまう。
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抱えた膝の上に顎を乗せ、隣の男を上目遣いで見上げると、カレルは太い眉を上げておどけた表情を見せた。
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♥続編「翼の統べる国」毎週金曜20時前後と火曜20時前後に投稿中♥
応援して頂けましたら幸いです!
加筆修正完全版「エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!」はAmazon Kindle(Unlimited対象)でもお読み頂けます!書き下ろし多数ありますので、どうぞよろしく~
上巻 ・ 下巻 ・ 番外編
紙の文庫本上下巻
◆ユーザー登録無しで反応を送れるフォームもあります。選択式なのでお気軽に~。
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◆二次もやってます
◇二次創作(BL)
ピクブラ
◇二次創作(健全・オリジナルBL)
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