14 / 76
2.モブ、旅立ちを決意する
2-2.モブの仲間はイケてるメンズ
しおりを挟む
「アキオ、先に湯を使え」
カレルはそう言い、ドアに背をもたせかけて座り込んだ。確かに、二ヶ月以上牢獄に居たらしいカレルが湯を使ったら、その後は使い物にならないよな。
「じゃあ遠慮なく……」
オレは上半身に着ていたシャツを脱ぎ、ズボンを脱ぎかけて……
やめた。
「どうした?」
「あ~……あのさ、見られるのヤダから目閉じててくれない?」
「は?」
「いや、人にあんまり見られたくないんだよね」
……ちんちん付いてないところ。
ズボンの紐を握ったままモジモジしていると、カレルは呆れたように息を吐き、
「どこの御令嬢だ、お前は。まあいい。オレは下で髪と髭をどうにかできる刃物を探してくる。その間にさっさと湯浴みを済ませるんだな」
と、ドアを開けて出て行った。
カレルの見た目を裏切る軽い足音が遠ざかったのを、耳を澄ませて確かめた後、オレは素早くズボンと下着を脱ぎ捨てて湯に飛び込んだ。
「ああ~~っ。生き返るぅ~」
思わずオッサンくさい声が漏れた。
温かいお湯にはハーブの小枝が浮かんでいて、爽やかな香りがする。
やっぱり風呂に浸かるのは最高だ。もうちょっと湯船が広い方が良いけど、西洋風の世界だからしょうがないか。
湯の中で身体を擦っていると、オレは自分の身体が意外と逞しい事に気がついた。
カレルに比べたらそりゃ細いし色白だけど、全体的にちゃんと筋肉が付いている。
胸板も薄いけどちゃんと隆起した筋肉で被われていて、なんと腹筋がうっすら割れていた。現実世界では、二十年近く生きてきて一度も筋肉なんかついたことないのに!
驚いて身体を擦る手を止めると、湯の表面が静まってボンヤリと自分の顔が映り込む。
……自分の顔、だよな?
両手でペタペタ触ると、水面の影も同じように動く。
髪は暗色で、緩くカーブしながら耳元を被っている。目は、色までは分からないけど結構大きめのアーモンド型。鼻は短めだけど真っ直ぐで、顎は細く、そんなに彫りは深くない。地味だけど、それなりに整った顔だ。どっちかというとカッコイイ系よりカワイイ系か?
本当のオレは、髪も目も真っ黒で、純正日本人的平べったい顔をしていた。体型も、ジャンクフードの食べ過ぎと運動不足で緩みきっていた。
でも、どうやらこのゲームの世界に飛ばされてきたおがげで、何の努力も無しに細マッチョ体型+そこそこイケメンのモブ顔を手に入れられたらしい。
───やったー! ラッキー! この世界の神様サンキュウ!
喜びを抑えきれなくて足をバタつかせると、股の間で揺れるはず物が着いていないことを思い出す。舞い上がった気分は急速に萎えて、オレはガックリと項垂れた。
───いくら平均並みの容姿になっても、肝心な物が無いんだよなあ……
ちんちんさえあれば、危ない冒険になんか出かけず、モブ女の子と仲良くすることだけ考えてれば良いのになあ~……
お湯に顎まで浸かって溜息をつくと、良い香りの湯気が目にしみる。つるペタで毛さえまばらな股間が酷く恨めしかった。
ちょっと情緒不安定になってしまったけど、ゆっくり湯に浸かってほかほかになると全部どうでも良くなった。
どうせオレは一回死んでるんだから、何だってやるしかないのだ。
床を水浸しにしないよう気をつけて湯涌から抜け出し、乾いた布で身体を拭く。
マイアリーノが渡してくれた新しい服は、最初からオレが着ていたのと同じようなウールっぽい素材の茶色い長ズボンと、荒い繊維で織られた生成り色の長袖シャツだった。
シャツもズボンも、肌触りは正直あんまり良くないけど、清潔なのが有り難い。
ちょうど服を着終えたタイミングで、ドアが開く。
戻ってきたカレルの顔を見て、オレは開いた口が塞がらなくなってしまった。
「え……? カレル? その顔……」
───びっくりするくらいカッコイイんですが……?
不潔っぽい長髪をバッサリ切り、髭を剃ったカレルは、めちゃくちゃ男らしい感じの美男だった。
ヒゲでほとんど見えなかった顔は、ノミで荒く削り出したように彫りが深い。眉も鼻も真っ直ぐで太く、口も大きめで男っぽい。パッと見は怖そうだけど、よく見るとちょっと目尻の垂れたクッキリ二重の目と、厚めの唇が人なつっこそうでもある。
味つけ濃いめのラテン顔だけど、輪郭が直線的でシャープだし、パーツの配置が完璧だからクドさはない。
おまけにムキムキマッチョで、服を着るより脱いでる方が美しいですが何か? みたいな身体だしっ!
ズルい。
全体的に見た目がチート。
あのイヤな感じの騎士ルチアーノも大概イケメンだったけど、アイツはゲームのキャラデザの範囲内に収まるキラキライケメンだから分かる。
オレも、フィオレラも、ルチアーノもマイアリーノも、程度の差こそあるものの、まあ大体同じ人が描いた感じのキャラデザだなって納得できるわけ。
でもカレルは一人だけキャラデザ違うじゃん!
日本のノベルゲームに出てくる顔じゃないじゃん!
ハリウッド映画に出てくるラテン系の美形俳優じゃん!!
ちょっと小汚くなっても「セクシー♡」で許される系のヤツ!
ズルい! オレもあっちの系統が良かった!
「ああ、ヒゲか? 整えるのも難しかったから全部剃ったんだが……変か?」
オレが口を開けたままジッと見ていると、カレルはヒゲの無くなった顎を片手で撫でて気恥ずかしそうに笑った。
───カッコイイのに笑うと可愛い! ズルい! 神様は不公平!
「へ……変じゃないけど……。カレル、若かったんだな」
「お前の方が若いだろう」
カレルはそう言って腰に巻いていたボロボロのチュニックを外し、湯の中に入る。
じっと見るのも気が引けたオレは、窓の方へと目を向け、ちょっと気になっていたことを尋ねてみることにした。
「オレって何歳くらいに見える?」
こっちに来る前はもうすぐ二十歳だったんだけど、この身体が何歳かは分からないんだよな。
カレルはちょっと考え込み、
「二十歳前後じゃないか? 大人の男と言うには線が細いし、身体も薄い。しかしオレはファタリタ人とはほとんど関わってこなかったから、よく分からないな。ルチアーノに聞いた方が確かだろう」
と軽く首を振った。
「カレルの国の人達は、ファタリタの人とは違ってるんだ?」
「ああ。オレは一族の中でも大柄な方だが、全体的に身体が大きい者が多いな。ファタリタ人は華奢だと感じることが多い」
「へ~、そんな設定があったのか。やたら凝ってるんだな……」
オレは正ヒロインルートで一回クリアしただけだけど、二周目以降にデカいヒロインが出てきたのかも。そっちも攻略してみたかった……。
「設定?」
怪訝そうに聞き返され、ゲームの設定に思いを馳せていたオレは慌てて両手を振った。
「や! なんでもない! あ~オレ温まって喉が渇いちゃったから、下へ行ってなんか飲み物もらって来よっかな!」
「あ、おい待て! アキオ……!」
カレルが止めるのを無視して、オレは部屋から飛び出した。
【2023/02/26 一部改稿】
カレルはそう言い、ドアに背をもたせかけて座り込んだ。確かに、二ヶ月以上牢獄に居たらしいカレルが湯を使ったら、その後は使い物にならないよな。
「じゃあ遠慮なく……」
オレは上半身に着ていたシャツを脱ぎ、ズボンを脱ぎかけて……
やめた。
「どうした?」
「あ~……あのさ、見られるのヤダから目閉じててくれない?」
「は?」
「いや、人にあんまり見られたくないんだよね」
……ちんちん付いてないところ。
ズボンの紐を握ったままモジモジしていると、カレルは呆れたように息を吐き、
「どこの御令嬢だ、お前は。まあいい。オレは下で髪と髭をどうにかできる刃物を探してくる。その間にさっさと湯浴みを済ませるんだな」
と、ドアを開けて出て行った。
カレルの見た目を裏切る軽い足音が遠ざかったのを、耳を澄ませて確かめた後、オレは素早くズボンと下着を脱ぎ捨てて湯に飛び込んだ。
「ああ~~っ。生き返るぅ~」
思わずオッサンくさい声が漏れた。
温かいお湯にはハーブの小枝が浮かんでいて、爽やかな香りがする。
やっぱり風呂に浸かるのは最高だ。もうちょっと湯船が広い方が良いけど、西洋風の世界だからしょうがないか。
湯の中で身体を擦っていると、オレは自分の身体が意外と逞しい事に気がついた。
カレルに比べたらそりゃ細いし色白だけど、全体的にちゃんと筋肉が付いている。
胸板も薄いけどちゃんと隆起した筋肉で被われていて、なんと腹筋がうっすら割れていた。現実世界では、二十年近く生きてきて一度も筋肉なんかついたことないのに!
驚いて身体を擦る手を止めると、湯の表面が静まってボンヤリと自分の顔が映り込む。
……自分の顔、だよな?
両手でペタペタ触ると、水面の影も同じように動く。
髪は暗色で、緩くカーブしながら耳元を被っている。目は、色までは分からないけど結構大きめのアーモンド型。鼻は短めだけど真っ直ぐで、顎は細く、そんなに彫りは深くない。地味だけど、それなりに整った顔だ。どっちかというとカッコイイ系よりカワイイ系か?
本当のオレは、髪も目も真っ黒で、純正日本人的平べったい顔をしていた。体型も、ジャンクフードの食べ過ぎと運動不足で緩みきっていた。
でも、どうやらこのゲームの世界に飛ばされてきたおがげで、何の努力も無しに細マッチョ体型+そこそこイケメンのモブ顔を手に入れられたらしい。
───やったー! ラッキー! この世界の神様サンキュウ!
喜びを抑えきれなくて足をバタつかせると、股の間で揺れるはず物が着いていないことを思い出す。舞い上がった気分は急速に萎えて、オレはガックリと項垂れた。
───いくら平均並みの容姿になっても、肝心な物が無いんだよなあ……
ちんちんさえあれば、危ない冒険になんか出かけず、モブ女の子と仲良くすることだけ考えてれば良いのになあ~……
お湯に顎まで浸かって溜息をつくと、良い香りの湯気が目にしみる。つるペタで毛さえまばらな股間が酷く恨めしかった。
ちょっと情緒不安定になってしまったけど、ゆっくり湯に浸かってほかほかになると全部どうでも良くなった。
どうせオレは一回死んでるんだから、何だってやるしかないのだ。
床を水浸しにしないよう気をつけて湯涌から抜け出し、乾いた布で身体を拭く。
マイアリーノが渡してくれた新しい服は、最初からオレが着ていたのと同じようなウールっぽい素材の茶色い長ズボンと、荒い繊維で織られた生成り色の長袖シャツだった。
シャツもズボンも、肌触りは正直あんまり良くないけど、清潔なのが有り難い。
ちょうど服を着終えたタイミングで、ドアが開く。
戻ってきたカレルの顔を見て、オレは開いた口が塞がらなくなってしまった。
「え……? カレル? その顔……」
───びっくりするくらいカッコイイんですが……?
不潔っぽい長髪をバッサリ切り、髭を剃ったカレルは、めちゃくちゃ男らしい感じの美男だった。
ヒゲでほとんど見えなかった顔は、ノミで荒く削り出したように彫りが深い。眉も鼻も真っ直ぐで太く、口も大きめで男っぽい。パッと見は怖そうだけど、よく見るとちょっと目尻の垂れたクッキリ二重の目と、厚めの唇が人なつっこそうでもある。
味つけ濃いめのラテン顔だけど、輪郭が直線的でシャープだし、パーツの配置が完璧だからクドさはない。
おまけにムキムキマッチョで、服を着るより脱いでる方が美しいですが何か? みたいな身体だしっ!
ズルい。
全体的に見た目がチート。
あのイヤな感じの騎士ルチアーノも大概イケメンだったけど、アイツはゲームのキャラデザの範囲内に収まるキラキライケメンだから分かる。
オレも、フィオレラも、ルチアーノもマイアリーノも、程度の差こそあるものの、まあ大体同じ人が描いた感じのキャラデザだなって納得できるわけ。
でもカレルは一人だけキャラデザ違うじゃん!
日本のノベルゲームに出てくる顔じゃないじゃん!
ハリウッド映画に出てくるラテン系の美形俳優じゃん!!
ちょっと小汚くなっても「セクシー♡」で許される系のヤツ!
ズルい! オレもあっちの系統が良かった!
「ああ、ヒゲか? 整えるのも難しかったから全部剃ったんだが……変か?」
オレが口を開けたままジッと見ていると、カレルはヒゲの無くなった顎を片手で撫でて気恥ずかしそうに笑った。
───カッコイイのに笑うと可愛い! ズルい! 神様は不公平!
「へ……変じゃないけど……。カレル、若かったんだな」
「お前の方が若いだろう」
カレルはそう言って腰に巻いていたボロボロのチュニックを外し、湯の中に入る。
じっと見るのも気が引けたオレは、窓の方へと目を向け、ちょっと気になっていたことを尋ねてみることにした。
「オレって何歳くらいに見える?」
こっちに来る前はもうすぐ二十歳だったんだけど、この身体が何歳かは分からないんだよな。
カレルはちょっと考え込み、
「二十歳前後じゃないか? 大人の男と言うには線が細いし、身体も薄い。しかしオレはファタリタ人とはほとんど関わってこなかったから、よく分からないな。ルチアーノに聞いた方が確かだろう」
と軽く首を振った。
「カレルの国の人達は、ファタリタの人とは違ってるんだ?」
「ああ。オレは一族の中でも大柄な方だが、全体的に身体が大きい者が多いな。ファタリタ人は華奢だと感じることが多い」
「へ~、そんな設定があったのか。やたら凝ってるんだな……」
オレは正ヒロインルートで一回クリアしただけだけど、二周目以降にデカいヒロインが出てきたのかも。そっちも攻略してみたかった……。
「設定?」
怪訝そうに聞き返され、ゲームの設定に思いを馳せていたオレは慌てて両手を振った。
「や! なんでもない! あ~オレ温まって喉が渇いちゃったから、下へ行ってなんか飲み物もらって来よっかな!」
「あ、おい待て! アキオ……!」
カレルが止めるのを無視して、オレは部屋から飛び出した。
【2023/02/26 一部改稿】
80
お気に入りに追加
522
あなたにおすすめの小説
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
いじめっこ令息に転生したけど、いじめなかったのに義弟が酷い。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
オレはデニス=アッカー伯爵令息(18才)。成績が悪くて跡継ぎから外された一人息子だ。跡継ぎに養子に来た義弟アルフ(15才)を、グレていじめる令息…の予定だったが、ここが物語の中で、義弟いじめの途中に事故で亡くなる事を思いだした。死にたくないので、優しい兄を目指してるのに、義弟はなかなか義兄上大好き!と言ってくれません。反抗期?思春期かな?
そして今日も何故かオレの服が脱げそうです?
そんなある日、義弟の親友と出会って…。
攻略対象者やメインキャラクター達がモブの僕に構うせいでゲーム主人公(ユーザー)達から目の敵にされています。
慎
BL
───…ログインしました。
無機質な音声と共に目を開けると、未知なる世界… 否、何度も見たことがある乙女ゲームの世界にいた。
そもそも何故こうなったのか…。経緯は人工頭脳とそのテクノロジー技術を使った仮想現実アトラクション体感型MMORPGのV Rゲームを開発し、ユーザーに提供していたのだけど、ある日バグが起きる───。それも、ウィルスに侵されバグが起きた人工頭脳により、ゲームのユーザーが現実世界に戻れなくなった。否、人質となってしまい、会社の命運と彼らの解放を掛けてゲームを作りストーリーと設定、筋書きを熟知している僕が中からバグを見つけ対応することになったけど…
ゲームさながら主人公を楽しんでもらってるユーザーたちに変に見つかって騒がれるのも面倒だからと、ゲーム案内人を使って、モブの配役に着いたはずが・・・
『これはなかなか… 面白い方ですね。正直、悪魔が勇者とか神子とか聖女とかを狙うだなんてベタすぎてつまらないと思っていましたが、案外、貴方のほうが楽しめそうですね』
「は…!?いや、待って待って!!僕、モブだからッッそれ、主人公とかヒロインの役目!!」
本来、主人公や聖女、ヒロインを襲撃するはずの上級悪魔が… なぜに、モブの僕に構う!?そこは絡まないでくださいっっ!!
『……また、お一人なんですか?』
なぜ、人間族を毛嫌いしているエルフ族の先代魔王様と会うんですかね…!?
『ハァ、子供が… 無茶をしないでください』
なぜ、隠しキャラのあなたが目の前にいるんですか!!!っていうか、こう見えて既に成人してるんですがッ!
「…ちょっと待って!!なんか、おかしい!主人公たちはあっっち!!!僕、モブなんで…!!」
ただでさえ、コミュ症で人と関わりたくないのに、バグを見つけてサクッと直す否、倒したら終わりだと思ってたのに… 自分でも気づかないうちにメインキャラクターたちに囲われ、ユーザー否、主人公たちからは睨まれ…
「僕、モブなんだけど」
ん゙ん゙ッ!?……あれ?もしかして、バレてる!?待って待って!!!ちょっ、と…待ってッ!?僕、モブ!!主人公あっち!!!
───だけど、これはまだ… ほんの序の口に過ぎなかった。
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
マリオネットが、糸を断つ時。
せんぷう
BL
異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。
オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。
第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。
そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。
『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』
金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。
『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!
許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』
そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。
王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。
『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』
『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』
『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』
しかし、オレは彼に拾われた。
どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。
気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!
しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?
スラム出身、第十一王子の守護魔導師。
これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。
※BL作品
恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。
.
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
すべてはあなたを守るため
高菜あやめ
BL
【天然超絶美形な王太子×妾のフリした護衛】 Y国の次期国王セレスタン王太子殿下の妾になるため、はるばるX国からやってきたロキ。だが妾とは表向きの姿で、その正体はY国政府の依頼で派遣された『雇われ』護衛だ。戴冠式を一か月後に控え、殿下をあらゆる刺客から守りぬかなくてはならない。しかしこの任務、殿下に素性を知られないことが条件で、そのため武器も取り上げられ、丸腰で護衛をするとか無茶な注文をされる。ロキははたして殿下を守りぬけるのか……愛情深い王太子殿下とポンコツ護衛のほのぼの切ないラブコメディです
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる