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狼は瞳をひらく4
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聞いたことのある旋律に身体が震える。
言葉にはなっていなかった。
ただの音の羅列。
だが、その歌を俺は知っていた。
あの日、惹きつけられる様に、その歌に向かって俺は跳んだ。
あのひとのいる、病室の窓へと。
────カナリアに恋をした雲雀の歌
呪縛が緩くなって、俺は頭を上げた。
パトリック先輩に抱かれた愛しい人の身体は動いていない。
だが、その口は悲しい恋の歌の音色を物憂げに口ずさんでいた。
たとえ器が壊れて狂っていても。
メリーは俺を呼んでいる。
必要としている。
俺を助け……。
渡すまいとしている。
身体の奥底から咆哮が漏れた。
横に振り出した手刀でアーシュの手首を切断した。返す固めた拳で胸に気をまとった突きを入れて空中に飛び上がった。
アーシュの身体が跳ねている。ごふっと口からわいた血は闇のように黒かった。
やはり……俺の眷属ではない。あれは闇だ。
空中からの決定的な一撃。
鳴る指に立ち上がる防御の壁がまたそれを止める。
空中で俺の気と防御の力がせめぎあって光を放つ。
「ローが僕を殺せば、オオカミは闇国の敵となる。故郷を滅ぼしてもいいの?」
養い親であるシンオウの顔。今は少なくなってしまった仲間たちの顔。
孤独ではあった。
だがそれは俺が自分の本性を恐れるが故の孤独であって、仲間たちは皆、荒々しく優しかった。
陽気に笑って、食べて、飲んで、愛し合い、ケンカをする。
力の少なくなったアーシュの防御にヒビが入って行く。
だが、俺の攻撃にも迷いが生じた。
防御を破壊した衝撃に身体が浮く。
防御の壁の向こうに紫色の光が浮かぶ──
ひゅんと振られた剣の剣圧に髪の毛が逆立った。
目の前に赤。
そしてアーシュから噴出す黒。
俺を見あげて緑色の目が愉悦の色を浮かべて微笑む。
黒の返り血を浴びた真っ赤な薔薇の剣がアーシュの首元に刺さっていた。
「狡猾な狐。その戦はこのルーカスが買おう。人の地を喰らい尽くし、ヒトの国の真の王となった私が……
これより先、ヒトの国はお前たちに敵対する。お前たちが祖国以外の地に出でることはないだろう。出でるものはすべて殲滅する。
北の境界を越えるものは地に伏し、息耐えると約束する」
王が致命的な一撃をその首に振るう。
「まあ……聞いている者などいないのだろうが」
王が剣を振って血を地面に散らしてから地面に投げ捨てた。
「奴らは臭いな……反吐が出そうだ」
真っ赤な髪を両手で後ろに払うと、王は黒い血でまみれた顔を服のそでで無造作にぬぐった。白い肌に黒、それが糸を引く。
「……これで借りはひとつ返したぞ。返せぬほどに大きい借りの一つにしかすぎんが」
顔に黒い筋を残したまま、優雅に上がった顔が闘技場を見回した。
首の落ちたワイバーンの焼け焦げる匂いと崩れ落ちたグールの残した黒い染み。そして、屠られたアーシュの骸。闘技場の中は静まり返っていた。
「闘技場を制圧いたしました」
黒騎士のガレスが王の元に膝をつく。
「大儀であった」
王の言葉に黒騎士達が声を上げる。
「ルーカス王、万歳!」
声は観客に伝わり、人々からも歓喜の声があがった。歓声に向かって王の手がゆっくりと振られる。
「ガレス」
「ここに」
歓声に応えながら、王の冷静な指示が飛ぶ。
「戦える兵を闘技場の周りに回せ。
市街を回り残党を炙り出して殲滅するのだ。地下のある家には特に配慮せよ。地中から沸いたグールが入り込んでいる可能性がある。念のために回復薬を各家に配れ。
明日になったら聖水をこの地全体に撒き、結界を新しく張りなおすのだ」
響き渡る王の声を聞きながらアーシュに目を落とした。
無残に息耐えた姿。
これは、幼馴染のアーシュだったのか……
それともアーシュの姿を模した何かだったのか。
もしかしたら、オオカミの巣に帰れば本当のアーシュがいるのだろうか。
そうであって欲しいと思った。
だがもう答えはない。
融合していた俺の中の獣が出ていくと、強化されていた身体が元に戻って行く。と同時にとてつもなく疲れていることに気が付いた。
じりっと闘技場の土を踏む音がして、パトリック先輩が隣に立っていると気がついた。
力が抜けているとは判っていたが、手を伸ばさずには居られなかった。そこにいる愛しい人に触れずにはいられない。
パトリック先輩がゆっくりとオレにメリーを手渡した。
微かな咲いたばかりの薔薇の香り。メリーは羽根のように軽かった。
「メリー……」
熱いものが頬を流れ落ちる。汗と埃に汚れた涙が白い頬を流れた。
メリーの頬を拭おうとして、自分の手が汚れていることに気がついた。
それがどうにも悲しくて、また頬を涙が流れる。
ぴくりとメリーのまぶたが動く。艶やかな唇が震えた気がした。
どうしようもない嗚咽が口から漏れる。
その瞬間に、ぱちりと水色の目が開いた。
ぼんやりとした水色の目が俺を見る。涙を振り切ろうと何度も何度も瞬きをした。希望を抱いた心がメリーの目が愛に輝くのを見たいと叫ぶ。
アーシュが言ったのは嘘で、メリーの器は壊れていないのだと。
そしてメリーが微笑んだ。
赤ん坊のように。
「あ~」
勝気でも恥らうでもない目が俺に微笑みかけた。
ぽたぽたと落ちてくる涙にきゃっきゃと笑って、それから俺の尻で揺れる尻尾を見てそれをつかもうと身体をよじる。
沸きあがったのは絶望ではなかった。
そこにあるのはただ愛しさだ。
どんなメリーも愛している。
その言葉は嘘ではなかった。
俺はこのあどけない表情を浮かべるメリーを、もう既に愛している。
「危ないですよ?メリー」
涙声で囁きながら、腕の中で動く身体を回してやる。
触りやすいように尻尾を動かしてやると、尻尾をつかんで上機嫌で頬に当てて幼い声で笑う。
「モリオウ殿」
妖精王とメリーの兄たちが悲嘆にくれた顔で側に立つ。
「メリドウェンをどうかこちらにお渡し下され……」
ざっくりと斬りつけられたように心が痛む。
「俺は……認めては貰えないのでしょうか?」
激しく妖精王が頭を振った。
「貴公ほどメリドウェンを愛し、相応しき者はこの世には居らぬ。
もし、メリドウェンが健在であれば、私はそなたらを祝福し、喜んでモリオウ殿の義父となったであろう」
妖精の王が涙を流す。
「だがしかし、メリドウェンの器は壊れ、器の壊れた魔法使いの運命は残酷だ──それを貴公に背負わせるわけには……」
「それでもメリーは俺のものです!」
俺の叫びにメリーがびくんと飛び跳ねた。
頬ずりしていた尻尾を離してぎゅうと俺の首に手を回してしがみついた。
泣き声が聞こえて、メリーの目から涙が零れる。
メリーの頭を撫でて背中を優しく叩いた。見上げた顔が涙を流しながらにこりと笑う。笑い返そうとしてうまく笑えぬ俺の頬を、ぺちぺちとメリーが叩いた。
なんて可愛いんだろう。
そして、この人を失うのだと思うだけで指先が震えた。
「お願いです。俺からメリーを……奪わないで下さい」
顔を手で隠した妖精王が静かに言う。その下は涙で濡れているに違いない。
「エルフは古い歴史のある種族だ。もしかしたらメリーの器を癒す方法があるやもしれぬ。これから先、徐々に弱っていくであろうメリドウェンを看護するには祖国である我が国が一番相応しい。
快復の暁には貴公の元へメリドウェンを還すと約束しよう。どうかメリドウェンを我が元に預けて戴きたい」
妖精王が頭を下げる。兄であるエルフ達も同様に頭を垂れた。
妖精王の言うことはもっともだ。
だが、ここでの別れは永遠のものになるだろうと俺の中の何かが叫ぶ。
俺には耐えられない……耐えられるものか。
賢いメリーならばなんと言うのか。
息を吸って、こわばる口の間から必死で言葉を押し出す。
「では……俺も連れて行ってください」
恐れに震える声で必死に言葉を繋いだ。
「メリーに言われたことがある。
もし、どうしても祖国に帰らねばならない時には、伴侶である俺に同行して欲しいと。俺とメリーは番です。真に愛し合う番を引き離せば、お互いは生きていることが出来ない」
「闇の台頭が明らかになった今、貴公は求められる人物だ」
「ならばメリーは渡しません」
何故、俺とメリーを引き離そうとするのだ。
何故、解ってくれないのか。
怒りが髪の毛を逆撫でる。剥き出した歯がカチカチとなった。
唸る喉の奥から言葉を吐き出す。
「俺の望みはメリーと共にあることだ。その為ならば何とでも戦う。闇であろうと人の国であろうと。メリーの肉親である貴方達でもだ。
何故、貴方たちは俺たちを引き離そうとするのですか?
メリーは俺を望み、俺はそれに答えて俺たちは番になった。
オオカミは伴侶を守る。四肢が千切れようと、首を落とされても。そういう男を選び愛したのは……あなたの息子だ」
きょろきょろとメリーが俺と父を見る。
幼い子供のように無視されてることに飽きたのか、俺の肩によじ登り俺の尻尾に触ろうと手を伸ばした。
言葉にはなっていなかった。
ただの音の羅列。
だが、その歌を俺は知っていた。
あの日、惹きつけられる様に、その歌に向かって俺は跳んだ。
あのひとのいる、病室の窓へと。
────カナリアに恋をした雲雀の歌
呪縛が緩くなって、俺は頭を上げた。
パトリック先輩に抱かれた愛しい人の身体は動いていない。
だが、その口は悲しい恋の歌の音色を物憂げに口ずさんでいた。
たとえ器が壊れて狂っていても。
メリーは俺を呼んでいる。
必要としている。
俺を助け……。
渡すまいとしている。
身体の奥底から咆哮が漏れた。
横に振り出した手刀でアーシュの手首を切断した。返す固めた拳で胸に気をまとった突きを入れて空中に飛び上がった。
アーシュの身体が跳ねている。ごふっと口からわいた血は闇のように黒かった。
やはり……俺の眷属ではない。あれは闇だ。
空中からの決定的な一撃。
鳴る指に立ち上がる防御の壁がまたそれを止める。
空中で俺の気と防御の力がせめぎあって光を放つ。
「ローが僕を殺せば、オオカミは闇国の敵となる。故郷を滅ぼしてもいいの?」
養い親であるシンオウの顔。今は少なくなってしまった仲間たちの顔。
孤独ではあった。
だがそれは俺が自分の本性を恐れるが故の孤独であって、仲間たちは皆、荒々しく優しかった。
陽気に笑って、食べて、飲んで、愛し合い、ケンカをする。
力の少なくなったアーシュの防御にヒビが入って行く。
だが、俺の攻撃にも迷いが生じた。
防御を破壊した衝撃に身体が浮く。
防御の壁の向こうに紫色の光が浮かぶ──
ひゅんと振られた剣の剣圧に髪の毛が逆立った。
目の前に赤。
そしてアーシュから噴出す黒。
俺を見あげて緑色の目が愉悦の色を浮かべて微笑む。
黒の返り血を浴びた真っ赤な薔薇の剣がアーシュの首元に刺さっていた。
「狡猾な狐。その戦はこのルーカスが買おう。人の地を喰らい尽くし、ヒトの国の真の王となった私が……
これより先、ヒトの国はお前たちに敵対する。お前たちが祖国以外の地に出でることはないだろう。出でるものはすべて殲滅する。
北の境界を越えるものは地に伏し、息耐えると約束する」
王が致命的な一撃をその首に振るう。
「まあ……聞いている者などいないのだろうが」
王が剣を振って血を地面に散らしてから地面に投げ捨てた。
「奴らは臭いな……反吐が出そうだ」
真っ赤な髪を両手で後ろに払うと、王は黒い血でまみれた顔を服のそでで無造作にぬぐった。白い肌に黒、それが糸を引く。
「……これで借りはひとつ返したぞ。返せぬほどに大きい借りの一つにしかすぎんが」
顔に黒い筋を残したまま、優雅に上がった顔が闘技場を見回した。
首の落ちたワイバーンの焼け焦げる匂いと崩れ落ちたグールの残した黒い染み。そして、屠られたアーシュの骸。闘技場の中は静まり返っていた。
「闘技場を制圧いたしました」
黒騎士のガレスが王の元に膝をつく。
「大儀であった」
王の言葉に黒騎士達が声を上げる。
「ルーカス王、万歳!」
声は観客に伝わり、人々からも歓喜の声があがった。歓声に向かって王の手がゆっくりと振られる。
「ガレス」
「ここに」
歓声に応えながら、王の冷静な指示が飛ぶ。
「戦える兵を闘技場の周りに回せ。
市街を回り残党を炙り出して殲滅するのだ。地下のある家には特に配慮せよ。地中から沸いたグールが入り込んでいる可能性がある。念のために回復薬を各家に配れ。
明日になったら聖水をこの地全体に撒き、結界を新しく張りなおすのだ」
響き渡る王の声を聞きながらアーシュに目を落とした。
無残に息耐えた姿。
これは、幼馴染のアーシュだったのか……
それともアーシュの姿を模した何かだったのか。
もしかしたら、オオカミの巣に帰れば本当のアーシュがいるのだろうか。
そうであって欲しいと思った。
だがもう答えはない。
融合していた俺の中の獣が出ていくと、強化されていた身体が元に戻って行く。と同時にとてつもなく疲れていることに気が付いた。
じりっと闘技場の土を踏む音がして、パトリック先輩が隣に立っていると気がついた。
力が抜けているとは判っていたが、手を伸ばさずには居られなかった。そこにいる愛しい人に触れずにはいられない。
パトリック先輩がゆっくりとオレにメリーを手渡した。
微かな咲いたばかりの薔薇の香り。メリーは羽根のように軽かった。
「メリー……」
熱いものが頬を流れ落ちる。汗と埃に汚れた涙が白い頬を流れた。
メリーの頬を拭おうとして、自分の手が汚れていることに気がついた。
それがどうにも悲しくて、また頬を涙が流れる。
ぴくりとメリーのまぶたが動く。艶やかな唇が震えた気がした。
どうしようもない嗚咽が口から漏れる。
その瞬間に、ぱちりと水色の目が開いた。
ぼんやりとした水色の目が俺を見る。涙を振り切ろうと何度も何度も瞬きをした。希望を抱いた心がメリーの目が愛に輝くのを見たいと叫ぶ。
アーシュが言ったのは嘘で、メリーの器は壊れていないのだと。
そしてメリーが微笑んだ。
赤ん坊のように。
「あ~」
勝気でも恥らうでもない目が俺に微笑みかけた。
ぽたぽたと落ちてくる涙にきゃっきゃと笑って、それから俺の尻で揺れる尻尾を見てそれをつかもうと身体をよじる。
沸きあがったのは絶望ではなかった。
そこにあるのはただ愛しさだ。
どんなメリーも愛している。
その言葉は嘘ではなかった。
俺はこのあどけない表情を浮かべるメリーを、もう既に愛している。
「危ないですよ?メリー」
涙声で囁きながら、腕の中で動く身体を回してやる。
触りやすいように尻尾を動かしてやると、尻尾をつかんで上機嫌で頬に当てて幼い声で笑う。
「モリオウ殿」
妖精王とメリーの兄たちが悲嘆にくれた顔で側に立つ。
「メリドウェンをどうかこちらにお渡し下され……」
ざっくりと斬りつけられたように心が痛む。
「俺は……認めては貰えないのでしょうか?」
激しく妖精王が頭を振った。
「貴公ほどメリドウェンを愛し、相応しき者はこの世には居らぬ。
もし、メリドウェンが健在であれば、私はそなたらを祝福し、喜んでモリオウ殿の義父となったであろう」
妖精の王が涙を流す。
「だがしかし、メリドウェンの器は壊れ、器の壊れた魔法使いの運命は残酷だ──それを貴公に背負わせるわけには……」
「それでもメリーは俺のものです!」
俺の叫びにメリーがびくんと飛び跳ねた。
頬ずりしていた尻尾を離してぎゅうと俺の首に手を回してしがみついた。
泣き声が聞こえて、メリーの目から涙が零れる。
メリーの頭を撫でて背中を優しく叩いた。見上げた顔が涙を流しながらにこりと笑う。笑い返そうとしてうまく笑えぬ俺の頬を、ぺちぺちとメリーが叩いた。
なんて可愛いんだろう。
そして、この人を失うのだと思うだけで指先が震えた。
「お願いです。俺からメリーを……奪わないで下さい」
顔を手で隠した妖精王が静かに言う。その下は涙で濡れているに違いない。
「エルフは古い歴史のある種族だ。もしかしたらメリーの器を癒す方法があるやもしれぬ。これから先、徐々に弱っていくであろうメリドウェンを看護するには祖国である我が国が一番相応しい。
快復の暁には貴公の元へメリドウェンを還すと約束しよう。どうかメリドウェンを我が元に預けて戴きたい」
妖精王が頭を下げる。兄であるエルフ達も同様に頭を垂れた。
妖精王の言うことはもっともだ。
だが、ここでの別れは永遠のものになるだろうと俺の中の何かが叫ぶ。
俺には耐えられない……耐えられるものか。
賢いメリーならばなんと言うのか。
息を吸って、こわばる口の間から必死で言葉を押し出す。
「では……俺も連れて行ってください」
恐れに震える声で必死に言葉を繋いだ。
「メリーに言われたことがある。
もし、どうしても祖国に帰らねばならない時には、伴侶である俺に同行して欲しいと。俺とメリーは番です。真に愛し合う番を引き離せば、お互いは生きていることが出来ない」
「闇の台頭が明らかになった今、貴公は求められる人物だ」
「ならばメリーは渡しません」
何故、俺とメリーを引き離そうとするのだ。
何故、解ってくれないのか。
怒りが髪の毛を逆撫でる。剥き出した歯がカチカチとなった。
唸る喉の奥から言葉を吐き出す。
「俺の望みはメリーと共にあることだ。その為ならば何とでも戦う。闇であろうと人の国であろうと。メリーの肉親である貴方達でもだ。
何故、貴方たちは俺たちを引き離そうとするのですか?
メリーは俺を望み、俺はそれに答えて俺たちは番になった。
オオカミは伴侶を守る。四肢が千切れようと、首を落とされても。そういう男を選び愛したのは……あなたの息子だ」
きょろきょろとメリーが俺と父を見る。
幼い子供のように無視されてることに飽きたのか、俺の肩によじ登り俺の尻尾に触ろうと手を伸ばした。
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