25 / 37
〈25〉醜い感情
しおりを挟む
♢♢♢
紫珱の選定者だった莉乃が自害していたという話。
そして亡霊騒動の裏には妖魔と莉乃の弟が関わっている。
語られる真実に美琴は驚いたが、やっと出逢えた選定者を一瞬で失ってしまった紫珱の悲しみに胸が苦しくなった。
「亡霊を捕らえるのですか?」
「ああ、俺はそうしたいと思っている」
それから……その後は。どうするのだろう。
夢の中で聞いた声を思い出してしまう。
亡霊になってしまった妻を蘇らせたい……?
あれは悪い夢。忘れなくては。
「どうした美琴、顔色が悪い。恐ろしい話をしてしまったな、すまない」
「……いいえ、平気です」
「俺は莉乃を妖影の呪縛から解放してやりたいんだ」
「莉乃」とその名を呼ぶ紫珱の声に、チクリと胸が痛む。
そんな反応をしてしまう自分が、なんだか嫌だった。
「美琴、おまえに聞いておきたいことがあるんだ」
張り詰めた空気が漂う中、紫珱が尋ねた。
「俺が黎彩へ戻っている間、誰かと会っていたか?」
「なぜそのようなことを聞くのですか?」
紫珱の瞳が揺らいだ。そしてその視線はそらされ、話が続いた。
亡霊が握っていた髪の毛の話を聞かされ、美琴は言葉を失くすほど驚いた。
「わたしの……本当に?」
「俺の話を疑っているのか」
「いえ、そういうんじゃ……」
(わたしが会っていたのは……。でも、そんなまさか───)
「心当たりがあるんだな」
鋭い光が紫珱の目に宿っていた。
……どうしたんだろう。紫珱さま、怖い顔してる。
「誰なんだそれは。誰と会っていた?」
「わ、たし……」
紫珱から伝わる怒りの感情に美琴の声は震えた。
「紫珱さま」
落ち着こうと小さく息を吐いて美琴は続けた。
「わたしには紫珱さまと出逢う以前に蜜華亭の女将さんの紹介で縁談があり、お見合いをしていました」
美琴は縁談相手だった鷹也のことを話し始めた。
「───あの日、紫珱さまがわたしの前に現れて言霊を交わした日は、鷹也さんと初めて二人きりで会う約束をしていた日でした。でも霊獣の選定者となり体調も悪くなってしまって会うことは出きず、縁談もお断りしました。ですからもう会うことはないと思っていました。でも……あれは紫珱さまが黎彩からお戻りになる前日のことです」
引き受けていた仕立て物の品を届けに行き、帰りに寄った街の小間物屋で偶然、鷹也と再会したことまでを美琴は話した。
「鷹也さん以外に誰かと会ったことはありませんし。その日は二階の茶房で少し話をしただけです」
「どんな話をしたんだ」
内容まで聞かれるとは思わず、美琴は言葉に詰まった。
「紫珱さまは鷹也さんを疑ってるのですか? でも彼は莉乃さんとは何の関係もないと思います。弟さんとは名前も違いますし」
「奴は名を偽りこの沙英の街に潜伏している」
「でも……そんな決めつけなくても」
「可能性が高いと言ってるんだ」
「鷹也さんがそんな……。彼はとても優しい人で……」
人違いだ。紫珱は誤解している。そしてなぜそんなに怒っているのだろう。
「好いていたのか、そいつのこと」
「え……」
♢♢♢
こんなこと聞くつもりではなかった。聞かなければよかった。
なのに美琴がその名を、自分の知らない男の名を口にするのが嫌だった。
庇うような態度にも我慢ができない。
この感情はなんだ?
いくつもの想いが心をかき乱す。
怒りと焦り、不安と苛立ちが混ざり合って制御が難しい。そのうえ後悔もしている。
美琴を怖がらせたくないのに。
好いていたかと尋ねた後、すぐに違うと言ってほしかった。けれど美琴はしばらく黙っていた。
怒ったような顔にも見えるが眼差しはどこか悲し気にも思えた。
♢♢♢
「嫌いではありませんでした。でもだからといって特別な感情があったわけでもありません」
───ほんとうになかったと言える?
心が問いかけた。
二人で会うことを楽しみにしていたのは本当だ。
わたしは鷹也さんを好きになりかけていたかもしれない。
あのまま紫珱さまと出逢うことがなければ。
でもわたしは紫珱さまと出逢ってしまった。選定者として。
それに今はもう……。
「本当か?」
紫珱さまのことがとても好き。───それなのに。
疑われているの?
「本当です」
疑われたくない。嫌われたくない。怒らないでほしいのに。
莉乃さんのことで必死なのは仕方のないことだけど。
鼻の奥がツンとなって泣きそうになる自分を紫珱に気付かれたくなかった。
選定者は自分だけだと思っていた。霊獣が選んだ者はたった一人で。自分だけだと。
一番でなかったことが、なんだか悲しいなんて。
わたしは莉乃さんに嫉妬している。そういう気持ちがある。
醜い感情だ。
こんな想いを紫珱さまに伝えるわけにはいかない。
言霊が穢れてしまうのではないかと美琴は思った。
「そうだ。あの、これを」
美琴は懐に仕舞った手鏡を取り出した。
「祝いの品をいただきました。鷹也さんとはそれきりで……」
「───美琴っ、今すぐそれを放せ!」
(え⁉)
紫珱は叫ぶと同時に手を伸ばし美琴の手元から鏡を払い落とした。
じんわりとした痛みが美琴の指先に残る。
美琴は動揺した。なぜ紫珱がこんなことをするのか。
向けられた双眸に恐ろしくなり、目を逸らして落ちた鏡を見ると、なぜか鏡は畳の上でくるくると回転している。
とても不自然な動きだった。
「離れろ美琴!」
紫珱は美琴へ腕を伸ばした。
美琴は鏡に手を伸ばしていた。
「それに触るなッ!」
紫珱の手が美琴に触れるよりそれは速かった。抱き寄せるために伸ばした腕は美琴に触れる直前で何かに阻まれた。
鏡が影を放ち風を巻き起こした。
影は形を変え、細かな紙吹雪のようになって紫珱の視界を遮る。
「ラセツ!」
紫珱は使役する精霊を呼んだ。
ラセツはすぐに現れたが、勢いを増していく風と広がりを見せる影が美琴の姿を覆い隠そうとしていた。
そして黒い吹雪は刃となって紫珱を攻撃し傷つけた。
「紫珱様っ」
ラセツが叫んだ。
「俺のことより美琴を!」
追わなければと必死にもがく。
あちこちに傷を負い血が滴っているのがわかる。
体勢の崩れた紫珱を支えながらラセツは言った。
「美琴さまの姿が……。これ以上、追うことはできません」
閉ざされた闇の向こうに美琴は消えた。
それまで吹いていた風が嘘のように止み、後に残ったものはひらひらと舞い落ちる細かな灰色が、まるで雪のように溶けていくだけだった。
紫珱の選定者だった莉乃が自害していたという話。
そして亡霊騒動の裏には妖魔と莉乃の弟が関わっている。
語られる真実に美琴は驚いたが、やっと出逢えた選定者を一瞬で失ってしまった紫珱の悲しみに胸が苦しくなった。
「亡霊を捕らえるのですか?」
「ああ、俺はそうしたいと思っている」
それから……その後は。どうするのだろう。
夢の中で聞いた声を思い出してしまう。
亡霊になってしまった妻を蘇らせたい……?
あれは悪い夢。忘れなくては。
「どうした美琴、顔色が悪い。恐ろしい話をしてしまったな、すまない」
「……いいえ、平気です」
「俺は莉乃を妖影の呪縛から解放してやりたいんだ」
「莉乃」とその名を呼ぶ紫珱の声に、チクリと胸が痛む。
そんな反応をしてしまう自分が、なんだか嫌だった。
「美琴、おまえに聞いておきたいことがあるんだ」
張り詰めた空気が漂う中、紫珱が尋ねた。
「俺が黎彩へ戻っている間、誰かと会っていたか?」
「なぜそのようなことを聞くのですか?」
紫珱の瞳が揺らいだ。そしてその視線はそらされ、話が続いた。
亡霊が握っていた髪の毛の話を聞かされ、美琴は言葉を失くすほど驚いた。
「わたしの……本当に?」
「俺の話を疑っているのか」
「いえ、そういうんじゃ……」
(わたしが会っていたのは……。でも、そんなまさか───)
「心当たりがあるんだな」
鋭い光が紫珱の目に宿っていた。
……どうしたんだろう。紫珱さま、怖い顔してる。
「誰なんだそれは。誰と会っていた?」
「わ、たし……」
紫珱から伝わる怒りの感情に美琴の声は震えた。
「紫珱さま」
落ち着こうと小さく息を吐いて美琴は続けた。
「わたしには紫珱さまと出逢う以前に蜜華亭の女将さんの紹介で縁談があり、お見合いをしていました」
美琴は縁談相手だった鷹也のことを話し始めた。
「───あの日、紫珱さまがわたしの前に現れて言霊を交わした日は、鷹也さんと初めて二人きりで会う約束をしていた日でした。でも霊獣の選定者となり体調も悪くなってしまって会うことは出きず、縁談もお断りしました。ですからもう会うことはないと思っていました。でも……あれは紫珱さまが黎彩からお戻りになる前日のことです」
引き受けていた仕立て物の品を届けに行き、帰りに寄った街の小間物屋で偶然、鷹也と再会したことまでを美琴は話した。
「鷹也さん以外に誰かと会ったことはありませんし。その日は二階の茶房で少し話をしただけです」
「どんな話をしたんだ」
内容まで聞かれるとは思わず、美琴は言葉に詰まった。
「紫珱さまは鷹也さんを疑ってるのですか? でも彼は莉乃さんとは何の関係もないと思います。弟さんとは名前も違いますし」
「奴は名を偽りこの沙英の街に潜伏している」
「でも……そんな決めつけなくても」
「可能性が高いと言ってるんだ」
「鷹也さんがそんな……。彼はとても優しい人で……」
人違いだ。紫珱は誤解している。そしてなぜそんなに怒っているのだろう。
「好いていたのか、そいつのこと」
「え……」
♢♢♢
こんなこと聞くつもりではなかった。聞かなければよかった。
なのに美琴がその名を、自分の知らない男の名を口にするのが嫌だった。
庇うような態度にも我慢ができない。
この感情はなんだ?
いくつもの想いが心をかき乱す。
怒りと焦り、不安と苛立ちが混ざり合って制御が難しい。そのうえ後悔もしている。
美琴を怖がらせたくないのに。
好いていたかと尋ねた後、すぐに違うと言ってほしかった。けれど美琴はしばらく黙っていた。
怒ったような顔にも見えるが眼差しはどこか悲し気にも思えた。
♢♢♢
「嫌いではありませんでした。でもだからといって特別な感情があったわけでもありません」
───ほんとうになかったと言える?
心が問いかけた。
二人で会うことを楽しみにしていたのは本当だ。
わたしは鷹也さんを好きになりかけていたかもしれない。
あのまま紫珱さまと出逢うことがなければ。
でもわたしは紫珱さまと出逢ってしまった。選定者として。
それに今はもう……。
「本当か?」
紫珱さまのことがとても好き。───それなのに。
疑われているの?
「本当です」
疑われたくない。嫌われたくない。怒らないでほしいのに。
莉乃さんのことで必死なのは仕方のないことだけど。
鼻の奥がツンとなって泣きそうになる自分を紫珱に気付かれたくなかった。
選定者は自分だけだと思っていた。霊獣が選んだ者はたった一人で。自分だけだと。
一番でなかったことが、なんだか悲しいなんて。
わたしは莉乃さんに嫉妬している。そういう気持ちがある。
醜い感情だ。
こんな想いを紫珱さまに伝えるわけにはいかない。
言霊が穢れてしまうのではないかと美琴は思った。
「そうだ。あの、これを」
美琴は懐に仕舞った手鏡を取り出した。
「祝いの品をいただきました。鷹也さんとはそれきりで……」
「───美琴っ、今すぐそれを放せ!」
(え⁉)
紫珱は叫ぶと同時に手を伸ばし美琴の手元から鏡を払い落とした。
じんわりとした痛みが美琴の指先に残る。
美琴は動揺した。なぜ紫珱がこんなことをするのか。
向けられた双眸に恐ろしくなり、目を逸らして落ちた鏡を見ると、なぜか鏡は畳の上でくるくると回転している。
とても不自然な動きだった。
「離れろ美琴!」
紫珱は美琴へ腕を伸ばした。
美琴は鏡に手を伸ばしていた。
「それに触るなッ!」
紫珱の手が美琴に触れるよりそれは速かった。抱き寄せるために伸ばした腕は美琴に触れる直前で何かに阻まれた。
鏡が影を放ち風を巻き起こした。
影は形を変え、細かな紙吹雪のようになって紫珱の視界を遮る。
「ラセツ!」
紫珱は使役する精霊を呼んだ。
ラセツはすぐに現れたが、勢いを増していく風と広がりを見せる影が美琴の姿を覆い隠そうとしていた。
そして黒い吹雪は刃となって紫珱を攻撃し傷つけた。
「紫珱様っ」
ラセツが叫んだ。
「俺のことより美琴を!」
追わなければと必死にもがく。
あちこちに傷を負い血が滴っているのがわかる。
体勢の崩れた紫珱を支えながらラセツは言った。
「美琴さまの姿が……。これ以上、追うことはできません」
閉ざされた闇の向こうに美琴は消えた。
それまで吹いていた風が嘘のように止み、後に残ったものはひらひらと舞い落ちる細かな灰色が、まるで雪のように溶けていくだけだった。
1
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
妖の森
熊猫珈琲店
ファンタジー
山奥の村に引っ越してきたユキは、神様が住むという「妖(あやかし)の森」の入口で一人の青年と出会う。
その後、闇に呑み込まれてしまった村から逃げ出すユキと青年だったが、妖の森へ足を踏み入れた途端に青年は異形の化け物へと姿を変えた。
背中から黒い翼を生やした天狗の末裔と、第三の目を持つ黄金色の獣。
そして、それらを使役する少年と共に、ユキは暗闇の向こうに消えた母親を助け出すため、妖魔の国へと向かう。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
男装の王太子と側近の国(アルファポリス版)
刹那玻璃
ファンタジー
昔々ある貧乏な北方の国に、国王とその一人娘がおりました。
娘を女王よりもと、国王は娘に弟の息子を婿に迎えます。
しかし、次期国王は放蕩王太子として、仕事もせず遊び回る日々。
その両親である叔父夫婦も、財政が緊迫しているにも関わらずお金をばらまきます。
お姫様は夫やその両親を見限り、自分自身が王太子となると宣言しました。
深遠の先へ ~20XX年の終わりと始まり。その娘、傍若無人なり~
杵築しゅん
ファンタジー
20XX年、本当にその瞬間がやってきた。私は宇宙の管理者に1番目の魂の扉に入るよう指示され、扉を開け一歩踏み出したところで、宇宙の理の渦(深遠)の中に落ちていった。気付けば幼女に・・・これはもう立派な宇宙人として、この新しい星で使命を果たすしかない・・・と思っていたこともありました。だけど使命を果たせるなら、自由に生きてもいいわよね? この知識や経験を役立てられるなら、ちょっとくらい傍若無人でいいってことよね? 暗殺者や陰謀なんて無関係に生きてきたのに、貴族の事情なんて知ったこっちゃないわ。早く産業革命してラブロマンスを書くのよ!
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています
空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。
『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。
「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」
「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」
そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。
◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
望月かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる