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第二十話〈ほんとの気持ち〉
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♢♢♢
「福之助さん、那峰です。入りますよ?」
「はい」と小さな返事があり、ひよりは襖を開けて中へ入った。
福之助は身体を起こしていたがとても憔悴しているように見えた。
「これをどうぞ。召し上がってください。御口に合えばいいのですが」
「那峰さんがこれを?……わざわざすみません」
言葉は発するが、福之助の手が動くことはなかった。
「自家製の豆乳で作ったスープなんですよ。味の感想、聞かせてほしいです。キノコがあれば入れたかったんですけどね」
「きのこ……。あれは汁物に入れると美味いですよね。鍋料理にも」
さっきまで死んだ魚のような眼をしていた福之助だったが、ほんの僅かに表情が変わったように見えた。
「きのこ、お好きですか?」
「いや、好きというか……でも嫌いではなくて。育った田舎の山へよく採りに行きましたから。それを思い出して」
福之助の視線がスープに向いた。
ひよりがゆっくりと器を差し出すと、福之助はそれを受け取り、じっと見つめた。
「いい匂いだ」
次に匙を差し出すと、福之助は受け取り「いただきます」と言って少しずつ食べ始めた。
一口、二口と食べ進むうちに青白かった福之助の顔にほんのりと赤みが差していく。
「美味しい……!とても美味しいです。キノコ無くてもぜんぜん大丈夫です」
掠れていた声も喉が潤ったのか、はっきりとした声音になっていた。
「懐かしいです、なんだかこの味。優しくて……」
福之助はそれきり無言で食べ続け、器の中の最後の一滴まで飲み干し完食した。
「───ごちそうさまでした。こんな美味しいスープは初めてです。身体の中だけじゃない、心も温まるようです」
「それはよかったです」
「……僕、なんだかいろいろと迷惑ばかりかけてるみたいで……。やっぱり僕はここに来るべきじゃなかった」
「ここ、とは晶連城ですか?」
福之助は頷いた。
「僕の実家は貧しくて。父親は六年前、僕が十歳のときに病で死にました。幼い妹と弟がいて、母と四人暮らしで。母はお針子で着物の仕立ての内職をして、僕は父が亡くなってからは知り合いの田畑を手伝って、その報酬を得て暮らしていました。でも……あれは僕が十三歳の年です。夏に豪雨が村を襲って、村の田畑がたくさん被害を受けて。でも帝都から派遣された護闘士たちがいろいろと手を尽くして助けてくれて。そのとき、ひとりの護闘士に言われたんです。君は庶人でなく仙者だろうって。秘めた闘魄を感じると。だから一度晶連城で調べた方がいいと」
「それでこっちに?」
「はい。ここで調べて結果が出て。まさか自分が仙者で闘魄という潜在的な力があるとは思ってなかったから驚きました。しかも闘魄数値は武仙並みでしたから。だけどこれで家族を養えるという希望が持てたんです。頑張れば護闘士も夢じゃないという思いもあって城入りして上番隊に入隊しました。それが二年前です……だけど」
福之助は少し間を置き、小さく息を吐いてからまた話し出す。
「最近は……護闘士でいることが苦しくて。
闘魄が高いって言われたときは嬉しかったし、武仙にも憧れていたのに。……なのに鍛錬とか修行とか、二年経ってもこっちでの生活に慣れなくて。馴染めなくて。思うようにもいかなくて。それに僕は破魔の闘剣を得る覚醒さえまだ無いんです。太刀を持ってないなんて護闘士といえませんよね。闘魄があっても、高くても、力を使いこなせなきゃ意味ないんだ……。それで少しずつ、護闘士でいることが、武仙でいることが辛くなってきて。……そんなとき、あの鈴の噂を聞いたんです」
「幸運のラブ鈴?」
「そうです。半信半疑だったけど、それを買ってからはあの鈴がお守りみたいになってて。いつからか鳴らなかったはずの鈴から響きが聞こえるようにもなって。
あの音はとても心地よくて、聴いてると辛い気持ちや苦しさを忘れられました。でも本当はそんな気がしていただけで、呪力に惑わされていたようです。さっき嵯牙隊長からあの鈴のことを聞きました。……とても恐ろしくなりました、そんなものを僕は……。昨日、鈴をなくしたことに気付いてから、僕はずっと探していたんです。頭の中はあの鈴のことしか考えられなくなってて。その途中、以前上番隊の同じ班にいた者と行き合って。彼も鈴を持っていた。
でも彼はもうそのとき鈴音の呪術に操られていました。霊鬼になりかけていたそうです。危ないところを嵯牙隊長に助けられたんですよね、気を失ってましたけど。でも僕だってあのまま鈴を持ち続けていたら、妖霊に憑かれて操られていたかもしれない。そう考えると今はもう、あれを取り戻したいと思いません」
福之助は静かに息を吐くと、ひよりを真っ直ぐに見つめて言った。
「───那峰さん、僕は決めました。護闘士を、戦闘師団を辞めます。剣を振るう戦いに僕は向いてないと気付いてたのに。期待に応えたい気持ちもあって、家族に残念な思いもさせたくなくて誰にも言えなかったけど。
僕は自分の気持ちに正直になりたいです……。本当の自分を見失いたくないんです。僕の中にある闘魄はもっと違うところで、本当に自分がやりたいことに使えたらと思うんです。苦しくても上手くいかなくても失敗しても、自分が本当にやりたくて選んだ場所を見つけられたら、今よりもっと頑張れる気がするから」
ひよりは頷き、そして言った。
「闘魄ですべてを決めてしまう必要はないと思います。数値が高くても低くても、いちばん大切なのはその人の心……想いです。ほんとの気持ち、というのかな……。うまく言えないけど、私はそう思います。相楽さんらしく居られる場所がきっとありますよ。もっと違う分野の職務だって晶連城にはありますもの。私は相楽さんを応援します」
「……ありがとう、那峰さん。話を聞いてもらえたら、なんだかスッキリしました。目が覚めた感じです。僕は自分の気持ちをこんなふうにはっきり言うのが苦手だったんです。でも那峰さんの作ってくれたスープが僕に力をくれたみたいだ……」
「───ぃぇ、そんな……お礼なんて。私は……私の仕事をしただけです。───あ、食後のお茶はどうですか?持ってきましょうか」
福之助は首を振った。
「今から統司宮へ行きます。そこで自分の思いを正直に話します。嵯牙隊長にそう伝えてください」
福之助の表情は穏やかだった。
ひよりは頷き客間を離れ、黎紫が待つ炊事場へ向かった。
♢♢♢
「……そうか。福ちゃんがそんな決心をね」
調理場に戻ったひよりは黎紫に福之助の想いを伝えた。
「しばらくこっちで養生させようかと思ったんだが。その必要はなさそうだね。それにしても、凄いな、ひよりちゃん」
「私が、ですか?」
「そう。ひよりちゃんの作った飯が効いたんだよ」
「……そうでしょうか」
「そうだよ。もっと自信もっていいんだよ、ひよりちゃん」
黎紫の言葉が嬉しくて。ひよりは素直に微笑んだ。
「───はい。少しでもお役に立てたのなら嬉しいです」
「それじゃ俺は福ちゃんに付き添って統司宮へ行くとするか」
「それならちゃんと隊服に着替えて行ってくださいね」
「えー。面倒だなぁ」
「ダメですよ、そんなだらしない恰好じゃ」
「じゃあまたひよりちゃんに着替え手伝ってもらわないとな。俺アレ一人で着れないもん」
───まったくもう!
着れないことをあたり前のように堂々と言う黎紫に呆れつつ。
「わかりました。お手伝いしますから、今すぐ居間に持ってきてください」
「俺のお部屋じゃダメ?」
「ダメですっ。私これからまだここで洗い物やら片付けも残ってますもん!」
「───はいはい。取りに行ってくるよ」
なにがそんなに楽しいのか、黎紫はにこにこと上機嫌で炊事場を出て行った。
そして黎紫の支度が整った後───、
「那峰さん、お世話になりました」
玄関先で福之助が頭を下げた。
「それじゃひよりちゃん、留守番頼むね。きっともうすぐ莉玖や諒が帰ると思うから。あ、でも今晩はなにかと物騒だったから玄関の鍵は閉めておくんだよ」
「はい、わかりました。───二人とも、行ってらっしゃい」
ひよりは屋敷の外の通りが見える場所まで出て二人を見送った。
ふと空を見上げれば、白磁の色と溶け合うように闇は薄まり、夜が終わろうとしていた。
「福之助さん、那峰です。入りますよ?」
「はい」と小さな返事があり、ひよりは襖を開けて中へ入った。
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「これをどうぞ。召し上がってください。御口に合えばいいのですが」
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言葉は発するが、福之助の手が動くことはなかった。
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「きのこ、お好きですか?」
「いや、好きというか……でも嫌いではなくて。育った田舎の山へよく採りに行きましたから。それを思い出して」
福之助の視線がスープに向いた。
ひよりがゆっくりと器を差し出すと、福之助はそれを受け取り、じっと見つめた。
「いい匂いだ」
次に匙を差し出すと、福之助は受け取り「いただきます」と言って少しずつ食べ始めた。
一口、二口と食べ進むうちに青白かった福之助の顔にほんのりと赤みが差していく。
「美味しい……!とても美味しいです。キノコ無くてもぜんぜん大丈夫です」
掠れていた声も喉が潤ったのか、はっきりとした声音になっていた。
「懐かしいです、なんだかこの味。優しくて……」
福之助はそれきり無言で食べ続け、器の中の最後の一滴まで飲み干し完食した。
「───ごちそうさまでした。こんな美味しいスープは初めてです。身体の中だけじゃない、心も温まるようです」
「それはよかったです」
「……僕、なんだかいろいろと迷惑ばかりかけてるみたいで……。やっぱり僕はここに来るべきじゃなかった」
「ここ、とは晶連城ですか?」
福之助は頷いた。
「僕の実家は貧しくて。父親は六年前、僕が十歳のときに病で死にました。幼い妹と弟がいて、母と四人暮らしで。母はお針子で着物の仕立ての内職をして、僕は父が亡くなってからは知り合いの田畑を手伝って、その報酬を得て暮らしていました。でも……あれは僕が十三歳の年です。夏に豪雨が村を襲って、村の田畑がたくさん被害を受けて。でも帝都から派遣された護闘士たちがいろいろと手を尽くして助けてくれて。そのとき、ひとりの護闘士に言われたんです。君は庶人でなく仙者だろうって。秘めた闘魄を感じると。だから一度晶連城で調べた方がいいと」
「それでこっちに?」
「はい。ここで調べて結果が出て。まさか自分が仙者で闘魄という潜在的な力があるとは思ってなかったから驚きました。しかも闘魄数値は武仙並みでしたから。だけどこれで家族を養えるという希望が持てたんです。頑張れば護闘士も夢じゃないという思いもあって城入りして上番隊に入隊しました。それが二年前です……だけど」
福之助は少し間を置き、小さく息を吐いてからまた話し出す。
「最近は……護闘士でいることが苦しくて。
闘魄が高いって言われたときは嬉しかったし、武仙にも憧れていたのに。……なのに鍛錬とか修行とか、二年経ってもこっちでの生活に慣れなくて。馴染めなくて。思うようにもいかなくて。それに僕は破魔の闘剣を得る覚醒さえまだ無いんです。太刀を持ってないなんて護闘士といえませんよね。闘魄があっても、高くても、力を使いこなせなきゃ意味ないんだ……。それで少しずつ、護闘士でいることが、武仙でいることが辛くなってきて。……そんなとき、あの鈴の噂を聞いたんです」
「幸運のラブ鈴?」
「そうです。半信半疑だったけど、それを買ってからはあの鈴がお守りみたいになってて。いつからか鳴らなかったはずの鈴から響きが聞こえるようにもなって。
あの音はとても心地よくて、聴いてると辛い気持ちや苦しさを忘れられました。でも本当はそんな気がしていただけで、呪力に惑わされていたようです。さっき嵯牙隊長からあの鈴のことを聞きました。……とても恐ろしくなりました、そんなものを僕は……。昨日、鈴をなくしたことに気付いてから、僕はずっと探していたんです。頭の中はあの鈴のことしか考えられなくなってて。その途中、以前上番隊の同じ班にいた者と行き合って。彼も鈴を持っていた。
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福之助は静かに息を吐くと、ひよりを真っ直ぐに見つめて言った。
「───那峰さん、僕は決めました。護闘士を、戦闘師団を辞めます。剣を振るう戦いに僕は向いてないと気付いてたのに。期待に応えたい気持ちもあって、家族に残念な思いもさせたくなくて誰にも言えなかったけど。
僕は自分の気持ちに正直になりたいです……。本当の自分を見失いたくないんです。僕の中にある闘魄はもっと違うところで、本当に自分がやりたいことに使えたらと思うんです。苦しくても上手くいかなくても失敗しても、自分が本当にやりたくて選んだ場所を見つけられたら、今よりもっと頑張れる気がするから」
ひよりは頷き、そして言った。
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「───ぃぇ、そんな……お礼なんて。私は……私の仕事をしただけです。───あ、食後のお茶はどうですか?持ってきましょうか」
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なにがそんなに楽しいのか、黎紫はにこにこと上機嫌で炊事場を出て行った。
そして黎紫の支度が整った後───、
「那峰さん、お世話になりました」
玄関先で福之助が頭を下げた。
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