無自覚魔法士団長は今日も美しい

夢物語⑴

それから数時間かけて近くにいた魔物たちは騎士たちによって排除された。ただ、ここは洞窟の序盤。
これから深部に行くにつれて、より強力な魔物が増えてくるだろう。

「いや～聖女様のお陰で何とか倒せたな！」

「あぁ！あんなに早く動けたのは初めてだ！」

一戦を終えて休息をとる騎士たちが口々に話しているのを横目に洞窟の中を索敵する。
近くに魔物は居ないか、どれほど先から出現するか、魔物のレベルは。

知らなければ危険なことが多すぎる。殿下やカズマ様、大神官様までいるため、皆を守らなければ。

「クレールさん！さっきの結界凄いですね。魔物が来てもピクリともしなくてビックリしました！魔法士ってみんなできるんですか？」

「魔力があれば誰でもできますよ。」

「そうなんですね！僕にもできるかなぁ？」

「どうでしょう。カズマ様は聖女様なので、魔力ではなく神力があるのではないでしょうか？」

先程から興味津々ですと言わんばかりに目をキラキラさせたカズマ様から質問攻めにあっている。

聖女様が魔法士と仲良くしているとして悪く言われてはいけないと思い、何とかして話を反らそうと大神官様に目を向ける。