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無意識の⑷
しおりを挟むそうして聖女様との親交を深めていると、前からニコニコした皇太子と大神官様の圧を感じる。
ここは馬車の中で、騎士団の者達は騎乗して、皇太子殿下、大神官様、聖女様、そして私は馬車に乗っているのだ。
そしてもちろん、今までのカズマ様との話は皇太子殿下や大神官様に聞かれている。聞かれてまずいことはないからいいのだけれど…
「ではクレール卿、私のこともフランツと呼んで欲しいです。」
何を言い出すのかと思えば、カズマ様の可愛いお願いをマネして、コテンと首を倒しながらお願いされる。あざとい…でも、イケメンが可愛い動作をしてもイケメンなだけだ。
「(二人の時、呼んでるからいいでしょう…)大神官様をそのようにお呼びするのは立場的に難しいかと。折角のお申し出をお断りする私をお許しください。」
「(シュン…)」
目に見えて落ち込んでいる大神官様に、どうフォローしていいのか分からない。
「(いいアイデアだと思ったのになぁ…クレールは真面目だから断るかなとは思っていたけど!)」
「え、えぇっと、あの…すみません…」
「クレール、こんな奴のこと気にしなくていいよ。それより、聖女に謝るのは私の方だ。わが国の勝手な事情に巻き込んでしまってすまない。よければこれからもご助力願いたい。」
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