無自覚魔法士団長は今日も美しい

俺一人身なんだけど…⑴

ギルド登録に来た奴が暴れていると報告を受けて一階に降りると随分綺麗な顔をした少年？いや、青年？が大男の首を締めあげていた。

ギルドは実力主義な場所だ。だが、直接的な暴行は認められていない。実力を証明するなら依頼をこなして認めさせろというわけだ。

暗黙のルールともとれる内容を知らないのは無理ないが、俺のギルドで勝手をされるのも困る。
また、いつものように怖がらせて制圧するしか…なんて考えていた。

「おい、俺のギルドで何好き勝手してやがる。」

大抵の奴はこれくらいで怖気づくのだが…

「好き勝手って…私はやられたからやり返しただけです。それとも黙ってやられていろと？ここでも人権はないんですね。実力主義だと聞いていたのに…」

「？(ボソッと何かを呟いているが生憎俺のところまで聞こえない。)はぁ～話があるから部屋へ来い。そんで、その手にある奴、いい加減離してやれ。」

「…分かりました。」

ファーストコンタクトから変な奴だった。反応が違うし、俺にすごまれてあっけらかんとしている。
まぁ、全てを諦めたような目は見るからに訳ありだとも思ったが…

「それで？何があった。」