【完結】無自覚魔法士団長は今日も美しい

抹茶らて

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聖女の力⑷

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そんな大切なものを見るような目で、そんな温かい眼差しで見つめられたら勘違いしてしまう。あまつさえ、私が感情任せに言ってしまった言葉にありがとうだなんて言ってもらえて。

「(これは私がいいように解釈しているだけなのに…)」

ガチャっ

「…終わった。」

ノックもなしに馬車のドアが開いたと思ったら、バシュロ卿が表情筋の死んだ顔で入ってくる。

「お疲れ様です。」

「お疲れ~。さ、一度皇宮に戻ろうか。」

殿下かるっ!大神官様に至っては無視じゃん。
バシュロ卿なんか不憫に思えてきた。

「?なんだ。そんな可哀想な子を見るような目で見て。俺はなんともない。」

バレた。どうやら見つめすぎていたみたい。

「あ、いえ、何もありません。」

そうだよね。天下の騎士団長様だもんね。あれくらいの魔物なんてことないか。

「それで、聖女はどうなんだ。」

先程話していたことを殿下から簡潔に話される。
私の話していたこと漏らさず話してくれていて、素直にうれしい。

「…なるほど。これから荒れそうだ。」






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