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聖女の力⑴
しおりを挟む「神力がほとんどないって大丈夫なんですか?」
「えぇ、魔法士にとっての魔力と違い我々神官が持っている神力は完全になくなってもまた自然回復するので大丈夫です。浄化に神力を使用しているとは…使用する際の経路を研究することで神官にも浄化が使えるようになるかもしれません。しかし…」
魔力と同じように考えていたからゾッとした。でも聖女様の身体が大丈夫ならよかった。
でも、どうにも煮え切らない様子の大神官様は言葉を濁している。
「なんだ。何か他に問題があるのか。」
そんな大神官様に鋭く問いただす殿下。
「いえ、それほど大きな問題ではないのですが…先ほどの魔物を跡形もなく消滅させるのが浄化だとすれば、聖女様の浄化だけで帝国内の魔物を消すことはほぼ不可能でしょう。あとは…バシュロ卿と身体を重ねることで浄化できたのだとすれば1回の閨で魔物5体の浄化が限度。あまりにも非効率的だと。閨の相手の能力値向上もいいかもしれませんが、バシュロ卿含め我々には必要ないと言っても遜色ないかと。」
聖女様が寝ているから言えることだろう。
大神官様の言い分はごもっともだ。
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