無自覚魔法士団長は今日も美しい

クレールだけ⑶

恥ずかしがるわけでもなく、一言前置きして聖女は俺に口づける。

相手には失礼なことだが、これがクレールだったらと思えてならない。いつもの恥じらいながらも快楽流されるクレールもいいが、これくらい積極的なクレールも見てみたい。

「っ！ふふ、反応してくださってるんですね、良かった！」

そう目を細めて艶やかに微笑んだ聖女は自らネグリジェを脱いで俺の上に座る。

「どうせなら、楽しみましょう？」

「(楽しめたのなら、ここまで苦労していない…し、無理やり精力増強剤なんか飲まない。)」

自身の想い人を思い浮かべながら違う者との行為に及ぶのは思いの外、気分がいいものではない。
今回のことクレールにはどう思われているだろうか。軽い男だと言って、俺と会ってくれなくなったら。最悪の事態を考えてしまうのは仕方ないだろう。

いつからこんなに惹かれたのか。いつのまにか、クレールのことを考えない日がないくらいにまでなっていた。
この儀式もクレールとなら…そう思っても現実に広がるのは聖女の乱れた姿。

クレールを想って反応してしまっている俺のそこを恍惚とした表情で見つめて、舌を這わせる。