無自覚魔法士団長は今日も美しい

一時の癒し

とりあえず、報告を終えたから団員たちを労いに拠点へ向かう。

またみんなで駄弁っているのかな、なんて思って部屋に入ると

「団長！お疲れ様です！」

「お疲れ様です！」

豪華な食事をテーブルに並べて全員集合していた。

「お前たち…」

「もう！報告に行くだけだからもっと早いと思ってました！ずっと待ってたんですよ！」

「そうそう！ほら、熱いうちに食べましょう！」

皆に促されて誕生日席に腰を下ろす。

全体を見渡すと、何か期待した眼差しで皆が私のことを見ている。そしてそれぞれの手には飲み物が。
本当に、仕方ないなぁ。

「みんな、連日お疲れ様。しばらくはゆっくりできるようにするからしっかり休んでね。乾杯！」

「「「「「乾杯！」」」」」

家族愛にも似た愛情がここには溢れている。私にはやっぱりここを守る選択肢しかない。

各々が好きに食べ、好きに話して過ぎる時間は、先ほどまでの皇宮での殺伐とした空気を忘れさせてくれる。
明日から忙しくなるであろうことを覚悟しながら、今はこの時間を目一杯の楽しむことにしよう。