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お誘い
しおりを挟む上司としてだらしない姿は見られないように、そう思っていたのに…
女性と飲み屋へ行くところを目撃してしまった日から数週間後、何事もなかったかのように接することが出来ていた。体裁を取り繕うのは得意だ、さすがサラリーマンの社会で揉まれたことはある。
「部長、この前言っていたご飯なんですけど…今日ってお時間空いてますか?」
とある日の退勤時、お誘いが来た。
ドキッとしたし、同時にもう誘ってくれないかと思っていたから嬉しかった。
「あぁ、空いているよ。」
「よっしゃ!美味しい所見つけたんで一緒に行きませんか?」
「もちろん。」
二つ返事で承諾して、一緒に会社を出る。
あんなに勘違いしないとか思っておきながら、食事に誘って貰えて表情が緩みそうなほど舞い上がっている。
「ここの料理が凄く美味しくて、是非部長にも食べて貰いたいなって思ってたんです!」
そうして連れてきてもらったのはちょっと格式の高そうな小料理屋。席ごとに個室になっており、プライベートな時間を過ごせるとかなんとか…
「今日は存分に寛いでくださいね!」
何て言われたら、私の寿命は縮まったに違いない。
しかしそれ以上に、伊澤と二人きりの空間にいることで私の鼓動はうるさいほど脈打っている。心臓に負担を掛け過ぎているが、もう二度と来ないかもしれないこの時間を楽しませてくれ。と、自分の心臓に言い聞かせる。
そんな私をよそに伊澤は
「ここの卵焼きがふわっふわで美味しいんです!」
と、色んなおススメ料理を頼んでいく。
彼の言う通りどの料理の絶品で箸とお酒が止まらない。
良い感じに二人して出来上がって来たところで事件が起きた。
バシャッ
伊澤が頼んだお冷を私に渡してくれようとしたとき、勢い余ってコップの中身が私に掛かってしまった。
「す、すみません!!ごめんなさい部長!!」
謝り倒す彼に、私は微塵も怒っていないため何とかして落ち着いてもらう。
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