【完結】だらしないオジサンは嫌いですか？

振りまく色気

楽しい時間は早く終わるというもので、会議の時間は終わりを迎えていた。伊澤の持って来た資料や売り込み戦略は上の人達にも刺さったようで、潔くゴーサインが出された。さすが伊澤だ、さっき約束した食事は私の奢りだね。平然としながらも内心約束のときを考えられずには居られない。

お店探しておくって言ってたから伊澤からまた誘ってくれるよな。いつになるだろうか。

いや、まだ一日も経っていないのに気が早いな…

「部長！先方から電話で、予定していた五日後の予定を明日にしてほしいと…」

「(あぁ、楽しみの前には試練はつきものだよね…)ふむ、分かった。明日はちょうど私も時間が開いているから私が向かおう。先方に持っていく資料はどのぐらい出来ている？」

「すみません、まだ四分の一程度しか…」

「そうか、井口さんすまないが今日は私と残業をしてくれないか？」

「もちろんです！すみません、部長にまで残業をしてもらうことに…」

「そんなことは気にしないで良いよ。さっ、時間も惜しいし、早速始めようか。」

今日も突然降って来た仕事により残業。部長職も楽じゃないな…




コソッ「何あれ、カッコよすぎる！」

コソッ「あんなん惚れない人なんていないでしょ！」

コソッ「一緒に残業してくれないか？って部長が言ったらなんかエロく聞こえる私は変態なのかな…」

コソッ「大丈夫だ。俺もえろって思ったわ。」

コソッ「俺抱いてほしいって思ったわ。包容力えぐい。」

突然降って来たとは言っても、部下を遅くまで残らせるのはよろしくないため、先に部下の資料を手伝い、何とか18時までに終わらせる。

「ありがとうございます！こんなに早く終わるなんて！本っ当にありがとうございます！」

土下座する勢いでお礼を言ってくれるけど…

「そんなにお礼を言わなくても…井口さんが頑張ったからだよ。さっ、今日はもうゆっくり休んで明日に備えて。」

「はい！ありがとうございます！お疲れ様です。」