【完結】俺は遠慮します。

夜の蝶

俺たちが衣装を着ていると仕事にならないし、収拾がつかなくなるからと何故が委員長に理不尽に怒られた。言われたから着替えたのに…そしてすぐにまた制服に着替える羽目に…

「委員長ったら～ほんと理不尽！」

「まぁまぁ…さ、気を取り直して看板作りでもしますか！」

ぷりぷりしている尊を宥めつつ、看板つくりの作業に取り掛かる。

「え、栄人がやる気って珍しい…明日って雨だったっけ？」

「どういう意味だよ、尊！俺だってたまにはやる気ぐらい出す。」

「文化祭は収益がクラスに入るから少なからず何かしらの恩恵を受けれると思っての行動じゃないか？」

「クスッ、僕何のことかぁ分かんないッ☆」

ほんとさっきから徹の鋭さが増してる気がする。

そう、何を隠そう俺はその文化祭の収益とやらが気になっているのだ。優勝クラスには何の褒美があるのか…
褒美もクソもない体育祭ならともかく、褒美があるのなら喜んで手伝いますよ、はい。

「現金な奴～」

尊、俺お前にだけは言われたくないな。

「それで？どんな感じの内装にするんだ？看板とイメージを合わせないとだろ？」

「あ、それなら僕内装をちょっとだけ考えてきました！」

俺の問いかけに力強く答えてくれたのは、さっき立ったまま気絶していたモブＢ。
ザ・ホストって感じの内装に看板のラフを見せてくれた。夜の蝶って感じだよな。(いや、どんな感じ？Ｂｙ尊)

満場一致で採用になったモブＢのラフを参考に看板、内装を作っていく。

俺今までこんなにイベントごとに力入れたことなかったけど、楽しいじゃんね。出会って人が良かったからなのかもしれないけど。


当日のワクワクを胸にクラスメイトと黙々と準備に奔走する俺たちだった。