【完結】俺は遠慮します。

誤解です。

有無も言わさず連れてこられたのは、皆さんお馴染み生徒会室。室内に入り、ゆっくりとソファーに下ろされた。部屋には他の役員の姿はない。

「大丈夫だった？ごめんね？僕たちのせいだよね……」

瑠季が心配そうにこちらを伺う。宗也も眉を少し下げて、様子を伺っている。

「ふふ、大丈夫。２人が助けてくれたし！それに誰のせいでもないから、気にしないでいい。」

そう言って、頭を撫でてやる。

「でも、僕たちが関わらなかったらあんなことされずに済んだんだよ？」

「うん、でも制裁？っていうの？それをする奴が悪いんだし瑠季達が悪い訳でも、謝ることでもない。友達と仲良くすることが悪いことなんてないでしょ？」

空気がしんみりしてたから少しだけおどけて見せる。

「ほんとに…そう思っているのか？」

宗也の絞り出すような声に何事かと思う。ほんとにそう思わないと言わないし、仲良くして制裁食らったからって仲良くしいた子を恨むのはお門違いじゃね？仲良くするって行動は自分で決めたことだし。

「思ってないと言わねぇよ。そんなに変か？俺の考え方。」

「変といか……今まで周りにそんな考えする奴いなかったから。ありがとう。」

「？？どういたしまして？」

なんでお礼を言われているのか分からなくて思わず疑問で返しちゃったけど、宗也が笑ってくれたからいっか。

「あー！なんで二人だけで打ち解けてんの！僕も入れてー！」

瑠季が突進してきたことにより、ソファーで横になって寝る前の体勢で座ってた俺はソファーに寝ることに。そして突進してきた瑠季は俺ときじょう…ゴホン俺を跨いで座る体勢に。

うーん、この体勢は傍から見ると危ない感じ？

「会長様のお帰りだよ～はぁもうめっちゃ疲れた～栄人クンに会いた……え、ええ栄人、クン…？」

「何言ってるんですか。もう一般の生徒は帰っている時間ですよ。幻覚か何かでも見て……え、いとくん？」

あちゃ～めちゃくちゃこちらを凝視する視線が三つ。会長に至っては入ってきた瞬間言葉を失って固まっている。

「あ、あぁ～みんなお帰り～！栄人君救出してきました！ね、宗也！」

瑠季があまりにも必死に弁解しようとするものだから余計に怪しまれ、誤解を解くのにかなりの時間要した。