【完結】俺は遠慮します。

抹茶らて

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ワンコ属性?おかん属性?

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「今日からテスト週間に入る。部活などの活動はしばらく休みだ。テスト範囲は出ているからお前ら、赤点取ったら承知しねぇぞ?」

そう脅しをかけているのは、我らが担任ホスト教師意だ。
教室内を見渡すと、見るからに様子がおかしくなった奴がチラホラ。と言うか横にも1人。

「あ‶ぁ~この世の終わりだ…栄人骨だけは拾ってくれ…」

「あほ、テストでそんな簡単に死ぬかよ。普段寝てるからそうなるんだろ。」

「うぅ、辛辣…」

いつもの爽やかは何処へやら、尊は死にそうな顔で机に項垂れていた。

「栄人~勉強教えて?」

「いやだ。俺は面倒なことが嫌いなんだよ。」

「んふふ、食堂なんでも頼んでいい券1か月分。」

「乗った。」

食べ物につられた…ゴホン、友人の手伝いを快く引き受けた俺は今、その友人の部屋へ来ている。

「………」
初めて会った時の俺の感じた‶まさか‶はそのまさかだった。

部屋に入った瞬間目の前にまぁまぁ激し目なBL本を発見。これスルーすべき?どんな反応が正解?
俺、友達が必死に隠してたエロ本を見つけてしまったぐらい気まずいんだけど…

「ん?何固まってるの?早く入りなよ。…あぁ、これ気になる?ぜひ読んで!そんでもってそのまま総受けの道へ」

「ならねぇよ。」

色々配慮しようとした俺がバカだったわ。

「あ、伝わる感じ?ラッキー!そう遠慮するなよ、俺が完璧にレクチャーしちゃる。」

こいつ、全然爽やかイケメンじゃねぇな。

「いらねぇわ。早く準備しねぇと教えてやんねぇぞ。」

「わーごめんなさいごめんごめんなさい。神様仏様栄人様。」

「フッ、調子のいい奴。」

「え、なにそれイケメンかよ。惚れてまうやろー‼俺は当事者じゃねぇ!絶対に!」

情緒がやばい奴がいる…
俺は気にせず、勉強の準備を始める。

 コンッコンッ

ドアを叩く音が聞こえるが部屋主が今不能なため俺が出る。

「どちらさん?今尊はヤバい状態で話でき無さそうなんだけど…」

目の前にはイケメンがいた。
……このパターン何回目よ。

「あぁ、それは放っておいていい。俺はこの変な奴の同室の御影徹。お前は転校生の栄人だろ。この変な奴からよく聞いている。今日も迷惑かけたみたいで悪い。お詫びと言っては何だがクッキー焼いたんだ。良かったら食べてくれ。」

…これがおかん属性か。見た目はピアスいっぱいついてるし、銀髪に黒目ではっきり言って厳つい。っは、これがギャップか!

「あ、あぁ夜須川栄人だ。よろしく。クッキーあり難くいただくな、ありがとう!…良かったら一緒に勉強するか?」

クッキーを受け取ってから、ソワソワしだしたから一緒にしたいのかと思って誘ったけど良かったのか?

「いいのか?ちょっと勉強道具持ってくるな。」

俺の心配とは反対にぱぁぁと表情を綻ばせた徹は、そう言ってすごい勢いで去って行った。
え、俺今犬耳に尻尾見えたんだけど…幻覚か?

それにしてもワンコ属性におかん属性とか…忙しい奴だな。

「そんなに一緒に勉強したかったのか?」

「それより誘ってくれたのが嬉しかったんじゃない?学校じゃ一匹狼だしな。」

「お、変な奴やっと戻ったか。」

「ちょ、変な奴っていうのやめてよ。」

一匹狼か、ん?こいつは一応爽やかイケメンで、転校初日から仲良くなって…今日は一匹狼と仲良くなりそうで…俺詰んだ?

やばい!母さんが言ってた通りの展開じゃん!若干属性が変わってたから忘れてたけど王道学園なわけで…やらかした。
でも、皆良い人だし、まぁいっか。

「栄人?どうかした?」

「いや、なんもない。はよ勉強するぞ。」

うん、王道学園とか確かに気になるけど、俺の目の前にいる人たちは実際に生きてる人だから。ちゃんとその人のこと見ないとだよな。



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