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第4章

愛してる

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「ナーシィ?」
ロイに名前を呼ばれてハッとする。
どうしよう、どうやって誤魔化したら…

「気になる?ウェディングドレス。」

「え、?」

確信を持ったように問われて、何も答えられないくなる。多分私が何を考えてるのかバレてる。でも、本当に思ってることを言って断られたら…そう思うと、何も言えずに俯いてしまう。

「ごめん、意地悪な聞き方した。ナーシィ……」

ごめんって言われたとき、心臓が止まったかと思った。私が考えていることに対してのごめんなんだと思って…
でも違った。その後、今まで以上に飛び切り甘い声で名前を呼ばれる。私の名前…

俯いた顔を上げられずにいると、視界にロイが映る。膝まづいてこちらを見上げている。

「ナーシィ、今日が何の日か知ってる?」

今日?何かの記念日だったっけ?誰の誕生日でもないし…

何も思い当たらなくて首を振る。

「そっか、今日は俺たちが初めて出会った日だ。」

私が覚えてないのに楽しそうに話すロイ。そして、ポケットから出した小さな箱を開いて……






「ナーシィ、俺と結婚してください。……これからずっと一緒の時間を過ごして生きたい。」





………………





結婚…私と一緒の時間を過ごしていきたい……
ロイも私と同じ気持ち?ッそんなこと、あるの?
私今以上に幸せになっていいの?

「ナーシィ、返事を聞かせてくれる?」

優しく諭すように聞いてくれるロイを見ると涙があふれて、止まらない。

そう言えば、初めて泣いたのもロイの前だったね。

「う、ん…うん、私もロイと一緒の時間を生きたい。よろしくお願いします!」

感極まって抱き着いた私を難なく受け止めてくれる。

「ふふ、そんなに泣かないで?俺が困る。」

「だって、だってぇ…幸せ、で…頭がいっぱいいっぱいで…」

「なにそれ、ほんとかわいい。ナーシィ、どんなナーシィでも俺はナーシィがいい。……愛してるよ。」

耳元で言われたその言葉は私をさらに泣かせるのには効果抜群で、次の日私の目が開かなくなったのはまた別の話。

その日のことは一生忘れられない、私にとって大事な日になった。

この世界に生まれて、今まで生きてこられて、これほど感謝をした日はない。私はこの人に出会うために生まれてきたんだろう。



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