【完結】総受け主人公のはずの推しに外堀を埋められた！？

触れ合い

「かゆいところはありませんか？」

美容院の店員の様に尋ねて来るシガンたんに少し笑いながら答える。

「とても気持ちいいです。ありがとうございます、シガン様。シガン様のお背中は私が流しますね。」

「え？お、俺のは大丈夫！自分でできるし。」

今度は俺の番って思ってたら慌てふためくシガンたん。

「主人にしてもらって、返さない従者はいませんよ。」

そう言って、強引に椅子に座らせ背中を流す。

「気持ちいですか？」

「気持ちいです//(何を言わされているんだ俺は…拷問だ)」

大きく、広くなったシガンたんの背中は逞しくて…
そう思っていたら、自然とその身体に手を添えてしまっていた。

「ど、どどどうした、ベル？」

「あっ、すみません。逞しい背中になって、護衛騎士の私より大きくなったことが感慨深くて…」

だって総受け主人公だぞ？体格だって華奢で白くてムラムラしちゃう描写を入れていたのに、反対に受けをムラムラさせちゃう体格になってしまって。

「ふふふ、そうなるとベルは俺からしたら華奢になった気がするなぁ。」

そう言いながらクルリと身体を返して向かい合わせになる俺とシガンたん。え、これどんなシチュエーション？

「逞しいと思っていた肩幅も、今の俺からしたら華奢だし、大きいと早く抜かしたいと思って背丈だって俺より低くなったし。首も手首も腰も全部が細くて心配になる。」

言葉にのっとった場所を手で撫でていく。
互いに泡のついた身体で、滑りが良くくすぐったくて身じろぎしてしまう。

「し、シガン様。くすぐったいのでもう終わりにしてください。」

「ベル、もう少し触れ合っていたい。ダメ？」

懇願するように言われると何も言えなくなる。

コクンと頷いて、とりあえずシャワーで身体を流して浴室を出る。

身体を拭いて、服を着て―――淡々としいた動作でお互いに会話はない。
そうして、ソファーに二人並んで腰を下ろす。