【完結】総受け主人公のはずの推しに外堀を埋められた!?

抹茶らて

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身分差の恋

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「ベルデ様、今お時間よろしいでしょうか?」

シガンたんの授業中、従者用の食堂で休憩していると二人組に声を掛けられる。確か子爵家の執事と伯爵家の護衛騎士だった気がする。そんなに話したことはないんだけど、どうしたんだろう。

「はい、大丈夫ですが…どうされたのですか?」

「あ、いきなりすみません。ベルデ様が主人であるサムソン=シガン様と婚約されると聞いて本当なのか知りたくて。不躾で申し訳ありません。」

「あの、もし本当なのでしたらどのように仲良くなったのか知りたくて…お恥ずかしながら私身分差のある方をお慕いしておりまして…」

え、ちょっと待って。それって俺が聞いてもいいやつ?ヤバめな個人情報じゃない?
っていうか俺とシガンたんが婚約する話エディも前にしてたよな。そんなに広がってるんだ。

シガンたんは知っているのか?それに、シガンたんの思い人はいい気しないよな…

「すみませんがそのような噂は噂ですので、私は婚約などしておりません。何か役に立てることがあればいいのですが…お役に立てず申し訳ありません。」

取りあえず、噂はあくまで噂であることを説明しておく。

「そう、ですか…お手数おかけしました。」

そう言って少し落ち込んだ様子でその場を立ち去る二人。なんか可哀想なことをした気分。でも、本当に知らないのだから仕方ない。

「(それにしても…身分差の恋、か…)」

もし本当にシガンたんと俺が恋仲で婚約を結んだとしたら身分差の恋が実ったことになる。
貴族社会は身分が全てって感じの風習があるから、あの従者たちが落ち込む気持ちが分からないこともない。

「(……………………え、…いやいやいや!分かったら俺がシガンたんのことお慕い申しておりますってことになるだろ!)」

お慕い申してはいるけども!恋愛とかそういうのではない、はず。

それにしても、婚約か…誰かと間違っているんだろうけど、婚約と聞くたびに胸がズキズキするのは

「(いや、やめておこう。これ以上は。)」










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