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全人類が歓喜した⑴
しおりを挟む「それにしても今日の主役はダンスを踊らなくてもいいのか?」
「未成年が主催した誕生日パーティーですよ。そんな格式通りにする必要もないですよ。それに(俺の最初のパートナーはベルが良い。)」
「それに?」
「何でもありません。」
公爵家主催とはいえ、ダンスパーティーや夜会ではない。加えて子どもも多いことからダンスは主催者が最初にダンス、と言った格式は無視されている。現に初めにダンスをしたのはサムソン家当主と夫人。とてもキレイで、シガンたんのダンスも見たくなったのは秘密。だって令嬢と踊るところは見たくないしね。
「シガン様は踊りたくはないですか?」
「え?」
「あ、いえ何もありません。」
俺なんか変なこと聞いてしまった。何言ってんだ俺。そこでシガンたんに踊りたいって言われても、どうにも出来ないし困るだろ。
「……ベル、こっち行こう?」
視線を逸らした俺をジッと見つめて思考を巡らせていたらしいシガンたんはそう言って俺の腕を引く。
引かれるがままに連れてこられた先は噴水が見える裏庭。
「ここは…」
「ベル、よろしければ僕と一曲踊って頂けませんか?」
そう言ったシガンたんはちゃんと右足を半歩後ろに、左手を後ろ右手を前に差し出し、少し前かがみになりながら極めつけは上目遣い!!
俺とシガンたん二人しかいない空間でちゃんとマナーのある誘い方を…
うっはっ!全人類が歓喜した(?)
可愛いって言葉がこんなにチープに感じるほどの可愛さが目の前に…
いや、今はカッコいいって言った方が良いのは、俺にも分かる。オレ、クウキヨメルコ。
それでも本能なのか俺の口が言うことを聞いてくれず、必死に抑えようとする俺と可愛いと口から出したい俺が戦っている。
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