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時には残酷に⑶

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「まぁ、モブ―リア伯爵家はなんて恥知らずなのでしょうか。あれでは学園に来られなかったのも頷けますわ。」

さすが貴族社会。さっきのモブ令嬢を踏み台にしようとする令嬢がちらほら出て来る。









そんなことをしても心のキレイなシガンたんが靡くわけないのに。なんて考えてたら…

「皆様お間違えの無いよう説明させて頂きますが、先ほどの一連の追放は見せしめです。目に余る行動をされた方から追い出すのも厭わないと言う公爵家からの警告です。先ほどのことで何を言おうと勝手ではありますが、折角ご足労頂いたお客様方に最後までお楽しみいただけないのは私も本望ではございませんので…是非ご自身の身の置き所を考えてお過ごしいただけたらと思います。」

シガンたん自ら理解力皆無な令嬢たちに説明し始める。

「(シガンたん!なんてお優しい…俺には女神に見える…)」

いつの間にやら隣に来ていた殿下に投げかけられる。

「そんなにキラキラした目で見る様な奴なのか?」

「はい、とてもお優しいお方です。もう誰も出ていくことがないようわざわざ自ら説明されるとは、なんとお心の広い…」

そう聖母とか女神なみの心の持ち主なのでは?やっぱり見た目が天使だと心まで寄っていくのかもしれない。

「そうか、お前にはそう見えているのか…(あれほどの威圧感と有無も言わさぬ空気を見ても女神とは、悪魔の間違いじゃないのか?でも)これはある意味相思相愛なのでは…?」

「余計なことを言うと、どうなるか知っていますか?」

「っ!お前、先ほどまで向こうにいたではないか!」

「殿下がベルに良からぬことを吹き込むのではと思って来てみたら…どうやら僕の勘は当たっていましたね。」

「べ、別に変なことなど言っておらん。」

「ベル、この人の言うことは気にしなくてもいいからね?」

「もちろんです!」

あ、当人の殿下がいる前で勢いよく返事をしてしまった。まぁでも主人はシガンたんなわけだし、気にしないでいっか。









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