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着々と埋められてますよ
しおりを挟む長期休暇が終わったけど、シガンたんってばいつの間に宿題してたんだろう?
涼しい顔して少し前を歩くシガンたんを見るけどその謎が解けるわけもなく、すぐに諦める。
「ベル?どうしたの?」
「いえ、何もありません。それよりシガン様ももうすぐ3年生になりますね。」
「っ!そ、そうだね…(3年になるのにベルとの関係は何も変わってない…)」
そう返事をしたシガンたんの顔の血の気が引いて行くのが見える。
「し、シガン様?大丈夫でしょうか…顔色が…」
「えぇ?だ、大丈夫だよ。さぁ、行こう?」
そう言って苦笑いしたシガンたんを心配しつつ、教室を目指す。
「(もう、3年…されど3年…まだだ。まだベルを手に入れられるだけの準備が整ってない…焦るな…俺。)」
何気なく言った言葉が誰かのやる気スイッチ、いややる気レバーを全開にしているとは思いもしなかった。
「ベル!今日お父様に電話をするからご飯を遅めにお願い。」
「かしこまりました。」
3年に上がると言うことはシガンたんの誕生日も近づいて来る。去年、一昨年と学園に入ったばかりでパーティーを開けず、俺と二人ひっそりとお祝いをしたのだけど…今年は盛大に開くのだろうか。その電話かな。
まずは大々的に牽制して、周りから固めて行かないと。お父さまは俺の気持ちを知っているし、手伝ってくれるはず。後は、余計な邪魔が入りそうな俺とベルの周りにいる奴らに分かりやすくしないと。
丁度俺の誕生日パーティーが近々あるからその時でいいだろう。誕生日パーティーなんてと思っていたが、案外役に立つものだ。周りの反応が楽しみだな。
朝まで焦っていた様子はどこ吹く風で、いつもの余裕を取り戻したシガンは着々と準備進めていたのだった。
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