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推しの可愛さには勝てません⑵
しおりを挟む「分かりました。あ、あの、ベルデさんに組手の相手をして頂くことは可能でしょうか…」
組手の相手くらいいつでもするのに…
「もちろんです。今日のような朝早い時間になるかと思いますが、それでよければ…」
「ッ!ありがとございます!」
不安げだった表情がぱぁぁっと綻んだ。
それからは少し打ち合いをして今日は終わりにする。手始めにエディがどれほどの実力か見てみたかっただけだしな。
「(さて、朝食の準備をしないと…)」
そう思ってシガンたんが休んでいた木に目を向けるとそこにはスヤスヤと眠っている推しの姿が。
「(はぁぁぁ、可愛い。俺には起こすなんて出来ない!)」
推しにはとことん弱いらしい俺は、そのままシガンたんをお姫様抱っこして部屋へ運ぶ。もちろんエディ様に一礼してきたよ。
そっとベッドに寝かせて食事を作ってしまう。
やっぱり大人びていてもまだ7歳なんだと再認識した。これからどんどん忙しくなっていくだろうけど、どうにかして支えたいな。
何て黄昏ていたけど、ふと我に返る。あれ?シガンたんとエディって全然接点なくない?俺と稽古してたのにお互いに俺と以外は一言も話してないんだけど…この展開大丈夫なのか!?
いや、大丈夫かどうかより可愛い同士のイチャコラが見れないのは、俺が悲しい。
今は長期休暇中だけど、エディは教室へ行くようになったしシガンたんと話すようにはなったと思ってたんだけど。それに担任もガレアとも、殿下とだって全然進展がない。そう言えば、俺とずっと一緒にいる様な…
「(はっ!俺が親密になるのをダメにしているのか!)」
俺の推し愛が爆発したばかりに、物語の内容が全然進まなかったのか。少しの間だけでも推し離れをした方が良いのだろうか…
この時夢の住人と化しているシガンは、まさか自分の思い人が良からぬ方向へ突っ走っていることに気づく由もなかった。
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