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さすがサムソン家⑵
しおりを挟む当主から出た内容は処罰でもなんでもなく、一人の親としてのお願いだった。
「そんなッ!私がシガン様を見捨てるなど!反対に私に愛想を尽かされても可笑しくありません。」
「フハッ、それこそあり得ないことだから心配しなくていいよ。それで、街で何があったか教えて貰っても?」
ひとしきり笑った当主はガラリと雰囲気を変えて、話を戻す。
何に対して笑っているのか、いまいち理解できないけど聞ける空気でもないし大人しくしておく。
「はい。」
ひとしきり街での当たり屋との出来事を話した後、紅茶を貰って一息つく。
「そうか…私の領地でそんなことが…少し大人しくし過ぎたようだね。ベルデ君ありがとう。私も重たい腰を上げないといけないみたいだね。」
「あの、今日の者に逆恨みでもされたら面倒なので殺しとまではいかずとも適当な処分が必要かと。」
「それもそうだね。ベルデがこかしただけでは我が妻に手を出した罪は償えまい。」
そう言って不敵に微笑む当主は、同性から見てもカッコいい。将来シガンたんもこうなるのかと思ったら鼻血でそう。当主の前じゃなかったら出てたな。
それから当主は街の警備を強化するとともに、取り締まりの強化に力を入れたらしい。
ちなみに、どうやってあの当たり屋を当主が突き止めたかは内緒。まぁ、世の中知らない方が良いこともあるしね、うん。さすがサムソン家とでも言っておこう。
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