【完結】総受け主人公のはずの推しに外堀を埋められた！？

俺はオコです！⑶

「それでは初め！」

前回のときとは違って、体術。剣術とは違って、その身そのままの肉弾戦だから戦術はシンプルだ。

走って距離を詰めて来た相手の動線から間近で逸れて、相手の勢いをも自分の力に変える。
鳩尾に一撃位で倒れる相手ではなく、一撃食らったくせにそのまま俺に一撃をくらわそうとする。

もちろん避けるけど、戦い方が護衛ではないのが丸わかりだ。護衛騎士は主人を守ってなんぼだ。自分がケガをして主人の足を引っ張ることはあってはならず、もちろん敵が目の前にいるのに、自分が死ぬのは本当にやむを得ないときのみだ。自分が死んだ後に主人が死んでしまう確率が生きる確率よりも高いのだから当たり前だ。無論、攻撃を避けるのも当たり前で好き放題に戦うなんてもってのほか。それを今目の前でこの大柄な男はやってのけている。

「(舐めてんのんか？こいつも、チュリア家も)」

サムソン家を目の敵にしようが、シガンたん達は相手にもしてないから俺には関係ないけど…外部の人間を使ってまで陥れようとするその腐った根性が腹立つ。

そんなことで堕ちるサムソン家ではないが、それで勝てるとシガンたんをそこまで舐めていることに腹が立つ。







この目の前の男に恨みはないが…