【完結】総受け主人公のはずの推しに外堀を埋められた！？

家族公認とはこのこと？⑵

俺が描いたストーリーはシガンたんが家の手伝いをするなんて描写を入れた覚えはなかったのに。何かシガンたんを動かすきっかけがあったんだろう。

俺があまりにも外れた行動をしているから、今後の展開が予測不能になりつつある。それを楽しみ半分、焦り半分でどこか客観的に見ている俺はまだこの世界に現実味を感じていないのだろうか。


「ベル！見ててね、僕もっと頑張るから！」

「シガン様、あまり無理をされないように。私は心配です。」

「あらあら、貴方そう言うことだったのね。これからが楽しみね。」

「そうだな。理由はなんであれ、シガンがやる気になってくれて良かったよ。この公爵家は安泰だな。」

「もう、お父様！お母様！余計なことを言わないでください！」

今、ごく普通の一家の和気あいあいとした光景を目にしているけど…公爵夫妻が話している内容の意味が分からず、首を傾げることしかできない。

「(まぁみんな楽しそうだからいっか。)」

普通に考えて今の状況が可笑しいことは誰もツッコまないから、俺もツッコまないようにしている。この世界のどこに、護衛騎士を家族の団欒に席を置く貴族がいるだろうか。と声高らかに言いたいがここの中に留めておく。公爵家はそれほど俺のことを気に入ってくれているのだろ自画自賛でもしておこう。