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可愛い攻め要員⑶
しおりを挟む「そうだと良いのですが…あの、暇な時でいいので稽古をつけてくれませんか?」
可愛いお願いを断ることは、もちろんある訳もなく…
「もちろんです。私でよろしければ…」
「っ!ありがとうございます!」
パァッと表情を綻ばせて、そのままガバッとお辞儀をされた。年相応らしい行動に思わずフッと笑ってしまった。
そのことに、自覚があったのか頬をほんのり赤く染めたエディは可愛かった。
「エディ様、私のことをさん付けで呼んだり敬語を使用するのはお止めください。私はあくまでも公爵家に仕えている者です。そうでなければ子爵家の次男。公爵家であるエディ様が敬語を使うほどの者ではございません。」
「しかし!俺は貴方を慕っています。尊敬している人に敬語を使って何が悪いのでしょうか…」
従者ならではのお願いをしたけど、シュンとした様子のエディにハートを撃ち抜かれる。
「(シガンたんが一番なのには変わりないけど、エディもかっわっ!)エディ様の呼びやすく、話しやすいようで大丈夫です。」
もう俺に選択肢はない。エディに委ねるのみだ。委ねるってなんか言葉エロいな。
「やった!ありがとうございます!」
エディが喜んでるなら何でもいっか。
そういえば、エディは誰のために強くなりたいのかな…今はまだ何も聞けないけど、おいおい聞けたらいいな。
「エディ様、剣の稽古は付けますが体術や剣術は身体を鍛えただけでは意味がありません。頭脳も鍛えなくては…ですので授業にはちゃんと出てくださいね?」
「…はい。ベルデさんが言うなら。」
授業をサボる不良少年を更生した気分でちょっとだけ晴れ晴れしい気持ちだ。
丁度チャイムが鳴って授業の終わりを知らせてくれる。
「エディ様、次の授業からですよ。」
「はい!」
そう言ってお辞儀をしたエディはそのまま教室へ向かって行ってしまった。
素直で可愛いのに…お兄さんとの間に劣等感植え付けたのは周囲の人達だろうな。
「(さて、気を取り直してちょっと散策するか。)」
「ベルデ、俺を待っていたのか?」
散策したかったのに…
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