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やっぱり俺って優秀なのかもしれない⑵
しおりを挟むシ―――――ン
一瞬の出来事で場の空気が静まっている。
久しぶりに感じる勝利の感覚、相手を超える瞬間。この上なく気持ちがいい瞬間でもあり、同時にあまり感じたくない瞬間でもある。そんな矛盾な感情が渦巻くのを感じながら、審判である教師の判定を促すべくチラリと視線を移す。
「っ!止め!!勝者サムソン家ベルデ!」
「キャー!カッコいい!」
「強い!かっけぇ!」
「やっぱり逃げてたわけじゃなかったんだね!」
「さすが護衛騎士の格もサムソン家って感じだな。」
数秒続いた沈黙も教師の一声で一斉に騒がしくなる。
次から次へとサムソン家及びシガンたんを称賛する声が聞こえる。良かった、シガンたんの印象良くなったみたいだな。
「ベル!」
こちらへ駆けてきたのはシガンたん。その顔には言いたいことがいっぱいある!って書いてあるけど、クラスメイトの前だからか、何とか留まっている様子。
「(ふふ、キラキラした目で見て…あぁ推しが可愛い!推しのために動ける立場で良かった。)シガン様、勝利をあなたに。」
そんな推しに片膝をついて、片手を持ち上げてキスを落とす。
「なっ///コソッ)ちょっとベル!やりすぎだよ!そこまでしなくてサムソン家に影響なんてないから!」
俺の演出に思わずシガンたんは抗議の声を上げる。って言っても周りには聞こえないような声でだけど。
そんな俺たちを羨ましそうな目や好奇の目などで見てくる中――――
パンッ
「何をやっているんだッ!お前はチュリア公爵家に泥を塗ったんだぞ!!」
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